地域活性化の人財「ご近所イノベータ」を育てる!港区と慶應義塾大学による人財養成講座

港区と慶應義塾大学が協働で開講する、「ご近所イノベータ養成講座」をご存じですか?地域で人と人をつなげ、コミュニティを活性化させるために活躍する“人財(この講座では、人が財産であるという意味をこめて「人財」と呼んでいます)”養成のために開講した講座です。

マンションのコミュニティをより活性化するためには、こうした講座での勉強や人材が必要なのではないでしょうか。今回は、そのヒントをいただくために、ご近所イノベータ養成講座シンポジウムをレポートします。

まちの担い手を応援する、「ご近所イノベータ」養成講座

地域でもマンションでも、コミュニティ活性化のためには、リーダー、ファシリテータ、プランナー、事務局など、さまざまなかたちで協力しながら、人と人を結びつけることができる“人財”が必要です。

とはいえ、なかなか一人だけでは、率先していくパワーやスキルが不足しがち。一緒に話し合える仲間や学べる場がほしいものです。

「ご近所イノベータ養成講座」は、港区という地域を活性化してくれる、次世代のまちの担い手を養成するために設けられた講座です。

港区は、都内でも有数のビジネスエリアとして通勤・通学で人が流入し、昼間人口は90万人、一方夜間人口は23万人となっています(※平成22年国勢調査による)。また、各国の大使館や外資系企業も集まっており、人口の約1割を外国人が占めています。こうした特殊な背景のもと、もっと地域と人をつなぐ取り組みが望まれています。


ご近所イノベータ養成講座Facebookページ
https://www.facebook.com/GokinjoInnovator

受講者は、書類選考および面接で選ばれた20名。年代や職業もさまざまなバックグラウンドを持つ人々が集まりました。

平成25年6月から9月にかけて行われた講義では、NPO、大学教授、地域福祉の専門家などによる講義やワークショップ、マンション・ラボでもご紹介した芝の家での実際の地域活動、合宿など、濃厚なプログラムがぎっしり。受講生は、アイデア出しの技法やスキル、フレームワークを学んでいきます。

受講生たちは、講義を学ぶと共に、地域で活動するアイデアをかたちづくり、それぞれのグループに分かれて活動しました。今回のシンポジウムは、いわばその4ヶ月にわたる成果の発表の場です。

さて、どんな地域イノベーションのアイデアが発表されるのでしょうか。

「ご近所イノベータの時代」シンポジウムで成果発表

シンポジウム「ご近所イノベータの時代」は、平成25年9月28日に慶應義塾大学三田キャンパスで開催されました。

受講生の他に、約50名の方々が参加して大盛況の会場。

「ご近所イノベータ」の講座では、専門家による講義とワークショップの他、グループワークによるプロジェクトの実践が行われました。20名の受講生は、最終的には3〜5名単位の6グループに分かれて、ひとつのテーマ活動を実践します。今回のシンポジウムでは、グループ発表により10分間のプレゼンテーションが行われました。

発表されたテーマは、そのままマンションコミュニティでも取り入れたくなるアイデアばかり。では、各グループのテーマをご紹介していきましょう。
※メンバーのお名前は、愛称で表記されています。

本でつなぐご縁づくり「本とほんとコミュニティ」

メンバー:コニー、アン、アコ

扉を隔てた見知らぬ隣人とも、「本」という媒体を通じて知り合いつながりあえるのでは? そんなコンセプトを、ブックチェンジ&ブックカフェというイベントで体現した「本とほんとコミュニティ」。

芝浦にある大規模マンションの共用施設で開催した初回イベントでは、ご近所付き合いをあまりしたことがないパパ世代や20代のキャリアウーマンなど、さまざまな年代の居住者が参加して交流。今後はマンションから地域へつながりを広げて展開していくそうです。

【マンション・ラボの視点】語らいの力を持つ「本」を活用した好事例

マンションで開催されたブックチェンジ&ブックカフェは、マンション内交流のきっかけになりますね。自然発生的に、ご年配の女性が子どもに絵本を読み聞かせてあげたり、終了後も本について熱心に語るグループが生まれたりしたそう。「本」には、語らいの力があるのですね。「縦型の長屋=マンション」だけに留まることなく、「地域」という横への展開も見習いたいものです。

地域で子どもを育てる「子どもの『力』プロジェクト」

メンバー:カヨ、あお、カイザー、あさみ

地域という土壌で花開く子どもの成長を目指し、子どもがやりたいこと・得意なことをお手伝い、子ども主導型のサポートを行います。地域と子どものつながりを生むために、第一回目は、10月に芝の家で行われた「いろはにほへっと芝まつり」で子ども主導の屋台を出店。さらに今後は、まちなか道場や子ども寺子屋など、地域と子どもと親とを巻き込んで展開していく予定です。

「いろはにほへっと芝まつり」に出展した子ども屋台の様子

【マンション・ラボの視点】子ども視点の大切さ

子どものためのイベントは、大人が提供するかたちになりがちですが、子どものやりたいことや得意なことを優先して、バックで全面サポートするという姿勢がいいですね。マンションでの季節イベントにも、子どもが企画した屋台を出せば、さらに充実したものになりそうです。

ご近所ビギナーのためのフリーペーパー「みなとシルシル」

メンバー:しみず、アコ、シンユウ
HP:HP:http://minashiru.web.fc2.com

港区へ引っ越したばかりのメンバーの一人が、知り合いもいない・地域のことも知らない状態で東日本大震災を経験。「このままじゃヤバイ!」と思ったことから生まれた地域情報のフリーペーパー「みなとシルシル」。

ご近所ビギナーがほしいと思う情報が、コンパクトにまとまっています。自分たちの住む地域のコミュニケーションツールとしても役立ちそうです。

【マンション・ラボの視点】地域情報を深く楽しく紹介

自分の住んでいる地域情報は、意外に知らないもの。平日は忙しくて週末くらいしかご近所を知ることがない、マンション居住者にも役立ちそうです。マンション居住者同士で地域の便利情報を共有しあう、回覧板的なものをみんなでつくるのもよさそうですね。

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2013/11/11