ごみの減量や構内緑化…自主活動に優れたマンション「コープ南砂」のコミュニティ力がすごい!

コミュニティ活動の活発なコープ南砂の取り組みを紹介するシリーズ。第二回目の今回は、住環境に配慮した取り組み、「生ごみリサイクルの会」と「南砂線路公園の環境を守る会」の活動を紹介する。

第一回はこちら:
住民同士“お互いさま”で助け合う!人情マンション「コープ南砂」の江戸長屋的コミュニティ力

第三回はこちら:
防災計画書や防災訓練…自主管理に優れたマンション「コープ南砂」の防災力がすごい!

ごみの減量と構内緑化の2つを担う「生ごみリサイクルの会」

コープ南砂を訪れると、敷地内で清掃している人、出会う人、誰もが声をかけて挨拶してくれる。また、敷地内の入口からエントランスに至るまでに並ぶよく手入れされた植栽や草花、整然と片付けられたゴミ置き場、マンションの隅々にまで人の目が行き届いていることを感じさせる。

玄関からエントランスに至るロータリー沿いに、人を出迎えるように並べられたプランター。ここにも堆肥が利用され四季折々の草花が植えられている。

「ロータリーに並んでいるプランターはすべて、生ごみリサイクル活動で作られた堆肥を利用しているんですよ。花壇の維持は自治会の「花と緑の活動」で、生ごみリサイクルの会がお手伝いして維持管理していますと会の世話人の小林氏が説明する。

1994年から自治会の呼びかけで始まった「生ごみリサイクルの会」は、ごみの減量・資源の有効活用、生ごみ堆肥を利用した構内緑化の二つの目的がある。
賛同者は誰でも参加でき、隔週土曜日に家庭で作った生ごみ堆肥を持ち寄って、広い敷地内で育てている植栽や野菜に施肥する。これまでに30トン以上の生ごみを堆肥にして敷地内の花壇や野菜畑に活用してきたそうだ。

シソは自由に採取でき、亀戸大根など珍しい野菜も皆にお裾分け

コープ南砂の広い敷地内には、こうした花壇や野菜畑、遊具のある公園やベンチ、樹木や草花が植えられていて、そこかしこで緑が楽しめるようになっている。

なんと幻の亀戸大根を栽培中! 他にも居住者が自由に採取してよいシソ、ゴーヤやモロッコインゲンなどさまざまな野菜を栽培している。収穫した野菜は高齢者宅に届けているそうだ。

敷地内に育つ立派な甘夏。木々や植物を見て歩いているだけでも心安らぐ。

しだれ桜がマンションのシンボルツリー

2010年の観桜会の様子。敷地内の公園を活用して例年賑やかに行われるそうだ。料理はすべて手作りで準備される。

「竣工した翌年には、江東区から提供されたサツキなどの苗木を植樹したりして構内緑化を図ってきました。1987年に植樹したしだれ桜は、エントランス前の中央ロータリーにあり、マンションのシンボルツリーのような存在になってくれています。毎年春には、盛大な観桜会を催して、構内の植物が季節の交流イベントにも貢献しています」

広い敷地を有するマンションだからできる交流だが、堆肥を自分の家庭で作り、植栽の管理や世話も管理組合や居住者で行っているため、敷地の植物も人ごとではなく自分ごととして捉えることができるから愛着もひとしおだろう。

南砂線路公園の環境を守る会

コープ南砂の住環境への取り組みは、マンションコミュニティを飛び越え、地域コミュニティの周辺環境の活動にも発展している。2010年、コープ南砂の敷地西側に隣接するJR貨物線跡地が、江東区に譲渡され「南砂線路公園」として整備されたのをきっかけに、コープ南砂の自治会・町内会活動の一環として線路公園の維持管理に積極的に参加していくことになった。

南砂線路公園の環境を守る会では、近隣の公園維持管理の定例活動のほか、今年度は江東区との協働事業「公園を通した地域コミュニティ形成活動」に取り組んでいる。

イベントやワークショップも積極的に開催

「夏休み子ども自然観察会」の配布チラシ。会場のコープ南砂の緑地帯の地面には、セミの幼虫が土中から這い出てきた穴ができている。自然豊かな証拠だ。

南砂線路公園の環境を守る会は、マンションの居住者を中心に、町内の居住者や事業者などから構成され、「住民参加による公園の維持管理活動」として、毎月一回の定例活動に取り組んでいる。定例活動では、除草や剪定、散水、清掃などを行っているほか、今年度は江東区との協働事業として「みどりのカーテン教室」「夏休み子ども自然観察会」「落ち葉感謝祭」といったイベントや公園の明日を話し合うワークショップを開催し、公園を通じたコミュニティ形成活動に励んでいる。
南砂線路公園の環境を守る会

「『夏休み子ども自然観察会』では、集会室を開放してNPO法人の話を伺ったり、マンションの敷地内公園の緑地帯でセミの羽化を観察したりしました。参加した子どもたちも大人も皆大喜びで、観察が終了しても皆さんの談話が弾んでいました」と小林氏。

マンションコミュニティも、その土地の地域コミュニティに属しているひとつ。周辺の住民や企業などと連携して、自分たちの住環境のみでなく、周辺環境をより良くするための環境活動は非常に重要だ。欧米ではごく自然な環境活動だが、日本ではまだまだ根付いているとはいえない。

コープ南砂のように、自分たちのマンションだけでなく、隣接した公園の維持管理までボランティアの手で整備して、地域コミュニティへ貢献していくのが、これからのマンションの新しいスタイルではないだろうか。こうしたマンションが増えていくことで、今後の地域コミュニティの連携や活動が活発になっていくにちがいない。自分たちの住む場所をよりよくしたい、その願いが確実に豊かな街づくりにつながっているようだ。

コープ南砂

江東区にある165戸のマンション。1981年竣工。入居当初から30年以上に渡って、居住者の協力のもとで自主管理を貫いてきた。コープ南砂が行っているさまざまなコミュニティ活動への取り組みには、他のマンションや自治体からの見学・取材も多い。

2012/12/06