パリの“エコ共同住宅”-「明日に住まう」展から

前回お話した「Habiter demain 明日に住まう」展で紹介されていた、省エネルギーの集合住宅をご紹介します。

いずれも、環境にやさしい住宅に対して贈られる「バ・カルボーヌ建築コンクール」(EDFフランス電力公社主催)の入賞作です。

20区の新築住宅/プロジェ・トリプティックProjet Tryptique

2010年のイノベーション特別賞を受賞したプロジェ・トリプティック建築事務所の作品。パリ20区の約1800㎡の土地に、19戸の住宅と商店の複合住宅が建築される予定です。

建物がさまざまな方向を向いたリズミカルなデザインは、最大限の光と空気が室内に入ることを計算してもの。太陽光で水を温められたり雨水が再利用できるシステムが備えられていて、床もリサイクルPVCを利用しています。

トゥール・ルノワールTour Renoir/キャナルCanale 3

2010年にリノベーション(リフォーム)部門で入賞したキャナル・トロワCanale 3建築事務所の作品は、パリ14区にある29階建て、161軒が入居する集合住宅。

屋根をふくめてすべての断熱工事を行って、エネルギー消費を抑制。新たに地上階にロッジア(回廊)を造ったり、アルミニウム製の黄緑と黄色い枠を外壁に取り付けて、デザイン性もアップしました。

この計画は、パリ市が2007年に決定した環境計画Plan Climatのひとつでもあります。同計画は交通から住宅、資源とごみ処理、食料まで、あらゆる分野にわたっていて、2050年の二酸化炭素の排出量を2004年の75%に減少することを目標に定めています。

ドック・ドゥ・サン・トゥーアンDocks de Saint-Ouen/イクス・テユX-Tu

パリ北部のサン・トゥーアン市に計画されている“エコ・カルティエ(エコ地区)”に建築予定の共同住宅。セーヌ川に浮かぶ島にあって、120軒の住宅のほか、地上階は商店、地下には地区の住民も利用できる駐車場が建設されます。

住宅は南か東向きで、屋上も緑化。自然エネルギーや川水も活用される予定です。2011年の新築建築部門で入賞。

私が住んでいる集合住宅でも先日、省エネルギー建築をめざしたリフォームを行うために、住民アンケートが配られました。古い建物が多いパリですが、今後さらにエコ住宅が増えていくことでしょう。

Habiter demain, ré-inventons nos lieux de vie(明日に住まう、生活空間を再考しよう)展
Cité des sciencesシテ科学産業博物館
© eppdCSI / Arnaud Robin

2013/03/06

プロフィール

三富 千秋

パリ在住のフリーライター。パンや菓子、料理など食の話題を中心に雑誌や食専門誌に発信しているほか、フランス人のライフスタイルについてのコラムも執筆。フランス人の日常生活をさらに知るべく、フランス各地で取材中。


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