電力を「貯める」蓄電池を知ろう!

前回は、マンションへの太陽光発電導入の可能性について、自然エネルギー推進協会 穴田様 大峯様にお話を伺いましたが、今回も引き続き、震災以降、特に注目が集まっている蓄電池についてうかがいました。

Q.前回のお話の中でも触れていた蓄電池について、もう少し詳しく教えていただけますか?

A.蓄電池は、太陽光発電だけではそのまま使用するしかなかった電力を、「貯めておく」ことができます。そのため、例えば地震などの災害時に、電力供給が不足するといった場合などに、使用できるメリットがあります。
東日本大震災の際、電気の復旧は、ガスや水道といった、他のライフラインに比べて早かったそうですが、1週間程度かかった地域も多かったようです。マンションの場合、災害時には自宅で生活することも想定されるため、電気が復旧するまでの間を上手に持ちこたえるために、太陽光発電と蓄電池をセットで利用することは、1つの選択肢だと思います

Q.緊急時以外にも、利用するメリットはありますか?

A.もちろんです。貯めておいた電力を普段から使うだけで、電気料金の節約につながります。また、深夜電力など電力料金が割安な時間帯に充電して、日中の電力料金が高い時間帯に貯めた電力を利用することで、電気料金をより節約する、といったこともできると思います。

Q.蓄電池の導入には、どれくらいのコストがかかるものでしょう?

A.蓄電池の価格は、貯められる電力量にもよりますが、安い製品でも50~100万円程度はするでしょう。大容量の製品になると、500万円~1000万円するものもあります。
現在蓄電池は、病院やオフィスビルなどで導入が進んでいますが、価格がネックになって、家庭では、大手住宅メーカーの新築物件以外、あまり普及していないのが現状です。
ただし、分譲マンションであれば、蓄電池を共用する目的で購入するのであれば、購入費用を居住者で分割できるので、戸建てに比べ、比較的安価に導入できる可能性はあると思います。
また、現在は、補助金制度により、国から3分の1を補助してもらえる製品も多いので、購入するにはよいタイミングだと思います。

Q.実際、1台の蓄電池でどの程度まかなえるのでしょうか?

A.蓄電池の貯めておける電力量や性能にもよりますが、例えば300万円程度(補助金を利用すれば約100万円)の蓄電池を購入し、マンションに住む10世帯で共同利用すると仮定した場合、ポータブルのLED照明や携帯電話の充電など、ある程度用途を限れば、数日程度は利用できるのではないでしょうか。また、太陽光発電と組み合わせれば、電力を貯めながら使うことができるので、災害時の電力復旧までの非常用原力としても、役に立つと思います。

Q.購入した後に、メンテナンスなどで苦労することはないのでしょうか?

A.現在主流となっているリチウム蓄電池は、鉛蓄電池に比べると寿命も長い為、毎日充放電を繰り返しても10年以上もつと言われていますから、頻繁なメンテナンスなどは不要だと思います。ただし、定期的なチェックは不具合などの発見にもつながりますから、購入先に相談してみるといいでしょう。

Q.導入する際に、特に気をつけることはありますか?

A.蓄電池は、製品の性能によりますが、貯められる電気の量が限られていますし、日頃使っているすべての電気をまかなえるわけではありません。
そのため、共同利用を目的にマンションで購入する場合は、蓄電池ごとに共有する住居の範囲を定めたり、使用は携帯電話の充電に制限するなど、用途や優先順位を事前に決めておくことが大切だと思います。


2回にわたり、マンションでの太陽光発電と蓄電池についてお伺い致しました。関心の高まりからマンションに適した製品も増えているようです。もしもの時にとても心強いので、皆様もご検討してみてはいかがでしょうか?

2012/12/26