マンション理事会を効率化!SNSで手軽にはじめて、グループウェアでさらに便利に

「大変そう」「手間がかかる」というイメージが強いマンションの理事会。しかし、インターネット人口の増加により、最近ではマンション理事会や管理業務にも、専用のグループウェアやSNSを活用する事例が増えています。導入による効果は「マンション理事・役員間のコミュニケーションが円滑になる」「面倒な業務の効率化ができる」などさまざま。今回は、LINEやWEBシステムをご自身のマンション管理や管理組合支援・コンサルティング業務に取り入れ、円滑な運営を実現している深山州さん(マンション管理士・メルすみごこち事務所)に、導入の始め方や具体的な活用方法、メリットついてうかがいました。

SNSの導入でマンション理事同士の会話を活性化。「気軽に」のルール化で、簡単スタート!

――深山さんはマンション管理士としてコンサルティングしているマンションや、自社で委託受託をしているマンションの理事会などで、積極的にSNSを使われているそうですね?

はい。100%「SNSやりましょう」と提案します。マンション管理士としての顧問先でも、役員が入れ替わって新理事会が始まると「みなさんスマホ出してください」と言って、誰もが持っている無料通話できるアプリを立ち上げてもらいます。

―日本人の8000万人くらいがやっていると言われているLINEですね?

そう、LINEです。最近は、シニア層の方もお孫さんとの写真共有などのために使うことが多いですね。理事会の場でふるふるして「マンション理事会のグループ作りましょう」と言います。魅力はスピード感、導入障壁の低さ・理事が身構えず使えること。その場にいる人で手軽にコミュニケーション用のグループが作れるのは便利ですよね。たまにできない方がいても、「せっかくだからやってみようかな、教えてくれる?」って感じになるので「教えるから貸してください」とその場で始めます(笑)。

―確かに、スマホさえあればすぐに繋がれますね。

はい。ただ、コミュニケーションに慣れていない方は難しく考えてしまうこともあるので、初めに「気軽に使うため」のルールを作ってハードルを下げます。例えばこんな内容です。

①とにかく気軽に緩くスタートしましょう
②レスポンスは気楽に遠慮せず
③SNSの使い慣れには差があって当然
④既読スルーもあって当然
⑤文字は打つの読むのも疲れるのでなるべく絵文字やスタンプを!
⑥HPや動画など参考になるURLを貼りつけるとすぐに確認でき伝わりやすい!

絶対に「お世話になっております」「失礼します」はナシ。「了解しました」とか「ありがとうございます」も全部スタンプで!と言います。マンション理事会での会話はカジュアルなのに、メールだと硬くなるじゃないですか。メールは手紙でLINEは会話。だから「お世話になります」はいらないですって、LINEのカジュアルな使い方を伝えていくんです。

―そこまで細かく決めるのですね。

さらに、一番年上の人に「誰かがメッセージ送ったらニコニコのスタンプ押してください」って言っておくんです。そうすると他の人も「あの人が使うなら大丈夫」という具合に、だんだんLINEやスタンプを使うことに慣れます。

敷居を低くするため、硬い雰囲気になったら、あえて私が率先してくだけたスタンプを送ったり…温度調節が必要なんですよね。

シニアの理事がたまにポソっとスタンプ送ってくれると、「見てくれているな」「楽しみ始めているな」って手ごたえを感じますね、と深山さん。

―マンション理事会メンバーでITツールを使ってカジュアルなやりとりができるようになると、どんなメリットや効率面での効果があるのでしょうか?

例えば、神奈川県の約100戸のマンションでは、理事6名とコンサルで入っている私たち管理士2名、去年の理事2名(オブザーバー)の合計10名でLINEグループを作りました(管理会社は会社規定で入れませんでした)。このマンションでは理事会が毎月あるのですが、理事会で会うとき以外に次のようなやりとりがあります。

①マンション理事会で決まったことをどう実行するか
②次の理事会向けてどんな準備をするか
③マンション内での突然のトラブルにどう対応するか
④その他意見交換(改善・改良など)

以前、マンション理事会に向けての相談や提案はメールでのやりとりでした。そうすると「◯◯様、お世話になっております」…と硬い文章でスタートし、返信もちょっと堅苦しくなってしまう。すると受け取った理事が身構えて、パソコンを開けるときに改めて…と思ううちにレスのタイミングが遅くなり、気付いたら理事会の日が迫り、当日の議論が押して時間が延長…となりがちです。

こんなマンション理事会用のスタンプができれば、もっと便利になりそうです。

しかし、スマホ+LINEでは、「気軽に、なるべく100文字以内でメッセージを」とお願いし、硬い挨拶は入れない、ポイントだけの会話にします。賛成だったらスタンプのみ!コワモテ理事長に「あなたがかわいくしないとみんながついてこれませんよ」と言って、頑張ってかわいくスタンプでレスしてもらいます。

また、マンション内で何かトラブルがあったときは写真を撮って、「ここに相談しました!」って業者のURLをつけておくとスピーディーに確認でき、お互いにすぐに安心できます。「~~さんに言ったけど、どうなったのかしら…」なんて、トラブルが宙に浮くこともなく、着実に手軽に進捗状況が共有できるわけです。

結果、マンション理事会で話し合うべきことの半分くらいはLINEのやりとりで終わり、理事会の時間短縮になります。理事会と次の理事会の間にSNS上で会話ができているので、理事会自体のコミュニケーションが取りやすく円滑になり、効率化が進むんです。

ITツールでコミュニケーションを取ることに慣れると、次は「理事会での話を住人全員に共有したい」と、ストレージでドキュメントを保存したくなるんです。そうすると、マンションの予定も管理したいよね、とカレンダー機能のニーズが出て、グループウェア(業務管理・情報共有やコミュニケーションを目的としたITツール)を導入したい、という流れがあるように感じます。

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2019/10/24