シニアが活きる!マンションコミュニティの可能性~100歳まで働けるものづくりの職場に学ぶ~

最近、祖父母が育児を行う‘孫育て’に注目が集まっている。そんな祖父母世代の‘孫育て’を応援するために、さいたま市の「BABAラボ」では、孫育てグッズを企画・製作・販売している。

100歳まで働けるものづくりの職場を目指し、30代〜80代のスタッフが集まって活動するものづくり工房だ。都市部での高齢者が働く場づくりや、コミュニティとの関わり方について、代表の桑原静さんにお話を伺った。

一軒家の工房は、いつも子どもやスタッフで大賑わい

「BABAラボ」は、さいたま市南区鹿手袋の一軒家を工房として活動している。月・水・金の工房の活動日には、朝からスタッフが続々と集まり、グッズの製作、ホームページやオンラインストアの運営・更新、ワークショップやイベントなどが行われる。この日も小さいお子さん連れのスタッフが賑やかに集まっていた。

「BABAラボ」の工房がある一軒家は、二階をレンタルオフィスやレンタルスペースとしても活用されており、コミュニティの拠点となっている。

工房の入口には、スタッフが手書きで発行している「しかてぶくろ新聞」の配布ポストが設置されている。この新聞を見てワークショップに参加する近隣の方も多いという。

2階建ての一軒家へ入ってすぐのスペースには、「BABAラボ」グッズが並べられたショップコーナー。祖父母と孫でお揃いのTシャツ、ワッペン、抱っこ布団などがディスプレイされている。お話を伺っている最中にも、近隣の方々がひっきりなしに来訪されて活気ある場となっていた。

楽しげなディスプレイのショップの傍らでは、スタッフがミシンをカタカタ。

へびやねこモチーフのお散歩バッグ。中袋には、使用後のおむつや濡れたタオルを入れても大丈夫な防水ポーチ付き。刺繍のデザインは、デザイナーが考案して、BABAたちが製作。みんなで「作って、使って」開発されている。

「かわいい孫を抱っこしたい!」力が弱くなった高齢者でも、お孫さんの抱っこがラクになる「抱っこ布団」。

この商品開発が「BABAラボ」スタートのきっかけとなった。くまさんの耳がちょこんとついている。

オンラインストアで販売中。
http://baba-lab.shop-pro.jp/?pid=42595714

ママとバァバが2人1組で商品開発した「お買いものバッグ」

「BABAラボ」では、10歳以上の年齢差のあるスタッフ2人が1組でチームになって新商品の企画開発を行う。ママとバァバのタッグで、お互いの意見やアイデアを話し合い、孫育てに‘使える’グッズを考案するのだ。

年の差10歳以上の2人1チームで開発されたのが、新商品の「お買いものバッグ」。ママやおばあちゃんの両手が荷物で塞がっていても、小さいお子さんは、 バッグにぶらさがるドーナツ型の取っ手を握る。3世代参加のアイデアが結実した新商品は、子育てママたちの間で「便利だ」と大好評とか。

「孫を抱っこしたい!」母の手作り補助グッズがきっかけ

「BABAラボ」代表の桑原静さんにお話を伺った。

「もともとは、私に子どもが生まれて、私の母や祖母に娘の世話をお願いすることになったのがきっかけでした。母が抱っこ補助グッズを手作りしてくれたんです。

小さな孫の世話をしたい、でも体力や腕力が衰えてきて、抱っこが怖い。そんな祖父母世代でも、ラクに抱っこを補助できるのが、昔ながらの‘おくるみ’である抱っこ布団でした」と、桑原さん。

いきいきした笑顔がチャーミングな「BABAラボ」代表の桑原静さん

「抱っこ布団」考案者である桑原さんのお母様・秀子さんは、工房の製作チーフ。「娘に巻き込まれちゃって」というが、そのオシャレ番長ぶりとセンスが、工房の製品に随所に生かされている様子だ。

「都市部では、年をとっても活躍できる仕事がほとんどありません。年をとっても働ける場があり、その仕事が誰かに喜ばれて地域とつながり、引いては生きがいとなる。そんな仕組みをビジネス化したかったのです」と代表の桑原さんは語る。

実際、商品販売に関してはゼロからのスタートだったそうだが、埼玉県の産業労働部などと協力しつつ地域産業として法人化。

2011年にスタートした「BABAラボ」は、1年後には、地域活性化に賛同した大家さんからこの一軒家を借りて拠点とした。

同じ大家さんの敷地にあるお隣には、レストラン「ヘルシーカフェのら」もあり、住宅街の中にコミュニティのためのホットスポットが出現したようだ。

ヘルシーカフェのら

ヘルシーカフェのら
http://www.healthycafe-nora.com

「BABAラボ」のお隣には、同じ大家さんの敷地にコミュニティカフェ「ヘルシーカフェのら」がある。

体にやさしい食材や地産地消の近隣野菜を用いた手作り料理やスイーツを提供しており、入口には地場の野菜や新聞エコバッグなどの雑貨が並ぶ。

ゆったりしたテーブル席の奥「のら広場」スペースでは、ちょうど若いお母さんグループが小さい子どもを遊ばせながらランチ会中。このスペースではさまざまなワークショップも行われており、BABAラボと並んで地域の情報発信スペースとなっている。

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2013/05/28