狭いエレベーターをどう解決?パリのお引越し事情

ご存知の通り、フランスの新学期は9月。ですから7月から9月初めまでの時期は、バカンスであると同時に引越しシーズンでもあります。大学に入学するために地方からパリにやってくる学生さん、転勤で引っ越してくる方、アパルトマンや家を購入して地方へと引っ越していく方、家族の事情でアパルトマンを出る方など、理由はさまざまです。

引越し業者の統計によると、毎年、フランス人の1割が引っ越しているそうで、そのうち8割が同じ地方内での引越しで、引越し業者に依頼しているのは3分の1程度だそうです。残りの3分の2はというと、車を借りて友人に引越しを手伝ってもらう、というお金をかけないパターンが一番多いかもしれません。

パリの引っ越しでの一番の問題は、アパルトマンの狭さ。パリの古いアパルトマンはエレベーターがないところもまだありますし、あったとしても、後から設置しているためスーツケースが2つも入らないほど狭いところが多い! そのうえ階段も狭い……。じゃあ、大きな家具はどうやって運んだらいいのでしょう?

パリ市内で見かけた引越しの様子。

そこでによく見かけるのが、写真のような光景です。荷台が付いたはしごを窓まで伸ばし、家具を出し入れするのです。ソファや冷蔵庫もピアノも、荷台に載って次々と下りてきます。この荷台付きはしごが必要な場合は、引越し業者にお願いするか、あるいは技術者付きでレンタルすることもできるそうです!

すべての荷物を、新しいアパルトマンや一軒家に運び込める場合は問題ありませんが、パリの狭いアパルトマンに入りきらない場合の解決法が、ギャルド・ムーブルgardes meubles。家具や荷物を保管してくれるサービスです。

多くの引越し業者が行っていますし、専門業者もあります。たとえば、私の家の近くにもあるユヌ・ピエス・アン・プリュスUne pièce en plus (「もう1室プラス」の意味」)は、必要に応じて1㎡から100㎡の広さから倉庫を選べ、24時間、年中アクセスが自由です。価格は会社によって違いますが、パリの場合、引越し業者のサービスの目安は1~2㎡で1カ月70~150ユーロ。

というわけで、フランスの夏は別れと出会いが交錯する季節といえます。バカンスの終わりとともに、それぞれの新しい日々が始まります。

2012/08/20

プロフィール

三富 千秋

パリ在住のフリーライター。パンや菓子、料理など食の話題を中心に雑誌や食専門誌に発信しているほか、フランス人のライフスタイルについてのコラムも執筆。フランス人の日常生活をさらに知るべく、フランス各地で取材中。


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