マンションでのSNS交流は、気の合う仲間の小さな輪からスタートを

マンション・ラボのアンケート「同じマンションの住民と、SNSで交流したい?したくない?」をご覧になりましたか?

今回は、マンション内でSNS交流をする際の注意点やアドバイスについて、ソーシャルメディアマーケティングを専門に手がけるグランドデザイン&カンパニーのクリエイティブディレクター佐藤 理さんに伺いました。

近すぎるから敬遠する心理を、近いからこそ役立つ情報共有に転換

アンケート結果を拝見して、「同じマンションに住む人とSNSで交流したくない」と答えた人が60%弱というのも、ある意味頷けます。

同じマンションに住む居住者とのSNS利用は、リアルに接する機会もあるし、少し近すぎる存在ですよね。同じ会社の社員同士や上司と部下がSNSでつながりたくないという意識ともちょっと似ています。

「何十年来の友人・知人と交流ができた」「遠くに住む家族や親戚との交流にいい」というSNSならではの長所と違って、身近すぎるから「プライベートを知られたくない」「トラブルを起こしたくない」という守りの意識が働いてしまうのでしょう。

たとえば一人暮らしの女性の場合なら、同じマンションの居住者にプライベートな情報を晒したくないという気持ちが働くのも無理のないことです。

だからといって、せっかくのSNSを活用しない手はありません。距離が近いからこそ、共有できると便利な情報の輪があるはずです。

マンションで活用する前に!SNSのメディア特性をよく理解する

SNSはそのメディアの長所・短所を熟知して、目的にあわせて選べば、顔の見えるつきあいとして、マンションライフを豊かなものにしてくれるはずです。

フェイスブックは、実名登録制で顔写真がでている分、プライベート情報に配慮する必要はありますが、その人の趣味や個性をよく知ることができます。

ツイッターは、140文字という文字数制限があり匿名での参加ですが、防災情報や地域情報などが瞬時に入手できて便利です。

ラインは、友達登録をすれば、メッセージがスマートフォンにプッシュ配信されるのでリアルタイムでのやりとりにはとても便利ですが、さかのぼって検索できないため、時間をかけて議論する話題には向いていません。

このように主なSNSのメリットやデメリットをしっかりと理解して、交流の目的にあわせて活用するとよいと思います。

SNS交流の前に、個人情報の設定だけはしっかりと!

ところでSNS交流の前に、特に注意してほしいのは、個人情報の設定です。

フェイスブックなら、

・写真に写っている人の許可なく投稿したり、写真にタグ付けをしない
・投稿した写真の位置情報に注意する
・投稿の公開範囲を選ぶ

など、最低限知っておくべき設定や使い方は、入門書を読むか、よく知っている人に訊くなど、勉強してからスタートしてほしいですね。それらのことを設定した上で、SNSでの交流を考えていきましょう。

また、マンション居住者とフェイスブック上の友達になって、プライベートな投稿を見られたくないという場合には、「○○マンション」リストをつくって、投稿時にそのリストに対する公開/非公開を選ぶといった方法もあります。

居住者の自由な交流の場として、プラスアルファ的に活用する

ところでマンションでSNSを活用するからといって、いきなり管理組合の連絡や理事会をSNS上ですべて行うというのは無謀です。

マンションにはいろいろな世代や状況の人がいます。情報リテラシーも違います。「誰もがSNSを利用できる訳ではない」ということをわかった上で、SNSがあったらもっと交流しやすくなる、プラスアルファ的な位置づけで活用する方がいいでしょうね。

オフィシャルな交流の場として完結させたり、義務になったりすると、誰も参加する気を起こしません。「楽しくなければ続かない」のは、どんなことでも同じだと思います。

たとえばフェイスブックには、参加メンバーを限定して使える、クローズドのグループ機能があります。居住者の有志で、「○○マンションの地元グルメ情報」といった、近所のスーパーやおいしいレストランやパン屋など、役立つ地域情報をシェアするグループをつくってみてはどうでしょうか?

マンション内の掲示板や配付資料を通して、フェイスブック上で、グループで情報交換しているという情報共有も同時に行っていくと、参加者も徐々に増えていくでしょう。

他に、マンション内で防災を担当している理事同士で、防災グループをつくる、ペットを飼っている人同士でグループをつくるなどもいいですね。役立つ情報を共有しながら、マンションでどんな取り組みを行えばいいのかについて話し合うことにも役立つはずです。

自分に役立つこと・楽しいことが、SNSでは一番のモチベーションです。

最初は2〜3人の親しい居住者同士でSNSを活用するのが気軽でいいのではないでしょうか? 入っても入らなくてもどちらでもいい、自由な交流スタイルで、徐々に輪を広げていくというのが現実的な気がします。

人付き合いのマナーがそのまま、SNSの基本的ルールです

SNSの基本的なマナーは、実際の人付き合いと同じです。

・ネガティブなことを書かない
・個人の誹謗中傷をしない
・不確かな情報を書かない
・常に建設的に話し合う

友達や知人に、面と向かって言ったりしないことは、SNSへの書き込みでもしない。

自分の中できちんと人付き合いのマナーやルールを確立しましょう。

さらに付け加えるならば、「コメントがなくても気にしない」ことでしょうか。最初は楽しいSNSも、「SNS疲れ」という言葉で形容されるように、相手の反応を気にしすぎると疲れてしまいます。

疲れたら休む、時間のあるときだけチェックするなど、自分なりのスタイルで活用するようにしましょう。

特に注意したいのが、さきほども言ったように「SNSだけをコミュニティのすべてにしない」ことです。何かあったらFACE TO FACEで話し合う、いい加減な状態も許容するなど、ゆったり構えてトライアル的にチャレンジしてほしいです。

中高年・シニア向けにマンション内フェイスブック勉強会を行う

マンション・ラボのアンケート結果では、フェイスブックを利用している人は75%と断トツでした。

マンションにはいろんな世代の人がいます。
SNSを使いこなしている30〜40代の世代が、興味はあるけどわからない50代以上の世代に、フェイスブックの使い方を教えてあげる勉強会をマンションで開催すれば、それをきっかけにして話が弾んでいくかもしれませんよ。

SNSは、これからのコミュニケーションの可能性を最大限に引き出してくれるツールのひとつです。もしかすると、未来のマンションコミュニティは、SNSによって変わっていくことができるかもしれません。

その第一歩として、マンションの小さな輪からSNSを活用してみることをお勧めします。

インフォメーション

グランドデザイン&カンパニー株式会社 クリエイティブディレクター 佐藤 理

グランドデザイン&カンパニー株式会社は、「デジタルテクノロジーで世の中のグランドデザインを描く」という理念のもと、デジタル、特にソーシャルメディア領域を中心としたマーケティング・ソリューションを提供する企業。ソーシャルメディアの第一人者である代表取締役社長の小川和也を中心に、大手企業・団体・著名人などのソーシャルメディアを活用した先端的マーケティングを手がける。

http://www.gd-c.com

2013/08/08