アパルトマンを温めるセントラル・ヒーティング

12月もあと数日を残すところとなり、フランスはいよいよ本格的な冬を迎えました。かつてのように連日気温がマイナスになったり、大雪が降ることはなくなったとはいえ、3月頃まで寒さは続きますので、日本に比べて、冬の期間がとても長い!ですからアパルトマン内の暖房の整備は、不可欠なのです。

以前、アパルトマンの暖炉についてお話しましたが、伝統的にパリのアパルトマンの暖房は、セントラル・ヒーティング(中央暖房)が主流です。建物の一箇所にボイラーを設置して、電気やガス、石油などで温めた水を各アパルトマンに送るシステムです。パリでは1900年代の初めから少しずつ設置されて、1950年代に一般化。一方、近年建てられた物件は、セントラル・ヒーティングではなく、アパルトマンごとに暖房装置を設置しなければならない物件が多いようです。

アパルトマンにあるセントラルヒーティングのラジエーター。四角い板のような形をしています。

私が住んでいるアパルトマンは築年数が約40年で、セントラル・ヒーティング完備。地下にボイラーがあり、例年、10月半ばから暖房が入ります。ラジエーターは、寝室や居間、キッチン、バスルーム、玄関の壁に設置されていて、地下にあるボイラーから温水が送られてきます。皆さんもヨーロッパのホテルなどでご覧になったことがあると思いますが、ラジエーターは大きな板のような形をしていています。

セントラル・ヒーティングの良さは、なんといっても、いつでも室内が温かいこと。目が覚めたとき、夜遅く家に帰ったとき、バスルームから出たときも、暖房を慌ててつける必要もありません。エアコンのように風がないので、部屋全体が均一に温まって、乾燥もあまり感じません。火を使いませんし、ラジエーターが倒れることもないので、安全です。

窓の下の隙間にも、ラジエーターが置かれているアパルトマンもあります。こちらは黒いラジエーター。

現代風?のラジエーターでしょうか。これならインテリアにも見えて、目立ちません。

横に、お湯が流れる量を温度を調整できるダイヤルが付いていますが、私の家ではほとんど機能せず……。ただ外の温度にあわせて、お湯の温度がもともと調整されているようです。セントラル・ヒーティングが入り始めた10月半ばは、さわるとふんわり温かい程度ですが、12月や1月になると、窓を開けるくらい温度が上がることもあります。

ちなみにアパルトマンを賃貸する場合、セントラル・ヒーティングの暖房費は家賃に含まれていることがほとんど。セントラル・ヒーティングでないアパルトマンであれば、もちろん暖房費は自己負担ですので、毎月の光熱費に大きな差が出てきます。ですからパリで賃貸アパルトマンを探すときには、セントラル・ヒーティングであるかないかが、重要なチェックポイントのひとつなんです。熱源は電気やガスが中心です。

二重サッシが入った窓。上部に通気のための小さい穴が開いています。

環境にやさしい暖房をめざすエコロジーの問題は、フランスでも注目されています。地方では、太陽パネルを設置する家も増えているようですが、パリのアパルトマンでは、太陽光を利用したり、建物そのものを改装するのは難しいのが実情です。ただ断熱と省エネ対策をかねて、大部分のアパルトマンの窓は、ガラスが2枚入っている複層ガラスが取り付けられています。防音効果もあるので、一石二鳥。窓枠は、景観への配慮もあってか、白ばかりです。

皆さんもアパルトマンの暖房を確認して、寒さに備えてください。

2012/12/28

プロフィール

三富 千秋

パリ在住のフリーライター。パンや菓子、料理など食の話題を中心に雑誌や食専門誌に発信しているほか、フランス人のライフスタイルについてのコラムも執筆。フランス人の日常生活をさらに知るべく、フランス各地で取材中。


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