リサイクルで生まれた都会のミツバチの巣箱

コカコーラ・フランス株式会社が主催している「プリ・デュ・デザイン・デュラーブル Prix du Design Durable 」コンクールの入賞者が、6月末に発表されました。

「デュラーブル durable 」とは、「持続性のある」「耐久性のある」という意味があります。環境保全の合言葉としてよく登場する“持続可能な開発/発展 ”は、フランス語では 「développement durable」となります。

ですから同コンクールのテーマは、一般に出回っている工業製品のパッケージのリサイクル。4回目を迎えた今年に大賞に選ばれたのは、セシル・ファーブルさんの「ル・ルシェ Le Rucher 」、つまり養蜂用の巣箱でした。

表彰式で。大賞を受賞したセシル・ファーブルさんを囲んで、コカ・コーラ・フランスの社長や審査員。

大賞作品の「ル・ルシェ」。白やイエローなど色違いもあります。

巣箱は通常、四角い木箱がほとんどですが、この作品はスタイリッシュな鐘型。ミツバチの蜜を採取する母体部分はアルミニウム・フィルムのリサイクルで、鐘型の透明な覆いはペットボトルのリサイクルだそう。

透明な容器で覆うことで、ミツバチの様子をどんな場所でも観察することができるため、教育的な利用も可能。また白い母体部分は取り外せるので、巣箱を持ち運ぶこともできます。

「都会の真ん中に巣箱を置くことで、消費者と製品の距離を縮め、都会に住む人々に自然を近づけることができます。この“巣箱”は、もっとも美しい自然と街の共生のシンボルのひとつだと思います」とファーブルさんはコメントしています。

居間のテーブルの上にも置けるモダンなデザイン。

また、フェイスブック上に掲載した10の候補作品の中から、一般の人が選んだ「インターネット利用者賞」は、バルコニー用の六角形のフラワーポット「プリエプッス Pliépousse 」が受賞。2人組のデザイナー「ラ・メッシュ・アン・ブリケ La Mèche en Briquet 」の作品です。

フェイスブック上で人気を集めた「プリエプッス」。「プリエ」(折りたたむ)と「プッス」(植物の葉や芽が出る)をあわせた造語です。

プラスチックボトルをリサイクルして作られた作品なので折りたたむことができ、使わないときは場所をとらずに保管ができます。ゴミを減らし、無駄な浪費を防ぐ面でも利点があります。

コカ・コーラ・フランス社はこうしたコンクールなどを通して、リサイクルや分別回収の徹底を推進。同時に2020年までには、同社製品のパッケージをすべてリサイクルするシステムの導入をめざしているそうです。

日本でもエコへの関心やサービスの開発が高まっていると思いますが、今回ご紹介したように、ソフトの面で自然を取り込む仕組みが増えると、より自然体でエコな暮らしが広まっていくかもしれません。

たとえば、今回ご紹介した「ル・ルシェ」はマンションのバルコニーに置くだけなので便利です。フランスでは「殺虫剤が拡散している可能性のある田舎より、パリの方がよりおいしいハチミツが採取できる」と主張する専門家も多く、個人的にアパルトマンに巣箱を設置している人もいます。東京でも同じことが言えるかもしれませんね。

マンションの屋上に住民が共同で巣箱を設置してハチミツを採取する、ちょっと難しいのかもしれませんが、そんな暮らしが本当にできるようになったら、それはもう自然体でエコな暮らしが広まっているといえるでしょう。

また「プリエプッス」のようなエコグッズも、マンションのガーデニングに積極的に利用するだけでもいいでしょう。設備も大切ですが、やはり人が生活の中に自然に“エコ”を取り入れていけるようになるのが一番ですから。

写真©Coca Cola France

2013/08/20

プロフィール

三富 千秋

パリ在住のフリーライター。パンや菓子、料理など食の話題を中心に雑誌や食専門誌に発信しているほか、フランス人のライフスタイルについてのコラムも執筆。フランス人の日常生活をさらに知るべく、フランス各地で取材中。


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