本と図書館から始めるマンションのコミュニティづくり②~リブライズ~

「リブライズ」を活用している全国各地の図書館活動

コミュニティでの図書館づくりがぐんと身近になる「リブライズ」ですが、このシステムを導入しているブックスポットで、地域との関係づくりやユニークな取り組みを行われているところはありますか?

地藏さん「『リブライズ』をリリースしてから、全国ツアーと称して東北を中心に被災地を回って現地の民間図書館を見学してきました。実際に現場の声を聞くのはとても大切ですね。すごくいい勉強になりました」

河村さん「シャンティ国際ボランティア会が実施している『シャンティ移動図書館プロジェクト』では、鞄にでも2冊本があればそこはもう図書館なのだということに気づかされました」

地藏さん「石巻市の『石巻 まちの本棚』プロジェクトでは、石巻の街中に本好きのための拠点を増やすために、本棚をつくるワークショップを開催して、出来上がった本棚を石巻に寄贈してもらって商店街のお店や施設の小さなスペースに本棚を置く活動を行っています。これもおもしろい取り組みですね」

石巻 まちの本棚

リブライズページ
https://librize.com/places/497

Facebookページ
https://www.facebook.com/ishinomaki.machinohondana

地藏さん「盛岡市の『しあわせ計画舎』という通所介護施設は、1階に「フキデチョウ文庫」と呼ぶブックカフェをつくって地域に開放したんですが、オープン当初は入所すべきお年寄りよりも先に、地域の子ども達が出入りして本を読んで借りていたそうです。ブックカフェが子ども達の集いの場になっていたんですね。それで親御さん達が、様子を見に来て、そこからご家族の話になって自然発生的に介護施設の利用者が増えていったそうです。おもしろいですよね」

しあわせ計画舎

リブライズページ
https://librize.com/places/450

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https://www.facebook.com/pages/一般社団法人-しあわせ計画舎/

「下北沢オープンソースCafe」でも、毎週日曜日に子ども向けに開催している「コーダー道場」に、子どもに交じって付き添いの70代の方もいらっしゃることもあるそうです。関心事で集まると、世代を超えて交流していく可能性があるのですね。

河村さんや地藏さんは、ブックスポットがほどよくニッチ感のある特化したテーマを持てば、世代問わず人が集まることができるのではないかと言います。それは地縁といった関係性ではなく、共通の興味の場に集まってくるつながり。マンションでも、マンション毎に独自のカラーで特化したテーマの本棚をつくったら、おもしろい場づくりができるのではないでしょうか。

「すべてのマンションの本棚を図書館に!」するためのアイデア

「すべての本棚を図書館に!」をキーフレーズに、本を通じて人と場所を面白くするサービス「リブライズ」のお二人に、マンションに図書館を設ける可能性についてアドバイスをいただきました。

図書館用品の老舗キハラとコラボした「キハライズ」ブランドによる新兵器。本棚にリブライズのシステムが動く「移動図書館システム」モデル(写真左)と、「本棚+黒板」モデル(写真右)。現在開発中の実機だそうですが、これならマンションの共有施設のちょっとしたスペースに設置できそうですね。

マンション内に図書委員会をつくろう

地藏さん「僕の住んでいるマンションでもサロンに本が置いてあるんですが、あまり使われていないようです(笑)。でも使い方次第で、本はおもしろい道具になるので、マンションに図書委員会をつくって、書店のようなテーマ展示をしたら、関心を持つ人が増えるんじゃないですかね。

よく花壇をみんなで管理していますが、それと同じ感覚で本棚をみんなで管理していくといいんじゃないでしょうか? リブライズの秘密兵器『本棚+黒板』モデルなんかはマンションの一角でテーマ展示をするのにぴったりかもしれません」

マンションの図書館は公開/非公開どちらでも選べる

マンションの図書館の場合、内側の住民向けだけにするか、地域に開くかという問題もあるかと思うのですが、「リブライズ」は住民向け限定にもできますか?

河村さん「はい。『リブライズ』は公開/非公開を選べますので、どちらにするかはマンションで決めた方法で運営していけばいいのではないでしょうか? マンション内の住民向けだけに貸し借りするかどうかも、自分達で選べばいいと思います。企業や個人の方で、非公開にしたいというニーズもありますので、非公開に対応できる有料の図書館カードも用意しています」

地藏さん「YouTubeチャンネルで『身内図書館の作り方』を開設していますのでこちらの動画もご覧ください」

YouTubeチャンネル「非公開で身内だけの図書室を始めるには」
https://www.youtube.com/watch?v=rVMFPczDIYw

貸し出し履歴はオープン、だからみんなで本について話し合える

河村さん「『リブライズ』はFacebookとも連携していることもあり、本をみんなで読んだり話し合ったりできるように、各人の貸し出し履歴を公開しています。その方が広がりとつながりが生まれるからです。蔵書にも話題が生まれやすい本が登録されていることも多いですね。ある意味セミパブリックな状態で蔵書と貸し出し履歴が公開されていますから、逆に変なことも起こらないというセーフティネットにもなっていると思います。それから『リブライズ』では、成人指定図書は登録できない設定になっていますので、お子さんが使っても安心です」

「リブライズ」では本だけでなく、ものの登録も可能。「ものライブラリー」を閲覧してみると、なぜかキックボードや、カフェと図書室の鍵まで貸し出し可能になっています。

下北沢オープンソースCafeの「ものライブラリー」
https://librize.com/places/3/shelves/11

地藏さん「いっそマンションの空き室があったら一部屋丸ごと図書館にしてしまうとかも面白くていいですよね。マンションは、まだまだいろいろできることがありそうな気がします」

リブライズの魅力ポイント

●本とバーコードリーダがあれば図書館が開設できる
本と本棚、バーコードリーダがあれば、無料で図書館を開設できます。

●貸し出し・蔵書管理が簡単
バーコードを読み取るだけで、貸し出し・返却の蔵書管理が簡単にできます。

●貸し借り履歴がコミュニケーションのきっかけに
貸し借りの履歴がウェブ上で見えることにより、共通した趣味や関心が見えて、コミュニケーションのきっかけになります。

●貸し借りのおもしろさが楽しめる“図書館ごっこ”
貸し出しカードや寄贈書・禁帯出シールなど、図書館のようなツールが「リブライズストア」で販売されています。“まるで図書館ごっこ”をしているようなワクワク気分が味わえるのも、運用上の魅力のひとつです。

●本だけでなく「ものライブラリー」で、もののシェアができる
バーコードのついた「ものタグ」をつければ、電動ドリルや脚立といった、頻繁に使わないけれど必要なものの貸し借りができます。

いかがでしたか? バーコードさえゲットすれば、いますぐ有志でブックスポットを開設することもできる「リブライズ」。マンションによっていろいろな活用方法がありそうで期待できます。もしかすると、これから「リブライズ」のサイトにマンション内図書館の登録が増えていくかもしれませんね。


第三回は、個人の自宅を地域に開かれた図書室として開放している「西国図書室」をご紹介します。マンションで図書館を開設する際に気になるのは、プライベートの線引きをどう考えるのかということ。その点について伺ってみました。

2015/01/15