最新機能、デザイン、エコ-パリのトイレの展示会

前回ご紹介した「パリ見本市」で、ユニークな展示会が開かれていました。「オ・フォン・ア・ドロワットAu fond à droite」(奥の右側に)と題したトイレに関する展示会です。

それぞれのトイレは、トイレにあったインテリアを施した部屋の中に展示。公共トイレを思わせる白いタイルで囲って、いたずら書きのグラフィティも再現!

カラフルなトイレットペーパーや掃除用具も展示されていました。

フランスにいらっしゃったことのある方の多くは、パリの街中や公共の場にトイレが少なく、ウォッシュレットもなく、さらにカフェや公共の場所にあるトイレがまだまだ衛生面に問題があることに驚いたと思います。

衛生面、機能、デザインといったあらゆる面で、世界の中で、日本ほどトイレにこだわりの大きい国はないことを実感します。

フランスでは、ウォシュレットは“日本式トイレ”とも呼ばれ、高級トイレとして位置づけられています。観光客の多いシャンゼリゼ大通りやデパート内に設置されるなどして、少しずつ目にするようになってきました。

最新式のトイレやトイレの“インテリア”への関心が高まるなか、「パリ見本市」で開かれた展示会は、フランス創作家具振興会(VIA=Valorisation de l’Innovation dans l’Ameublement)が主催。トイレに関する一般向けの展示会はヨーロッパで初めてだそうです。

新たな視点でトイレを見てほしいと、最新技術のトイレから、有名デザイナーが手がけた製品、水がいらないトイレ、エコロジーに配慮したトイレまで、26種の最新家庭用トイレを展示していました。そのなかから代表的なトイレを紹介します。ひとつひとつのトイレにあわせた内装もとてもユニークでした。

スイスのLafen社製トイレは、リモコンでトイレの高さを35cmから75cmまで調節が可能。身長にあわせられるだけでなく、体が不自由な方にも最適。(写真左)

明るいイエローの便座は子供向けのミニサイズ。周囲の雑貨も同色でそろえたら、子供部屋のようです。スペイン出身の工業デザイナーRamon BeneditoのHappeningシリーズから。(写真右)

スペインのRoca社のW+Wはトイレと洗面台が一体化。洗面所のスペースを無駄なく使えるうえ、手を洗ったあとの水がトイレに使われる仕組み。ラインが美しいデザインと環境の両面が評価され、数々の賞を受賞。建築家Gabriel & Oscar Burattiのデザイン。(写真左)

クラシックな木の便座にアンティーク風のタンクは、イギリス王室御用達Chadder社製。(写真右)Health(健康)と名づけられたトルコのGüral Vit社のトイレは、西洋式と日本式の長所をあわせた製品。(写真左)

無水トイレの専門メーカーEcodomeo 社は、明るいオレンジ色の新作Néodymeを展示。排泄物の水分と固形を分別するシステムを備えていて、水分は家庭排水、固形物とトイレットペーパーはコンポスト容器に運ばれます。(写真右)

ころんとした形の無水トイレ“Pot Up Pop Up”は電源も不要。銅板とマグネシウム粉の間に塩化銅に浸した紙を置き、そこに尿が通ることで発電させるそう。電気はストックして家庭用に使うことも可能。オランダのデザイナーVera Wiedermannのデザイン。


こうしてみると、トイレもインテリアによって雰囲気ががらりと変身しますね。トイレもマンションの大切な“部屋”のひとつとして、家族みんなが毎日、気持ちよく、楽しく使える場所にしたいものです。

2013/06/20

プロフィール

三富 千秋

パリ在住のフリーライター。パンや菓子、料理など食の話題を中心に雑誌や食専門誌に発信しているほか、フランス人のライフスタイルについてのコラムも執筆。フランス人の日常生活をさらに知るべく、フランス各地で取材中。


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