クリスマスツリーに“二度目の命を” パリで広がるリサイクルの動き

華やかなクリスマスと年始のお祝いが終わり、新しい年を迎えました。皆さんはどんな年末年始を過ごされたでしょうか?

フランスの年末年始の風物詩ともいえるのが、公園にずらりと並ぶ大量のもみの木です。クリスマスツリーとしての役目を終えて、回収を待っているのです。以前のコラムでは、さまざまなデザインの“人工ツリー”を紹介しましたが、やはり天然のもみの木を選ぶ人が多い証拠なのでしょう。

クリスマス前には、街のあちこちの花屋さんやスーパーでもみの木が売られていました。

庭のある一軒家に住んでいる人は、もみの木をカットして暖炉の薪として使ったり、コンポスト(堆肥)にする人もいます。一方、アパルトマン暮らしがほとんどを占めるパリの場合は、歩道に不法投棄する人も多く、問題になっていました。また一般ゴミとして出してしまうと、その他のゴミと一緒に処理されてしまうため有効なリサイクルができません。

このためパリ市は、「ツリーに2度目の命を」というスローガンの下、市内の約100の公園にもみの木の臨時回収場を設置しています。回収期間は、12月31日から1月27日まで。指定の場所には、「回収場所」と書かれた幕が張ってあるのですぐに分かります。飾りや台はすべて外して、もみの木だけを持っていきます。

公園の一部が、このように回収場所になっています。

パリ15区の公園。回収場所には、飾りを外されたもみの木が山積みになっていました。

こうして集まったもみの木は、粉砕して公園の木々の足元に撒いて、木々の養分となっていきます。同時に、雑草の繁殖を防ぐ効果もあるそうです。さらに、コンポストに使ったり、公園の歩道に撒くこともあります。

今回で6年目ですが、回収する木の本数は年々増加。2008年は1万5000本だったものが、2011年は2万9000本、2012年は3万7000本に上っています。公園まで運ぶ手間はかかりますが、それよりもリサイクルや環境への意識が高まっている証拠でしょう。

パリ市の職員が随時訪れて、車で運んでいきます。公園によっては、その場で粉砕しているそうです。

楽しい時間を過ごした後は、片付けも正しく行って、すがすがしい気持ちで新しい年の初めを過ごしたいものですね。

2013/01/09

プロフィール

三富 千秋

パリ在住のフリーライター。パンや菓子、料理など食の話題を中心に雑誌や食専門誌に発信しているほか、フランス人のライフスタイルについてのコラムも執筆。フランス人の日常生活をさらに知るべく、フランス各地で取材中。


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