新型コロナウイルス感染症拡大に伴うマンション共用部分のエレベーターや共用施設利用の注意

2020年4月7日、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、7都府県に緊急事態宣言が発令されました。外出を自粛して手洗い・うがいを敢行していても、ご自分のマンション共用部分・共用施設についてはあまり気にされていない方が多いようです。今回は、マンション共用部・共用施設の利用時の注意や消毒箇所についてアドバイスいたします。

共用部分・共用部分の消毒について

マンションは集住の場です。これまでの記事でも、感染症が流行する度に、専用部だけでなく、共用部分や共用施設の利用の注意を促してきました。

感染症予防の勘違い—マンション共用部・専有部で新型コロナやインフルエンザにかからない!うつさない!

新型コロナウイルス感染症は、大勢の人が利用するマンションの共用部分・共用施設の利用についても注意が必要です。マンションの中だからといって、安心していてはいけません。

共用部分・共用施設の清掃については、一般的には管理会社が業務委託していると思います。しかし通常の清掃業務では、共用部分の消毒までは業務範囲に入っていないでしょう。またアルコール消毒液などの追加資材購入の負担も検討する必要があります。

この点については管理会社に確認して、現在の状況を鑑みて、人が多く触れる共用部だけでも定期的な消毒をお願いできるのか、話し合っておく必要があります。ただし、清掃員の方々も消毒の専門家ではなく、万全ではないということを理解しておきたいものです。

<一般的な消毒の基本>

①付着したウイルスを消毒液で取り去る

②取り除いたら、さらにその場を消毒

(③さらに消毒をすれば万全)

※消毒は、ゴム手袋・マスク・ゴーグル(100円ショップで売っています)を着用して行う。

※清掃の基本は、同じ所を何度も拭かないこと。高所から低所、奥から手前へ動かす。

厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け) ※外部サイト

衛生対策は、外で使う「手」を決めて行動する

たとえば、エレベーターのボタンを押すのは「右手の人差し指だけ」というマイルールを!

清掃のプロフェッショナルは、汚れたモノに触れる手は右手か左手のどちらかというように、使う手を区別しています。

たとえば、エレベーターのボタンに触れるときには、「必ず右手の人差し指」にする(右手でも左手でも意識しやすい方で構いません)というルールを決めて行動します。これは外での行動でも同様です。

「この手指は汚染されている」と意識することで、その手で顔に触れなくなるなど、ウイルスが付着する危険性が低くなります。

帰宅したら、もちろんどちらの手も石鹸で丁寧に洗いましょう。

エレベーターに乗るときの注意

不特定多数の人が触れるエレベーターのボタンも、ウイルスが付着している前提で行動を。

マンションのエレベーターも公共の場であると考えて行動しましょう。特にエレベータは狭い密室空間です。階下へ新聞や郵便を取りにいったりゴミ出しをしたりする短い時間でも、マスクを着用し、手洗いを行います。

・階数ボタンに触れたあとの手洗い(ボタンに触れる手を決める)・マスクを着用

・エレベーター内ではなるべく咳やくしゃみを我慢する

マンション共用部で咳やくしゃみをしない!マスク着用!手で受けたら手洗い

・乗っているあいだ、ウイルスが付着しているかもしれないので壁にもたれない

・複数人が乗っていて混雑している場合はなるべく見送る

・通勤時はエレベーターの混雑時間帯を避ける

また、かご内に換気扇が付いているエレベーターの場合は、換気扇がオンになっているかどうか確認しましょう。まれに、節電対策で換気扇がオフになっているケースもあります。

共用施設利用は、自粛?停止?

「共用施設利用自粛のお願いと共用部利用時の注意」サンプル文面。

共用施設については、緊急事態宣言を受けて利用の自粛または停止を決定したマンションが増えてきました。自粛・停止をどうするかは、なるべく早く管理組合で決定して住民に呼びかけたいものです。

重要なのは、
・共用部分・共用施設利用にも感染リスクが高いこと
・マンション内であっても感染症対策をする必要があること
を住民に理解していただくことです。

上記に、共用施設の利用自粛と、共用部利用時の注意についてのサンプル文面を作成しました。参考になさってください。
PDFでダウンロードできます。

感染症対策の知見の共有と、防災マニュアルに感染症項目の追加を!

感染症の拡大は、現代の新たな災害といえます。
今回の共用部分・共用施設の利用事例も含め、管理組合として行った感染症対策・トラブル・意見・費用については、ぜひ記録して情報を引き継ぎできるようにしていただきたいと思います。

将来的には、マンションの防災マニュアルにも「感染症対策」の項目を追加して、対策を定めていきたいものです。

災害時のマンション内被災生活でもノロウイルスなどの感染症予防の備えを

今後は、
・専有部へ立ち入る定期点検業務をどうするか?
・マンション内で感染者が出た場合の対応策
・管理員、清掃スタッフの安全確保

など、次なるフェーズの課題についても管理組合で検討しておく必要があります。こういう状況下だからこそ、メールやSNSなどで管理組合の理事同士でよく話し合っておきたいものです。

2020/04/14

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


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