夏の節電は窓際と家電がポイント!Part.2

カーテンのプロに聞く「究極の窓際暑さ対策」

夏の節電は窓際と家電がポイント!Part.1」で、さまざまな窓際の暑さ対策の検証を行ってきましたが、プロの経験から本当に効果がある対策はどれなのでしょうか。スイス製インテリアファブリックブランド「クリエーションバウマン」の長谷川さんにお話しを伺いました。

Q.なぜ窓際の暑さ対策が節電に有効なのでしょうか?

長谷川さん。いつもお客様の様々な疑問に丁寧に答えてくれる、カーテンのプロ。

「マンションの壁や天井は戸建てよりも断熱性が高いので、部屋の中に侵入してくる熱のほとんどは窓からになります。特に高層マンションの場合はバルコニーに庇(ひさし)がない構造が多いので、直接窓に日差しが当たります。ですから窓の遮熱をしっかりすれば冷房効率が上がり、節電に有効になるわけです」

Q.窓の遮熱でおすすめのアイテムは?

「窓際の遮熱アイテムとしてはカーテン、フィルム、オーニング、緑のカーテン、すだれなどがあります。その中でも効果が高いといわれるのがカーテンとフィルムです。
でもフィルムの場合は、キレイに貼るのが難しいことや、ペアガラスに貼ると割れる心配があるなどで専門業者による施工が一般的です。とはいえ、どの業者に頼んでいいかすぐに分かる方はあまりいませんよね。それに施工前に管理組合へ確認が必要な場合もあります。
またオーニングの場合は管理規約により付けられないマンションも多いはずです。緑のカーテンも不可な場合がありますし、外の景色が見えなくなるといったデメリットがあります。すだれは洋風なインテリアには馴染みにくいでしょう。

その点カーテンは手軽なところが魅力です。カーテンを掛けない家はあまりないですよね。つまり遮熱カーテンを使えば遮熱のための追加アイテムが必要ないわけです。
タワーマンションの中には新築の時からフィルムを貼っている物件もあります。あるお客様はそれでも「暑いし、ギラギラまぶしい」と悩んでいました。そこで遮熱カーテンをつけていただきました。それでだいぶ暑さが軽減されましたし、同時にお部屋に入る日差しの調節も自由にできるようになりました。このような理由から窓の暑さ対策には遮熱カーテンがおすすめです」

Q.遮熱カーテンと遮光カーテンは違うのでしょうか?

生地の構造の違いと性能について説明を受ける編集部スタッフ。

「実は『窓辺が暑いから遮光カーテンを掛けよう』といったふうに、遮熱と遮光を混同されている方の声をよく耳にします。
しかし遮熱と遮光は目的が違います。遮光カーテンは、光を遮るために縫製段階で黒い糸を中に織り込んでいるカーテンです。
日差しを通さないのでいくらかの遮熱効果はありますが、当然透けることはありません。昼間に部屋が暗くなっては照明をつけなくてはいけませんから節電にはなりませんよね。それに気持ちも暗くなるのではないでしょうか。遮熱カーテンなら暑さを通さないことに特化した性能を持ち、なおかつ光を通す“透け感”を楽しむことができます」

【参考】夏の暑さ対策に関するアンケート
http://www.mlab.ne.jp/enquete/results/results_20120629-2/

Q.遮熱カーテンの構造は?

おもな遮熱カーテンの構造には4種類あります。

1.アルミ蒸着
生地の裏面にアルミを蒸着させる

2.ミラーカーテン

ポリエステルに日光を反射させるブライト糸を織り込む。そもそもは外からの視線を遮るための加工

3.特殊ポリエステル糸

ポリエステルにセラミックや酸化チタンを練り込んだ特殊ポリエステル糸で生地を織る

4.スパッタリング

生地の裏面に分子レベルまで細かくしたスチールを吹きつける

すべてに共通して遮光と違い「透ける」という特徴があります。一方でそれぞれにメリット・デメリットもあります」

Q.熱性能に違いがあるのでしょうか?

日本繊維製品品質センターによる断熱性試験(赤外線ランプ法60℃)

「構造の種類または個々の製品によって大きく違いがあります。当社は日本繊維製品品質センターに依頼し、8種類のカーテンの遮熱性を調べました。試験方法は約50センチ角のボックスに取り付けたガラス面に赤外線ランプを当て、1時間後のボックス内の温度上昇を測定するものです。」

こちらがその結果になります。

「この試験結果からアルミ蒸着の遮熱性がもっとも高く、通常のレースに比べ8.1℃低いことが分かります。

遮熱ファブリック効果比較

またスパッタリングの遮熱カーテンの中には通常のレースよりも温度が上昇したものもありました。

これは、この時使用した通常のレースカーテンがいくらか光沢のある生地だったので光を反射し、遮熱したのかもしれませんが、正確な理由は分かりません。
とにかく遮熱をうたっているカーテンの中でも性能の差がかなりあることは間違いないんです」

Q.では、どのようなことに気をつけて遮熱カーテンを選べばよいのでしょうか?

遮熱カーテン選びは、機能だけでなくデザインにもこだわりを、と語る長谷川さん。

「注意点は2つです。1つ目は遮熱効果の裏付けに注目してください。販売店によっては『遮熱性能はどれも変わりません。デザインで選んでください』といった粗い説明をするところもあるようです。しかし、先ほどのように個々の製品によって性能は大きく違います。メーカーの中にはそれぞれの製品の遮熱性能を数値化し公表しているところもあります。このような製品なら信頼度は高いと思います。

2つ目はデザイン性です。カーテンはお部屋の中でかなり大きな面積を占めます。お気に入りのデザインの家具を一生懸命選ぶ方は多いと思いますが、普段の生活の中で家具よりもカーテンが目に入る機会の方が多いのではないでしょうか。そのためカーテンは空間のイメージを左右する大変重要な要素となります。たとえ性能が高くてもカーテン越しに透かして見える四季の移ろいが楽しめなくては味気ないですよね。
今年は昨年に比べたくさんの種類の遮熱カーテンが発売されています。それぞれの違いをしっかり理解し、裏付けのある遮熱性能と毎日の生活を豊かにしてくれるデザイン性の両方にこだわって選んでほしいと思います」

クリエーションバウマンジャパン株式会社

スイス ランゲンタールに本社を持つインテリアファブリックメーカー。創業126年。デザイン、製造技術ともにすべて自社で開発し、126年という経験から生み出される600アイテム6000色のアイテムは、世界中の建築、インテリアにかかわる方から高い評価を受けている。

クリエーションバウマンジャパン  http://www.creationbaumann.jp/
クリエーションバウマン スイス本社HP  http://www.creationbaumann.com/

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2012/07/10