フランスとドイツの2地方が主催 エコ素材を使ったデザイン・コンクール

ますます注目を浴びているエコロジー建築や住宅には、天然素材やリサイクル可能な建材、環境負荷の少ない新しい素材の開発も不可欠です。

パリでは3月に、こうした建材を扱う業者が集う業者向けの展示会「Ecobat エコバ」が開かれました。

Adream 2012の入賞作品の模型と写真が展示されていたサロン「エコバ」

このなかで、環境に配慮した素材を使った建築物とコンセプトデザインのアイデア・コンクールAdream 2012の入賞作品が発表されていました。

フランスの北部ピカルディー地方とドイツのテューリンゲン州が主催したヨーロッパ規模のコンクールの2回目で、建築家と学生を対象に作品を募集。天然素材を機能的に、美しく製品化できるかどうかがポイントだそうです。

では、入賞作品を紹介しましょう。

Towards the sun -建築部門 栄誉賞/Francesca Perricone & Roberta Rotondo

「太陽に向かって」という名前のこの作品は、アパルトマンの外壁に取り付けられる“菜園”。

雨水を再処理できるシステムを使って植物を育てられると同時に、室内の暑さを和らげてくれる効果もあります。住居スペースが限られた都会での生活環境をよりよくする目的もあるそうです。

Woolshade ウールシェード –建築部門  1等賞/Nikola Znaor(学生)

建物の外壁に設置して、太陽光を遮断する影(シェード)。蜜蝋からつくったウールと木、リサイクル可能なアルミニウムの混合素材でできていて、熱に反応して開閉するシステムです。

Eco-Bell エコベル -コンセプト部門 2等賞/Camille Courlivant(学生)

一見、どこにでもある陶器に見えますが、野菜やフルーツを最良の状態で保存してくれる蓋付きの容器。大小の2枚の中央の真ん中に通っている管に水を入れて蓋をしておくと、少しずつ水分が放出されていく仕組みになっています。

下の大きい皿には釉薬を塗っていないので、水分が自然に蒸発し、内部の温度が下がる効果も。気温が20度であれば、内部は13度に保つことができるそうです。

Moo ムー -コンセプト部門 栄誉賞/Alexandre Bastien & Yann Girard

自転車による移動式エコ・マーケットの提案。荷台は折りたたみ式で、どんな自転車にも取り付けられる仕組みになっています。

重い荷物を運ぶ労力を減少するために、車輪には電気アシスタントも設置。地方経済の持続的な発展、生活環境の改善、質の高い製品をあらゆる場所で提供するという、さまざまな願いが込められたアイデアです。

EnCafé アンカフェ -コンセプト部門 1等賞/Sanam Viseux(学生)

肥料としても使われているコーヒーの出し殻で作った鉢。コーヒー豆の薄皮とビオの蝋を加えて成型したもので、見た目は土そのもの。土も不要の鉢といえるかもしれません。

これらの入賞作品が製品化されるかはまだ未定ですが、「エコバ」のような業者向けの展示会で紹介したり、企業や研究所と連携を図りながら、実用化のチャンスを探っていくそうです。

エコデザインがより多く取り入れられていくためには、建築家やデザイナーと産業界、行政、そして住民たちとのさらなる連携が必要とされてくるでしょう。

フランスのエコ事情については、下記の記事でもご紹介しています。
パリの“エコ共同住宅”-「明日に住まう」展から
省エネ性能がひとめでわかる、フランスの家電製品のエコ表示
フランス版緑のカーテン?パリで注目のナチュラル&エコインテリア

2013/04/09

プロフィール

三富 千秋

パリ在住のフリーライター。パンや菓子、料理など食の話題を中心に雑誌や食専門誌に発信しているほか、フランス人のライフスタイルについてのコラムも執筆。フランス人の日常生活をさらに知るべく、フランス各地で取材中。


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