旧アパルトマン価格がついにダウン?-パリの不動産事情

高い、高いといわれ続けているパリのアパルトマンの価格。2014年が始まって、2013年の不動産事情と今年の予測が発表されました。

フィガロ誌の記事によると、2013年はフランス国内の旧アパルトマン(新築以外のアパルトマン)の1㎡あたりの価格がダウン。不動産会社によって数字は少しずつ異なるものの、ダウン率は1.6~3%でした。

オスマン大通りに建ち並ぶ「オスマン様式」と呼ばれるアパルトマン。1階はショップやオフィスが入っています。

アパルトマンばかりのパリですが、南部にはかわいらしい一軒家風の住居もあります

なかでも、パリで価格が下がったのは約15年ぶり! センチュリー21によると3.9%減少したそうです。とくに高級物件の価格が大きく下がったことが影響したようです。また約1万2000の不動者業者が加入している組合Fnaimによると、2013年の販売軒数は66万8000軒で、前年比5.1%マイナスでした。

では、パリのアパルトマンの1㎡の平均価格をみてみましょう。

このコラムがスタートした2011年2月、2010年下半期の旧建築物件の1㎡あたりの平均価格は、前年比13.7%アップの7030ユーロでした。そして、同じくパリ公証人組合が発表した2013年下半期の価格は、8260ユーロ(約116万6000円※)。

もっとも高い区は、3年前と変わらずサンジェルマン・デ・プレと呼ばれるパリ6区で12620ユーロ(約178万円)。続いて官公庁とシックなブティックが多い7区の11540ユーロ(約163万円)、人気の観光地マレ地区がある4区の10970ユーロ(約159万円)、学生街の5区が10640ユーロ(約150万円)、そしてルーブル美術館やヴァンドーム広場など観光地も多い1区の10630ユーロ(約150万円)と続きます。

※2014年1月末現在、1ユーロ=約141円

一方、不動産融資の金利は、2008年の5.07%から年々下がり、20年融資では昨年10月に最低レベルの2.9%まで下落。今年1月現在は20年融資が3.10%、10年融資は2.46%とのこと。

パリ市や国は、できるだけ多くの人がアパルトマンや一軒家を購入できるよう、無利子の住宅ローン制度を実施しています。しかしアパルトマンそのもののが高値のままでは、パリジャンにとっては、まさに高嶺の花……。

もともとパリのアパルトマンは、投資目的で購入する人も多いといわれ、価格高騰の原因のひとつでした。以前、7区に建設中のアパルトマンを紹介しましたが、ある記事によると、購入者の半分近くが投資目的なのだそうです。

パリで進行する旧建築を生かした新コミュニティづくり

たしかに、パリの繁華街の裏道などを通ると、ほとんどのアパルトマンの窓の戸が閉められている建物があります。別荘として使われているアパルトマンなのだと思いますが、中心部にはこのように“住民”不在の地区が増えているのかもしれません。

売りに出ている物件には、こんな看板がかかっています

2014年はアパルトマンの価格はさらに3~4%減少すると予測されていますので(Fnaim予測)、自分のアパルトマンがほしい人にとっては、ほんの少しですが、チャンスが広がるかもしれません。

経済状況の低迷、購買能力の低下、失業率の上昇など、フランスも暗いニュースが絶えません。しかし、旧アパルトマンの価値が高いということは、世紀を超えて美しい建物や街並みの美しさを残してきた結果であり、まさにフランスの遺産。アパルトマンが誰の所有になろうとも、この景観はいつまでも守り続けてほしいものです。

2014/02/04

プロフィール

三富 千秋

パリ在住のフリーライター。パンや菓子、料理など食の話題を中心に雑誌や食専門誌に発信しているほか、フランス人のライフスタイルについてのコラムも執筆。フランス人の日常生活をさらに知るべく、フランス各地で取材中。


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