新しいリネンで新年を迎えるフランスの習慣“白の月”

12月の終わりからパリの街のあちこちに、「Mois du Blanc モワ・デュ・ブラン」(白の月)または「Le Blanc ル・ブラン」 (白)という看板を見かけるようになります。「ブラン」は「白」のほかに、「リネン」の意味があります。クリスマスが終わるとリネンのセールが始まって、リネンを買い換える習慣があるため、1月を白い月と呼んでいるのです。

19世紀から20世紀初めのリネンやレースを扱っているアンティークショップ「オ・フィル・デリーズ 」。真っ白なコットンや麻がナチュラルな色あい。

Au fil d’Élise -2 Rue de l’Ave Maria, 75004 Paris
http://www.aufildelise.com/

リネンをブランと呼ぶのは、かつてリネンは一般的に真っ白だったため。アンティークショップに行くと、ほとんどのベッドカバーやテーブルクロスが、たしかに真っ白です。広げてみると、名前のイニシャルが刺繍されてあったり、縁がレースになっていたり、飾っておきたいようなリネンもたくさんあります。コットンや麻の天然素材の色あいの美しさも、あらためて実感できます。

人気のセレクトショップ「メルシー」のリネンのコーナー。洗いざらしたような麻の感触と淡い色合いが人気です。

「白い月」を考案したのは、1852年に開業したパリのデパート「ル・ボン・マルシェ」の創業者アリスティッド・ブシコー(1810~1877)。クリスマスの後のある日、雪が降り、棚には商品もほとんどなくなったことから、ストックがあったリネン類を並べたのだそう。

その後、フランス中のデパートやショップが追随。今ではおよそ2カ月間、2月半ばまで、多くの店でセールを行っていて、価格が30~50%引きになります。対象となるのは、ベッドのシーツやふとんのカバー、枕カバー、テーブルクロス、ナプキン、タオルなど。ベッドのマットレスも割引になっていることもあります。現在も、白いタオルにイニシャルを刺繍してプレゼントする人もいます。

デパートやインテリアショップで見かけた「白い月」のセール案内

ベッドやテーブルのリネンによって、アパルトマンの印象もがらりと変わりますから、2013年のテーマを決めて、買い揃えるのもいいかもしれません。

商戦に乗せられて無理に買い換えることはないのですが、新しい年の始まりと同時に新しいリネンに代えたら、すがすがしい気持ちで1年を始められそう。価格が割引になるなら、なおさら嬉しいというものです。

 

2013/01/24

プロフィール

三富 千秋

パリ在住のフリーライター。パンや菓子、料理など食の話題を中心に雑誌や食専門誌に発信しているほか、フランス人のライフスタイルについてのコラムも執筆。フランス人の日常生活をさらに知るべく、フランス各地で取材中。


ブログ村「パリ情報ブログランキング」に参加しています