マンションアフタースクールプロジェクト Part.7

マンション・ラボ編集部と放課後NPOアフタースクール、そしてマンション住民の方々が手を取り合って進めてきた「マンションアフタースクールプロジェクト」。2012年の初夏から、一歩一歩進めてきたこの取り組みが、ついに記念すべきひとつの節目を迎えました。

今回は、2013年4月に行われた住民交流イベントの新しいカタチ「住民文化祭」当日の模様をレポートします!

楽しい!から仲良くなれる。交流を育むプログラムたち

2013年4月20日午前9時。東京都心に建つタワーマンションのエントランスフロアは、いつもの朝とはちょっと違う雰囲気に包まれていました。

10時にスタートする「住民文化祭」を目前に控え、この日のプログラムを手がける住民先生や市民先生のみなさん、イベントをさまざまな面でサポートしてくださる住民ボランティアのみなさんや「放課後NPOアフタースクール」のみなさん、そしてマンション・ラボ編集部の面々は、イベントの準備を整えるべく、フロアを走り回っていました。

それぞれの心の中にあったのは、はじめて開催する「住民文化祭」が、果たしてうまくいくのかということ。文字通り、期待と不安の入り交じった気持ちでした。

ドキドキしながら準備を進めていると、エントランスホールには住民の方々が、ひとり、またひとりと集まって来ました。そして、いよいよ10時。住民交流イベントの新しいカタチ「住民文化祭」がスタートしたのです!

「東大奇術愛好会」所属の市民先生によるマジックショー

「住民文化祭」の幕開けは、「東大奇術愛好会」のみなさんによるマジックショーでした。朝日が射し込む広々としたエントランスで、彼らがマジックを披露すると会場からは「おおっ」という声と拍手が。

足を止めてマジックに見入る住民の方々が、ひとり、またひとりと増えていきます。特に子どもたちは目の前で繰り広げられるマジックに興味津々の様子でした。

好奇心たっぷりの子どもたちの笑顔から、無事スタートした「住民文化祭」。マジックの後は、エントランスフロアやキッズルーム、パーティールームなどの共用部を舞台に、さまざまなプログラムが行われました。

住民のみなさんが手作りするマンションコミュニティイベント

マンションにお住まいの方が「住民先生」を務め、大盛況となったプログラムが「トールペイント(アクセサリーづくり)」と「プリザーブドフラワー(フラワーアレンジメント)」。

住民先生による「トールペイント」プログラム

さらに、エントランスフロアの入口には住民の方が作ったアート作品が並ぶ「住民作品展示コーナー」が設けられ、会場に彩りを添えていました。

陶器に絵柄や色、イニシャルを描き、世界でひとつだけのアクセサリーをつくる「トールペイント」には、お子様からシニアの方まで、さまざまな方が参加。

なかには「こんなに本格的な体験ができるなんて!ぜひ定期的な教室を開催してほしい」という意見も出たほど。あまりの人気ぶりに「住民文化祭」が終幕する13時を超えても、熱心にトールペインティングを手がける方もいたほどです!

「プリザーブドフラワー(フラワーアレンジメント)」プログラムも多くの女性やお子様が詰めかけたプログラム。あまりの人気ぶりのため、お昼過ぎに材料がすべてなくなってしまうほど。

住民先生による「プリザーブドフラワー(フラワーアレンジメント)」教室

プリザーブドフラワーを使ったフラワーアレンジメントは、気軽に挑戦できるけれど、やってみるとなかなか奥の深いプログラム。それぞれの個性を反映したカラフルな作品のひとつひとつが、まさに多彩な個性が集まったマンションライフを象徴しているようでした。「わぁ~、キレイにできたね」なんて会話も、自然に飛び交っていました。

絵画のような刺繍や見事な書、緻密なビーズ細工など、数々の品が並んだのが、エントランスフロア入口近くに設けられた「住民作品展示コーナー」でした。

住民の方が創作した作品が並んだ「作品展示コーナー」

プロ顔負けの美しい作品がずらりと並ぶこの一角では、ものづくりをライフワークとする住民の方々同士の交流はもちろん、作品を鑑賞した方と作り手が会話を交わすシーンも。

「アート」というひとつの媒介があるだけで、新たなコミュニケーションが生まれる。その様子には学ぶべきところが多いのかもしれません。

スラックラインからワインまで「市民先生」も大活躍!

初めて開催された「住民文化祭」を盛り上げていたのが、自分のお仕事や特技を子どもたちに教える先生として「放課後NPOアフタースクール」の活動に協力されている「市民先生」の存在でした。

市民先生に「ギボン・ジャパン」代表の屋代幸平さんを招いた「スラックライン」プログラム

「住民文化祭」で、ひときわ大きな歓声が上がっていたのが「スラックライン」教室でした。スラックラインとは、ロッククライマーたちがはじめたつなわたりスポーツのこと。

キッズルームに設けられたつなわたりスペースは、イベント開催中、常に多くのキッズたちで大盛り上がり。「市民先生」の屋代幸平さんのわかりやすい指導で、めきめきとスラックラインの腕を上達させる子どもたちの適応力には脱帽でした。

さらにキッズルーム横では、「東大記述愛好会」の「市民先生」のおふたりが、子どもたちに簡単なマジックをレクチャー。こちらにもたくさんのキッズたちが集まっていました。

プロの美容師さんを「市民先生」に迎えた「ヘアアレンジ&前髪カット」コーナー

おしゃれ大好きキッズ&ママのハートを釘付けにしていたのが、マンションの近くにサロンを構える「美容室シュモレポルターレ」から美容師さんを招いての「ヘアアレンジ&前髪カット」プログラムでした。

プロの腕前を学べる&前髪カットをしてもらえるとあって、こちらも大盛況。体験希望者「10人待ち」なんて状況もあるほどでした。

しっとりと大人の雰囲気を醸し出していたのが、パーティールームで開催された「ワインテイスティング」でした。

ワインアドバイザーの上籔寛士さんを「市民先生」に迎えた「ワインテイスティング」

「普段使いできるおいしいワインを」を合い言葉に開かれたこのプログラムでは、マンションの近隣にある大型ショップで購入できる2,000円~3,000円程度の気軽なワインの試飲&レクチャーが行われました。

“ワイン好き”という共通点を持つ住民の方ばかりが参加したこともあって、こちらも終始和やかなムード。もしかしたら「今度、近所に飲みに行きましょう!」なんて会話も交わされていたかもしれません。

イベントの締めくくりは住民演奏家によるチェロコンサート!

イベントのエンディングは「チェロの演奏」で

10時~13時の3時間にわたり、多彩なプログラムが行われた「住民文化祭」。その締めくくりとなったのが、マンションにお住まいのチェロ演奏家によるコンサートでした。

クラシックの名曲から童謡まで、広々としたエントランスに響く美しいチェロの音色は、住民の皆さんだけでなく市民先生やボランティアスタッフを魅了し、フロアには多くの人が訪れました。

2013年4月10日、13時過ぎ。こうしてはじめての住民交流イベント「住民文化祭」は、ゆっくりと幕を閉じました。

次のページでは「住民文化祭」への住民のみなさまの反響や、スタッフとしてイベント運営に関わった方々の声をお届けします。そちらもあわせてご覧ください!

次のページ:わずか3時間の「住民文化祭」に200名を超える参加者が!

2013/05/22

プロフィール

平岩 国泰

放課後NPOアフタースクール代表理事。1974年東京都出身。1996年 慶應義塾大学経済学部卒。2004年長女の誕生を機に放課後NPOアフタースクールの活動開始。日本初の“放課後NPO”の活動は、100種類以上の“放課後プログラム”が誕生し、1万人以上の子どもが参加。グッドデザイン賞(2年連続)他各種受賞。