アパルトマンと一体化したパリの遊歩道

パリ東部の12区に、プロムナード・プランテ Promenade Plantéeという遊歩道があります。集合住宅の脇を通りぬけて、時にはアパルトマンを突き抜けるように走っているユニークな遊歩道です。

この遊歩道は、バスティーユのオペラ座の近くからルイリー公園jardin de Reuillyまで4.5kmの距離で、ひたすら一直線に続きます。なぜまっすぐかというと、1969年まで線路が走る高架橋だったからなのです。1988年から散歩道として再活用するための工事が始まり、1993年に完成しました。

高架橋だったため、遊歩道は建物の4~5階の高さに位置しています。片方に道路、片方はアパルトマンの集合住宅が建っていて、周囲の建物を見ながら歩くのも楽しい道です。

初めてここを歩いたときに驚いたのは、遊歩道の設置と同時に建てられた集合住宅が、遊歩道と一体化しているように計算されていたこと。遊歩道に真っ二つに切断されたかのように、デザインされているのです。アパルトマンの窓が間近に見えて、散歩している私たちのほうが少し心配していまいますが、フランス人は、外から家を見られることに関しては、私たちよりずっと抵抗が少ないようです。

不要になった線路を再活用したアイデアはもちろんですが、住居の場も融合させたという点でもおもしろい遊歩道だと思います。

 

道路側から見ると、美しいレンガ造りの高架橋がそのまま残されています。下の部分は“ヴィアデュック・デ・ザールViaduc des Arts”(芸術の高架橋)と呼ばれ、ギャラリーやショップが入居。散歩道に上がる階段やエレベーターが、ところどころに設置されています。

遊歩道に上がって東に向かって歩いていくと、左側に集合住宅がすぐ近くに見えます。

 

レンガ造りの美しい住宅も。

 

あまり見ることがない集合住宅の“横顔”。土地の形に合わせて、薄い三角形をしていました。

こうした小さな広場にはベンチもあるので、座って一休みをしたり、読書をしたりしている人もいます。

遊歩道と同時に建てられた住宅(写真右側)には、アクセスできる階段が付いています。

遊歩道に“切断”されたような集合住宅。左右を行き来できる通路もあります。

ルイリー公園側の入り口から見た遊歩道。住宅と遊歩道と住宅が一体化しているようです。ちなみに遊歩道での犬の散歩は禁止。

離れてみた写真です。 集合住宅の地上階には、お店が入店しています。

2012/05/01

プロフィール

三富 千秋

パリ在住のフリーライター。パンや菓子、料理など食の話題を中心に雑誌や食専門誌に発信しているほか、フランス人のライフスタイルについてのコラムも執筆。フランス人の日常生活をさらに知るべく、フランス各地で取材中。


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