マンション理事会業務は効率化できる!SNSやグループウェアの上手な活用例を紹介

インターネットやSNSの全盛時代。マンション管理運営にも、専用のグループウェアやSNSを活用するケースも増えているようです。今回は、ご自身のマンション管理やコンサルティング業務に取り入れて効果を出している深山州さん(マンション管理士・メルすみごこち事務所)に、そのメリットや魅力についてお話をうかがいました。

【今回お話をうかがった方】


深山 州さん
マンション管理士。株式会社メルすみごこち事務所(外部リンク)/株式会社クローバーコミュニティ(外部リンク)・代表。日常の管理組合運営に関する助言や修繕工事のコンサルティングなど、首都圏・近畿圏で常時約50の管理組合と長期コンサルティング契約を行っている。

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AIでマンション管理はどう変わる!?人気のマンション管理士に聞いてみた!

早い・安心・楽しい!理事同士のコミュニケーションがSNS導入で活性化

―深山さんはマンション管理士としてコンサルティングしているマンションや、自社で委託受託をしているマンションの理事会などで、積極的にSNSを使われているそうですね?

はい。100%「SNSやりましょう」と提案します。マンション管理士としての顧問先でも、役員が入れ替わって新理事会が始まると「みなさんスマホ出してください」って、誰もが持っている無料通話できるアプリ、立ち上げてもらいます。

―日本人の8000万人くらいがやっていると言われているLINEですね?

そうです。LINEです。シニア層もお孫さんとの写真共有などやりとりのためにやっている方が多いので、その場でふるふるして「理事会のグループ作りましょう」ってやっています。スピード感、導入障壁の低さ・理事の身構えなさというんですかね、その場にいる人でコミュニケーション用のグループが作れるのは手軽で便利ですね。シニアの方でたまにできない方がいらしても、「せっかくだからやってみようかな、教えてくれる?」って感じです。「教えるから貸してください」ってその場でやるんです(笑)。

―確かに、スマホさえあればすぐに繋がれますね。

はい。ただ、慣れていない方もいらして、難しく考えてしまう場合もあるので、初めに「気軽に使うため」のルールを作ってしまいます。例えばこんな内容をあえて先に投げて、ハードルを下げておくんです。例えば、

①とにかく気軽に緩くスタートしましょう
②レスポンスは気楽に遠慮せず
③アプリの使い慣れには差があって当然
④既読スルーもあって当然
⑤文字は打つ方も読む方も疲れるのでなるべく絵文字やスタンプを!
⑥HPや動画など参考になるURLを貼りつけるとすぐに確認できて伝わりやすい!

という具合です。

絶対に「お世話になっております」「失礼します」はナシにしてください、って。「了解しました」とか「ありがとうございます」とか全部スタンプで!って、言うんです。理事会で会うとカジュアルに話しているのに、メールだと硬くなるじゃないですか。メールは手紙でLINEは会話なんです。会話だから「お世話になります」は毎回いらないですって、LINEのカジュアルな使い方を伝えていくんです。

―そこまで細かく決めるのですね。

さらに、一番年上の人に「誰かがメッセージ送ったらニコニコのスタンプ押してください」って言っておくんです。そうすると他の人も「あの人が使うならくだけてもいいよね」という具合にだんだんLINEやスタンプを使うことに慣れてくるんです。

敷居を低くしたいので、硬い雰囲気になってきたら、あえて私が率先してくだけたスタンプとか送ったり…温度調節が必要なんですよね。

シニアの理事がたまにポソっとスタンプ送ってくれると、「見てくれているな」「楽しみ始めているな」って手ごたえを感じますね、と深山さん。

―そうして理事会メンバーでITツールを使ってカジュアルなやりとりができるようになると、どんなメリットがあるのでしょうか?

例えば、コンサルを受けている神奈川県の約100戸のマンションの話でいくと、理事6名とコンサルで入っている私たち管理士2名と去年の理事が2名(オブザーバー)の合計10名でLINEグループを作りました(管理会社は会社規定で入れませんでした)。このマンションでは理事会が毎月あるのですが、理事会で会うとき以外に次のようなことをやりとりがあります。

①理事会で決まったことをどう実行するか
②次の理事会向けてどんな準備するか
③突然のトラブルにどう対応するか
④その他意見交換(改善・改良など)

これらの内容、今まではメールでのやりとりだったのです。そうすると理事同士でも「◯◯様、お世話になっております」…って硬い文章がスタートするので、返信するのもちょっと堅苦しくなります。理事が身構えて、パソコン開けるときに改めて…と思っていると、レスのタイミングが遅くなり、気付いたら理事会が迫っていて、当日の議論が押してしまい、理事会の時間が延長…ということになりがちです。

こんな理事会用のスタンプなどができると、もっと便利かもしれませんね。


しかしスマホ+LINEだと、気軽に緩く、なるべく100文字以内でメッセージを、とお願いしているので(笑)、硬い挨拶は入れず、ポイントだけ伝えるようになってきます。で、賛成だったらスタンプ!コワモテ理事長に「あなたがかわいくしないとみんながついてこれませんよ」って言っておくと、頑張ってかわいくスタンプでレスしてくれるわけです。

また、何かトラブルあったときに写真を撮って、「ここに相談しました!」って業者のURLをつけておくと、お互いにスピーディーに安心できるじゃないですか。「~~さんに言っておいたけど、どうなったのかしら…」なんて、トラブルが宙に浮くこともなく、着実に手軽に進捗状況が共有できるわけです。

結果、理事会で話し合うべきことの半分はLINEの中のやりとりで終わるので、理事会の時間短縮になりますし、理事会と次の理事会の間に会話がなされているので、理事会自体でのコミュニケーションが取りやすくなります。

こうしてITツールでコミュニケーションを取ることに慣れてくると、だんだん「この話をみんながわかるところに保存しておきたいね」と、ストレージでドキュメントを保存するというニーズが出てくるんですね。そうするとマンションの予定も管理したいよね、とカレンダー機能のニーズが出てきて、いわゆるグループウェア(業務管理・共有やコミュニケーションを目的としたITツール)を導入したい、という流れがあるように感じます。

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2019/06/19