日経編集委員 滝田洋一が語る!今後の世界情勢と日本経済の行方

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「三菱地所のレジデンス ラウンジ」、コンシェルジュの松村 保江です。
去る10月3日、レジデンス ラウンジが開催する“時代を読み解くビジネス経済セミナー”の第二弾が行われました。当ブログでその模様を一部、ご紹介いたします。

日本の外交安全保障の環境

講師にお迎えしたのは、日本経済新聞編集委員の滝田洋一さんです。滝田さんは経済・金融などの分野で、日本経済新聞、日経電子版、日経ヴェリタス、日経マネーなどにコラムを連載、また月曜日と水曜日はBSジャパンの『プラス10』でニュース解説をしています。

「今回は日本の経済、政治、外交、安全保障についてお話します。現在、日本を取り巻く外交安全保障の環境を一言で言うと、大変に厳しい状況にあります。また経済状況においては、2008年のリーマンショックから9年経って、正常化してきていると思います。ですから外交安全保障は相当厳しく、一方で経済の環境は相対的に好転しているということを押さえておきましょう」

まずは外交安全保障の環境について、解説していただきました。

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「今の問題は、やはり北朝鮮の核ミサイル開発です。4月26日にアメリカの国務長官、レックス・ティラーソン氏が国連の安全保障理事会で次のような演説をしています。“ソウルや東京に対する北の核攻撃の脅威は現実のものだ。そして北がアメリカ本土を攻撃できる能力を開発するのは時間の問題だ”――これが地政学リスクの基本認識なわけですね。皆さんはよく“話し合いのための糸口を”とか“話し合いのための話し合い”ということを聞くと思いますが、今のトランプ政権は恐らくそれをしないでしょう。米中首脳会談でトランプ氏は“習主席が(米中首脳会談で)中国と朝鮮半島の歴史について話した。数千年の歴史と数多くの戦争について。韓国は実は中国の一部だった”と発言しています。これは過去の歴史問題というよりは、北朝鮮のことは責任をもって対処してほしいと言っているわけですね。その後、なかなか話が前に進まないので、またアメリカがプレッシャーをかけている――これが北朝鮮の核ミサイル開発を巡る状況です」

日米同盟の関係と中国

これらはアメリカと中国の話ですが、日本はそこにどう絡むのでしょうか。

「北朝鮮の核ミサイル開発に関しては、中国にプレッシャーをかけさせて何とかしようと思っているわけですが、アメリカとしては同盟国との関係を固めなければいけません。今年の2月に日米首脳会談が行われましたが、そのときアメリカは“すべての選択肢はテーブルの上にある”と言いました。これは軍事力行使も含め、選択肢に入っているという意味です。日米が発表した共同声明には“核および通常戦力を使った日本の防衛に対する米国のコミットメントは揺るぎない”とあります。実は両国の共同声明に“核”という言葉が使われたのは初めてで、安倍総理大臣とトランプ大統領の関係が緊密だとも言えるし、一方で北朝鮮問題がより深刻になっているとも言えます。これが朝鮮半島をめぐる情勢、日本をめぐる外交安全保障の焦点です。このあとどうなるかは両者の駆け引き次第です」

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では、任せられたあとの中国はどうなっているのでしょう。

「北朝鮮といえば、餓死している人が何人もいる国というイメージがあるかもしれません。確かにそうですが、マイナスだった北朝鮮の実質成長率は、2016年以降に一気に高まり、3.9%も成長しています。なぜここまでよくなったかというと、金正恩氏が経済改革を打ったからだと言われています。明日にも崩壊するように見えている北朝鮮ですが、実際にはアメリカに対して核開発で自国の独自性を保ち、また立派な経済改革をしている――この2つが、金正恩氏が進めている政策というわけです。また、国際社会が北朝鮮を制裁しているということを聞くと思います。国連の制裁決議もたくさんありますが、実は北朝鮮と貿易をしている国の方が世界では多いです。どこが多いかというと、中国なわけです。北朝鮮は中国から石油を買って、中国へ石炭を輸出しています。しかし実はほかにもあり、たとえば重要なのは衣料品です。これで中国の資本が北朝鮮に行き、現地生産をし、メイドインチャイナのタグで世界に輸出しているケースが多いのです。こういうことを放置して話し合いをするというのは論外だと、トランプ政権は言っているわけですね」

このほか、二極化する米国世論、金融政策の方向性などのお話もうかがいました。

日本の経済状況と雇用市場の問題

では、日本経済はどのような状況にあるのでしょうか。

「実は日本経済の成長は、円安がきっかけで輸出企業が回復し、それを起点に持ち直しています。我々の生活の中で把握できる名目GDPがコンスタントに伸びたということは、積極的に評価していいと思います。また、名目GDPで経済が増えたのと同時に、潜在成長率(経済が無理なく成長できる基礎代謝のようなもの)も上昇傾向にあります。2016年の9月の段階で潜在成長率は0.3%でしたが、今年の4~6月期には1.0%となりました。このことから、経済が前向きな循環に入りだしているのだと思います」

また、注目すべきは雇用の市場だと滝田さんはおっしゃいます。

「GDPや成長率は目に見えませんが、一番目に見えるところを議論するなら、雇用の市場だと思います。ハローワークでの失業率は現在2.8%、有効求人倍率は1.52、大学卒業者の内定率は実に97%を超えています。10~20代といった世代において安倍内閣の支持率が高い理由は、若い世代の雇用が急速に好転したからではないでしょうか。彼らは、自分たちの先輩が就職氷河期で苦しんでいる姿を見ています。しかし自分たちは内定がもらえるようになった、だからこの世代の内閣支持率が高いのではないでしょうか。しかし一方で、日本が直面している大きな問題に少子高齢化があります。人生100年時代に対しどのような社会を設定するのか、残念ながら答えは出ていないと思います。社会保障の費用をどう調達するのかという問題もありますし、大きな課題になるでしょう。また現在は大変な人手不足なわけですが、何の業種に人手が足りていないかというと、介護サービスの職業や商品販売の職業――あとはIT系のエンジニア、こちらは有効求人倍率が5.8倍で、人が足りなくて成長を阻害するほどの状況です。しかし、一般事務職やオフィスワーク事務職に関しては1倍以下です。つまり、これだけ人手不足の中でも、AIによって置き換えられる過程が進行していて、人手不足と人余りの業種があるのです。このミスマッチを解消するために、労働市場を柔軟にする必要があります。世の中の変化に対応した格好で雇用のミスマッチをどのように解消していくか――これが今後の大きな課題だと言えるでしょう」

いかがでしたか?
「三菱地所のレジデンス ラウンジ」では、今後も様々なセミナーや住まいにまつわるイベントを企画しています。ご興味のある方はお気軽に、レジデンス ラウンジまでお問い合わせください。

コンシェルジュ 松村 保江(まつむら やすえ)

三菱地所住宅販売(株)(現:三菱地所リアルエステートサービス(株))に入社後、現所属は三菱地所レジデンス(株)。新築マンションの販売を約11年担当し、2014年10月より現職。新築マンションやリノベーションマンションの販売を中心に住まいに関するご相談を承っております。

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