大規模マンション「BrilliaGrandeみなとみらい」の多彩な活動に学ぶコミュニティづくり

横浜・みなとみらいエリアにある大規模マンション「BrilliaGrandeみなとみらい」は、「ブリリアみらいコミュニティ」の活動を通じて、住民同士のつながりを強化しています。その多彩なコミュニティ活動の秘訣は何でしょうか?

防災委員会から独立してコミュニティ活動がスタート

横浜のウォーターフロント・みなとみらい21地区にある「BrilliaGrandeみなとみらい」は、総戸数555戸・地上30階建てのツインタワーマンション。近隣には高層マンションが林立する。

2007年竣工の「BrilliaGrandeみなとみらい」管理組合は、2011年の東日本大地震をきっかけに防災委員会を立ち上げ、マンション防災の5つの柱として「救護、安全、情報、備蓄、コミュニティ」を掲げて「災害時行動マニュアル」の策定をはじめとしたマンション防災を推進してきました。

その後、住民の防災意識を高めるためのコミュニティづくりを目指して、2012年に防災委員会内に「コミュニティ部会」を設立。2016年には「ブリリアみらいコミュニティ」として独立して、住民同士のつながりを強化するためにさまざまなイベントを開催しています。

「BrilliaGrandeみなとみらい」管理組合の理事長を経験した後、現在は防災委員長・修繕委員長・「ブリリアみらいコミュニティ」会長を務める松本道雄さん。仕事では、一級建築士として勤務する設計事務所が「みなとみらい21地区」の街づくりに携わっていたため、エリア情報にも詳しい。

——「ブリリアみらいコミュニティ」は、自治会的な位置付けなのでしょうか?

松本さん
現在は住民有志による任意団体ですが、将来的には自治会を目指して活動中です。現在、全世帯の約15%が加入していて、年会費1,000円の支援会員になると、毎月開催しているイベント参加費が半額になるなどの特典を設けています。設立以来、毎月イベントを開催してきたおかげで、3年間で会員も倍以上に増えました。
「ブリリアみらいコミュニティ」の目的は、“支えあいのつながりによるコミュニティ”づくり。日常の交流から、いざというときにも支え合えるようにしていきたいと考えています。

「男の食事サロン」も意外な人気!講師を招いた多彩なイベント企画

中国出身の住民の方を講師に迎え、パーティルームで皮から作る水餃子を教わった「食事サロン」の様子。参加者が一緒に作って食べるこの会は、継続開催している人気イベントのひとつです。「食事サロン」は住民の交流だけでなく、災害時の炊き出しにも役立つはず。

「ブリリアみらいコミュニティ」は、キッチン付きのパーティルームやロビーなど、大規模マンションならではの豊富な共用施設を活用して、子どもから高齢者向けまで、多彩なイベントを定期的に開催しています。しかもこれらイベントの講師が、マンション住民というのも驚きです。大規模マンションは人材の宝庫ですね。
会場の予約にはインターネットで共用施設の予約ができる「Mcloud」を使っています。打ち合わせ中に空き時間を確認したり、外出中でも予約したりできるのでとても便利です。

「ブリリアみらいコミュニティ」が行ってきたこれまでのイベント

・食事サロン(クリスマスパーティ、ビーガンクッキング、和菓子など)
・クリーン作戦(毎月第二土曜日開催・マンション外周道路のゴミ拾い)
・ノルディックウォーキング体験会(保健活動推進員と連携)
・歌舞伎のお話し会(観劇が趣味の住民が講師)
・基礎から分かる宇宙と原子力講座(大学名誉教授の住民が講師)
・あんしんカードを書きましょう(民生委員と連携)
・エンディングノート書き方講座(区役所・ケアプラザと連携)
・夏休みラジオ体操
・七夕サロン(ロビーで七夕飾り、子育て支援施設と連携)
・薬局サロン(健康チェック、近隣の薬局と連携)

その他多数

松本さん
ふだんは若い親子やご夫婦が参加することが多い「食事サロン」ですが、先日「男だけの食事サロン」を開催しました。講師も事前レシピもなし。食材の買い出しから始めるものだったのですが、包丁を持ったこともない男性も料理が得意な男性も、自然と役割分担ができて、見事にスパイスから作るカレーが出来上がりました。意外と楽しかったので、これからも「男だけの食事サロン」を継続していこう!と意気投合しました(笑)。

年に2回は、近くの小学校の校門まで約1kmの通学路を往復する「クリーン大作戦」を実施。地域活動も欠かせません。

松本さん
今後は、高齢の住民の方の家具の移動や電球交換など、手助けの欲しい住民とボランティアができる住民のマッチングの仕組みづくりを考えています。LINEなどの、多世代が手軽に使えるSNSをうまく活用して立ち上げられないかなと検討しています。
住んでいる人の声が届きにくいマンションで、ネットが結ぶ「ご近所さん」の支え合いをつくっていけたらいいなと思っています。

コミュニティを活性化させるための5つの工夫

①多世代に向けた多彩なイベント企画
②イベント情報はポスティング&SNSで集客
③住民講師にはサンクスカードを必ず
④年2回の会報で情報を共有
⑤イベントチラシに毎回「入会届」を併記して会員増加!

「ブリリアみらいコミュニティ」では、活動を活性化させるためにさまざまな工夫を行っています。その中でも効果的な5つの工夫についてまとめました。

①多世代に向けたバラエティ溢れるイベント企画

マンションのロビーで開催された「エンディングノート書き方講座」。区役所とケアプラザの方を講師としてお招きし、エンディングノートの趣旨や具体的な書き方について住民にお話をしていただきました。

「ブリリアみらいコミュニティ」のイベントは、さまざまな年代に向けたバラエティ溢れる内容で企画されています。さらに独自主催だけでなく、民生委員や地域の方々とコラボしたイベントもあり、地域との協力体制が整っているのがいいですね。

②イベント情報はポスティング&SNSで集客

メンバーは、さまざまな年代の住民が気軽に参加できるようなイベントを企画。集客は、チラシを作成してポスティング。Facebookページでも告知をしていますが、やはり効果的なのは掲示板へのチラシ貼り出しやポスティングだそうです。

③住民講師にはサンクスカードを必ず

ヨガのインストラクター、英語の先生、歌舞伎に造詣が深い方、大学の物理学の先生など、多彩な技能を持つ住民がイベントの講師となっているのも、「ブリリアみらいコミュニティ」の特色のひとつ。イベント開催後には、参加者から感想を書いてもらったサンクスカードを必ず講師の方にお渡しするようにしているそうです。こうした細やかな心遣いが、イベント継続のコツだと思いました。

④年2回の会報で情報を共有

年2回発行の会報「ブリリアみらいひろば」で、イベント報告も兼ねて、住民と情報を共有。現在は、自治会を目指していることを皆さんにも説明して理解を得るための働きかけを行っています。

⑤イベントチラシに毎回「入会届」を併記して会員増加!

毎回のイベントチラシに「ブリリアみらいコミュニティ入会届」を記載したことで、会員増加につながりました。また、チラシにはQRコードを記載して、スマホからのイベント申し込みもできるようにしています。これは真似したいポイントですね!

地域の5つのマンションでつながる「みなとみらいマンション連合会」へ

みなとみらい21地区のマンションの防災・コミュニティ担当者が参加する「みなとみらいマンション防災・減災協議会」。この日は、減災ラボの鈴木光さんを講師にお迎えして、発災直後のイメージと非常用トイレについての勉強会+ワークを行いました。

みなとみらい21地区は、約9,000人が暮らす都市型高層住宅エリアです。2017年には、地区内の5つのマンションの管理組合・コミュニティの代表者が情報交換をする「みなとみらいマンション連合会」を立ち上げました。そこでの議論で、防災の地域連携も重要な課題のひとつとして上がり、2019年の春から分科会として「みなとみらいマンション防災・減災協議会」を立ち上げ、みなとみらい地区へ防災・コミュニティ拠点を整備して、マンション連携で地域の防災力強化の仕組みづくりを始めました。

松本さん
コミュニティは防災の礎となります。マンション内に顔見知りの関係がたくさんできれば、いざというときの支え合いも自然と生まれるはずです。さまざまな楽しいイベントを通じて、人の輪を増やしていければいいですね。
いまは、いざというときに力になる「防災サポーター」の登録制度があり、40人の方に登録いただいていています。今後は、防災サポーターとボランティア登録が連動していければいいなと考えています。


「平時からの住民交流が、いざというときの助け合いの力となる」という松本さん。マンション内の住民交流が、マンションの外にもつながっていくと、それは大きな力になるはずです。ブリリアみらいコミュニティの活動は、Facebookページでもご覧いただけます。
皆さんのマンションのコミュニティづくりのヒントになれば幸いです。

BrilliaGrandeみなとみらい(外部サイト)

2007年竣工、総戸数555戸・地上30階建てのツインタワーマンション。
ブリリアみらいコミュニティ公式HP ※外部サイト
ブリリアみらいコミュニティFacebookページ ※外部サイト

2019/11/06