マンションアフタースクールプロジェクト Part.1

住民主体で行なうイベントをサポートしよう!

最近巷で話題になっている「コミュニティ」。
マンションでも、防災や防犯面、また豊かなマンションライフをおくるうえで、とても注目されています。すでにいろいろなイベントでコミュニティが盛り上がっているマンションもありますが、まだまだ模索しているところも多いようです。
そこでマンション・ラボ編集部では、市民から先生を募り地域のコミュニティ活性に尽力している注目の「放課後NPOアフタースクール」と一緒に、マンションの住民自身でコミュニティづくりのできる新しいプログラム開発を目指し、このたびイベントを行なうことにしました。
題して、『マンションアフタースクールプロジェクト』。

マンションに住む様々な住民は、いわば知識の宝庫。いろいろな仕事や経験をもった先生です。その「資源」を将来的に活用していけるよう、「放課後NPOアフタースクール」の実績やノウハウをもとに、実際のマンションでその取り組みを応援していこうという試みです。

今回から、このイベントの開催にあたって、どのようなミーティングや準備を行っていくのか、その様子を随時ご紹介していきます。マンションのイベント開催に意欲のある方、コミュニティをもっと盛り上げたい方は必見です。ぜひご覧ください。

プロフィール

■平岩 国泰氏
1996年慶応義塾大学経済学部卒業。30歳で初めての子どもが生まれたのを機に放課後NPOアフタースクールの活動を開始。子どもの放課後を安全で豊かにするため、地域の大人を「市民先生」として放課後の子どもに届けている。衣食住からスポーツ、音楽、文化、学び、遊び、表現まで多彩なプログラムを展開し、現在までで開催した「放課後プログラム」は800回以上、参加した子どもは25,000人を超える。

■マンション・ラボ編集部 さとう

マンション・ラボ編集部員。24時間365日、常にマンションのことを考えている情熱家。

■マンション・ラボ編集部 いとう

マンション・ラボ編集部員。8歳の小学生が子どもにいることから、放課後アフタースクールに興味を持つ。


編集部さとう(以下S):
平岩さん、ご無沙汰してます。
放課後NPOアフタースクール代表 平岩氏(以下H):
ご無沙汰してます。今日はお招きいただきありがとうございます。
編集部いとう(以下I):
今日は平岩さんとマンション・ラボ編集部の二人で、この『マンション住民が先生になる!マンションアフタースクールプロジェクト』のキックオフを行ないたいと思います。
よろしくお願いします。

S・H:よろしくお願いします。

I:まずこの企画自体は、「放課後NPOアフタースクール」で行なっている取り組みをモデルにすすめるわけですが、放課後NPOアフタースクールの概要、そして今回の企画に至った経緯を簡単に説明いただけますか?

H:わかりました。まず私たちの「放課後NPOアフタースクール」ですが、子どもたちの放課後を安全で豊かにすることを目的としています。そしてその活動の原動力が「市民先生」です。文字通り市民が先生となる取り組みで、たとえば、
・レストランのシェフが料理を
・建築家が家づくりを
・弁護士が裁判のことを
子どもに教えてくれるわけです。これを私たちは「放課後プログラム」と呼んでいます。学校では教えてくれない内容を、「放課後の学校」で学ぶのです。今では250種類以上のプログラムが生まれ、2.5万人以上の子どもたちが参加してくれました。

I:なるほど、それはおもしろいですね!ちなみにどのようにして市民先生を選んでいるんですか?

H:私たちの市民先生ははじめて先生になる人ばかりですが、ぼくは「人を見たら先生と思え」という感じで、常に「この人だったらどんな先生になれるか」という視点で見ています。そういった意味では、大人は誰でも子どもたちの市民先生になることができると考えています。

I:その市民先生の考えを、今回マンションで行うということですが、どういった考えからでしょう?

S:平岩さんが今言われた「市民先生を捜す」という視点をマンションに当てはめてみてください。マンションにはたくさんの人が住んでいますよね。ということは、マンションは実はすばらしい先生の宝庫と考えることができませんか?マンションの住民が先生になって自分の仕事や趣味・特技をプログラムにし、生徒となるマンション住民に教えていくのです。プログラムは子ども向けでも大人向けでも混合でもOKです。集会室やエントランスなどの共用スペース、敷地などがあるので、まさにプログラムを行うには絶好の環境といえます。これが、『マンション住民が先生になる!マンションアフタースクールプロジェクト』です。

I:なるほど!マンションの住民を先生として募るというのは、画期的ですね。

H:マンションの住民さんを先生にするのはやったことがないですから、とても楽しみです。

S:マンションは「集合住宅」といわれるように、たくさんの人が一つの建物にすんでいます。そこには子どもからシニアまで、幅広い年齢層の人がすんでいて、しかも経験値や価値観も違う。ここがコミュニティのできにくい、ネックになる部分なんですが、このプロジェクトではその違いを「先生」にすることで解消できる、いや、むしろ強みに変えられると考えています。

H:わたしたちの市民先生の発想もまさにそこにあります。市民=知的資源=先生というように、活かされていない「人の知的資源」を使わない手はないだろうと。

I:なるほど。

H:ただ、今回のプロジェクトで大切なのは、私たちがイベントの企画・実行をすべて行なうだけだと、実はあんまり意味がない。

S:Yes。そのとおり。

I:というと?

H:私たちが目指すのは、住民の方々自身が自分たちの手で活かし活かされる環境をつくり、コミュニティを盛り上げていくことにあります。私たちはそのお手伝いをするに過ぎません。そのためには、積極的にこのプロジェクトに賛同し、参加してくれる人が必要です。単にイベントだけに参加して楽しむだけでは、継続性の必要なコミュニティづくりは難しいかと。

「住民の方々自身でコミュニティを盛り上げていくことが大切」と語る平岩氏。

S:That’s right!

I:ということは、ある程度イベント開催に理解があり、意欲のあるマンションでないと難しいと。

H:まずは最初に事例をつくるなら、そのほうがいいと思いますね。事例ができれば、それを手本として独自でこのイベントを行なうマンションも出てくると思いますし。

S:そういうことなら、実施するスペースのある中規模・大規模物件で、イベントなどもある程度経験されているファミリーの多いマンションがいいかもしれませんね。まずはそういう方向性で進めましょう。

I・H:了解しました。

I:本日はありがとうございました。


次回はイベントを実施するマンションを想定した、具体的なイベントプログラムを検討します。ご期待ください。

マンションアフタースクールプロジェクト Part.2はこちら
マンションアフタースクールプロジェクト Part.3はこちら
マンションアフタースクールプロジェクト Part.4はこちら
マンションアフタースクールプロジェクト Part.5はこちら

2012/07/13

プロフィール

平岩 国泰

放課後NPOアフタースクール代表理事。1974年東京都出身。1996年 慶應義塾大学経済学部卒。2004年長女の誕生を機に放課後NPOアフタースクールの活動開始。日本初の“放課後NPO”の活動は、100種類以上の“放課後プログラム”が誕生し、1万人以上の子どもが参加。グッドデザイン賞(2年連続)他各種受賞。