パリのアパルトマンの高さ制限とは?

高層住宅(パリ15区)

セーヌ川沿いに建ち並ぶ高層住宅(パリ15区)

パリ市内には、高層ビルがほとんどありません。唯一ともいえる高層ビルは、パリ南部の15区にある50階建てのモンパルナス・タワーで、高さは210mです。パリ郊外まで目を向けると、パリの西側にあるオフィス街のラ・デファンス地区は、231mのトゥール・ファーストをはじめ、150mを超えるビルが建ち並びます。高層ビルはオフィスがほとんどですが、住居とオフィスを兼ねた混合ビルもあります。

このラ・デファンスでは、より高い高層ビルの計画がいくつもあります。なかでも、2016年の完成を予定している住居兼オフィス「エルミタージュ・プラザ」は、320mの高さで、ヨーロッパ一高さになるそう。ちなみに、エッフェル塔はアンテナを含めて324m。法律にはありませんが、建築家はあえて、エッフェル塔を超えない高さを選んだそうです。

デファンス地区

パリの西部に位置するデファンス地区は、高層ビルのオフィスや住宅が建設されています。

さて、パリ市内に目を戻すと、オフィスビルであれ、集合住宅であれ、建物の高さは、PLU(都市開発の地区計画)によって定められています。

高さの上限は歴史的に、道路の広さによって定められてきました。19世紀後半ばは、道路幅が7.8m以下なら建物の高さは12m、道路幅が20m以上で20mといった具合。1967年になって、大きな道路が整備されるようになると、建物の高さは、パリ中心部で31m、それ以外では37mまでが許可されるようになりました。

現在パリ市内は、18m、25m、31m、37m、50m、180mの6つの高さ基準が設けられています。パリの中心から外側へと、順々に都市開発が進んでいったので、パリの縁に位置する地区に、より高い集合住宅が集まっています。もっとも高い50mの建物が許されているのは、90年代終わりから都市開発が進んだ13区の一部のみです。基準を超える建築については、パリ市によって各プロジェクトが審査され、例外措置として認められることもあるようです。チャイナタウンとして知られるパリ南東部に位置する13区は、70年代に開発が進み、100mと超える集合住宅もあります。

セーヌ川沿いの集合住宅

セーヌ川沿いの集合住宅。ずらりと同じ高さで並んでいます。

ちなみに、パリでもっとも高い集合住宅は19区にある「トゥール・プレリュード」(1979年建設)で129m。2番目は、13区の「スーパー・イタリー」(1973年建設)の113mと続きます。

「スーパー・イタリー」(パリ13区)

パリで2番目に高い集合住宅「スーパー・イタリー」(パリ13区)

パリ中心部は古い建物が多く、こうした建物は法律によって解体も建て直しもできません。このため、いま開発が進んでいるのは、パリの周辺部にあたる15区や17区、20区。15区では、集合住宅ではありませんが、180mのオフィスビル(2014年完成予定)の建築許可が下りたというニュースもありました。より住宅を増やすためには、より高く建設することを考えるべき、という意見もあるようです。今後ますます、近代的な高層住宅が増えていくかもしれません。

2012/03/19

プロフィール

三富 千秋

パリ在住のフリーライター。パンや菓子、料理など食の話題を中心に雑誌や食専門誌に発信しているほか、フランス人のライフスタイルについてのコラムも執筆。フランス人の日常生活をさらに知るべく、フランス各地で取材中。


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