第二回:女性がマンションで暮らしやすい環境をつくるためのポイント

今回は、マンションの暮らし全体を踏まえながら、今までのインタビュー中で、特に気になったキーワードや実例をピックアップし、それに対する提案や、良い実践事例をご紹介していきます。

暮らしの主役である女性の声をベースにする事で、マンションの暮らしがより楽しく、より良くなる事について考えて行きたいと思っています。

マンションの暮らしに欠かせないコミュニティ(=合意形成)

インタビューの中でも「コミュニティ」という言葉がありましたが、このコミュニティ、実はマンションの暮らしでは欠かせないものです。アンケートを取ると、コミュニティの必要性をあまり感じていない回答が多かったりするのですが、それは言葉から連想されるものが世代や経験によって大きく異なるからだと思っています。

しかし、マンションは「住民総会」が運営の中心にあり、そこで決まらなければ何もできないという特徴を持っています。つまり、目には見えないのですが、コミュニティの成熟度が運営に大きく影響するのです。

そのような中で、そこに住む人達が協力してよい暮らしを作っていこうとしているところと、運営を完全お任せにしてしまっているところや意見がまとまらず決められないところを比較すると、その差は明らかです。

前者では、住んでいる人の状況に合わせてハードや運営方法を変化させていき、暮らす安さを維持していけます。しかし、後者ではそれができないため、経年で暮らしやすさに大きな差が生まれてきて、それは資産価値というところに大きな影響を及ぼします。

少し固く長い話になりましたが、マンションにおけるコミュニティの重要性を少しでも実感して頂きたいと思い書きました。では、それを踏まえて、インタビューからの気になるキーワードについて実例を元にご紹介をしていきたいと思います。

女性の暮らしやすさに繋がるマンションでの3つの重要な事

1.流れの中で発生する「コミュニティを誘発する場作り」が重要
2.同世代、世代を超えたコミュニティには「共通項探し」が重要
3.マンション内ボランティアや地域活動の活性化には「情報発信」が重要

1.流れの中で発生する「コミュニティを誘発する場作り」が重要

これについては、設備等のハードと運営等のソフトの両方の視点が重要です。

まずハード面ですが、「コミュニティを誘発する場」がすでに整っているのが、いわゆる「団地」です。

団地と聞くと古いイメージを持つ方もいますが、昔の団地(特にUR団地)は建物もしっかりしていて、内装を新しくすれば生活には全く支障がありません。

話が逸れましたが、何よりも魅力的なのが、写真にもあるように「敷地が広い」という事です。前回のコラムでインタビューに答えていただいたAさんも、子どもが道路を横断しなければならない事を気にされていましたが、敷地が広い団地ではそのような心配が無く、子どもが遊びまわれるスペースが十分にあります。

オープンスペースがあるという事は、自然と関わりあえる流れも起こりやすいので、団地は子育てしやすいマンションの形といえるでしょう。また、団地型ではない、敷地が限られているマンションの場合でも、エントランスにちょっとした集まれるスペースを作ったり、集会所をお子さんが帰って来る時間帯は誰でも使えるようにしておく、といった、いわゆる「たまり場」をつくるというのも、1つの方法だと思います。

次に運営・ソフト面ですが、程度の問題もありますが、子どもの遊びに対して、「許容度を持つ」という事が大切だと思います。例えばAさんのマンションでは、「遊び禁止!」と、全ての遊びを禁止にしてしまったが故に、そこにあったコミュニティも無くなってしまいました。「ボール遊びは禁止だけど、それ以外は親が一緒ならOK」といった具合に、極力マンションのオープンスペースで子どもたちと親たちが交流できる場所をつくることが、運営のベースになればと思います。

2.同世代、世代を超えたコミュニティには「共通項探し」が重要

子どもを通じた同世代コミュニティは、マンションであれば比較的できやすいのはインタビューでも分かりましたが、私たちが植栽管理でお世話になっているマンションでも、趣味を通じた同世代コミュニティは、シニア世代を含めて良くあるように思います。

しかし、あるマンションに住む自治会長に「暮らしの安心を考えると、多世代のコミュニティがあった方が良い。例えば、お年寄りが困った時に、力仕事なら若い人が助けてあげられるし、その逆も然り。時間があるお年寄りなら子どもを少しの時間であれば見てもあげられる。そんな交流がある暮らしを作りたい。しかしなかなかできないんだよな~」というお話をうかがったことがあります。

このお話しからわかるように、多世代コミュニティは、言葉でいうほど簡単につくることが難しいのが現状です。この課題を解決するための絶対的な方法は無く、各マンションあわせて試行錯誤が必要になります。次のページでは、多世代交流のためのユニークな取り組みをご紹介していきます!

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2013/03/01