話題のリサイクル家具、パリらしいアートなセンスで生まれ変わる

パリジャンは、古い家具やインテリア雑貨を蚤の市などで見つけては、家のインテリアに上手に取り入れています。さらに、椅子の布を張り替えたり、祖父母から受け継いだ家具を修理に出したりと、古いものを大切にする習慣も、まだまだ残っています。

インテリア界でも、リサイクルした家具やオブジェが脚光を浴びています。環境問題が叫ばれる現代、当然の流れにも思えますが、その素朴さや、現代にはないフォームのおもしろさ、リサイクルした後の明るい色など、デザイン的にも認められ、トレンドの一つになっているのです。こうしたトレンドを生みだしている、パリ市内の2つのショップを訪ねてみました。

小学校のテーブルもインテリアに!

デザインを学んだマガリー・ドゥベックさんが、自身で探して修復した家具を販売しているのが、「ル・ブドワール・ドゥ・ラ・レキュップ」。観光客にも人気のあるマレ地区の小さな小道にある、小さなお店です。

家具はすべて、マガリーさんがリサイクルしたもの。アクセサリーや文房具も販売しています。

家具はすべて、マガリーさんがリサイクルしたもの。アクセサリーや文房具も販売しています。

おもしろいのは、もともとの使い方をアレンジして、インテリア家具に替えているところ。たとえば、50~60年代に小学校で使われていた2人用の椅子が付いた机は、椅子と机を別々の色に塗って、小テーブルに。脚のデザインがきれいな70年代の化粧台は、グレーと黒でシックなテーブルに変身させています。店内では、販売しているアクセサリーの陳列台として使われていますが、部屋を飾るオブジェにもなりそうです。

60年代に小学校で使われていた机。大きさもほどよいので、ユニークなデザインのテーブルとして使えそう。

60年代に小学校で使われていた机。大きさもほどよいので、ユニークなデザインのテーブルとして使えそう。

左は学校の机、右は化粧台だったもの。

左は学校の机、右は化粧台だったもの。

子供用の椅子。

子供用の椅子。

Le Boudoir de la Recup
3 rue Simon Lefranc, 75004 Paris

アートと慈善活動が無理なく融合 店内をアパルトマンにみたてた演出

「エマウス」は、1949年、故ピエール神父によって設立されたホームレス支援団体です。ピエール神父は、80年代から2007年に亡くなるまで、フランス人から「もっとも尊敬する人」のナンバーワンに選ばれるなど、この団体を知らない人はフランスにはいないと言っても過言ではありません。

エマウスが進めているホームレスの自立支援の一つが、廃品を回収し、修理を行い、販売すること。各地にショップがあるほか、年に2回、大販売会を開催しています。そして、2010年10月、アートやスペクタクルの多目的スペース「104(サン・キャトル)」のなかに、新コンセプトの店「エマウス・ラパルトマン」をオープンさせました。店内をアパルトマン、つまりひとつのマンションにみたて、居間や寝室、キッチンといった部屋ごとに、リサイクルしたアイテムを演出して販売しています。

レトロな壁紙のスペースは、居間。テーブルからソファ、椅子、食器、壁に飾る絵画、タイプライターまで。壁の写真は現代アーティストの作品。

レトロな壁紙のスペースは、居間。テーブルからソファ、椅子、食器、壁に飾る絵画、タイプライターまで。壁の写真は現代アーティストの作品。

もともと営利目的ではありませんので、テーブルが15ユーロ、藤カゴは0.5ユーロなど、値段も破格! 食器を並べているテーブルも、棚も、壁の鏡も、すべて売り物です。いつもたくさんの人でにぎわっていて、歩くのが大変なほどです。ここで不要になった家具やオブジェも受け付けており、またエマウスに相談に訪れる人にも出くわします。

キッチンでは、カラフルに塗り替えられた食器棚と、数え切れないほどの食器が並んでいます。

キッチンでは、カラフルに塗り替えられた食器棚と、数え切れないほどの食器が並んでいます。

黒板では、店内に飾ってある現代アート作品を紹介。

黒板では、店内に飾ってある現代アート作品を紹介。

掘り出し物がたくさん。

掘り出し物がたくさん。

「104」は、パリ市の葬儀関連の場だった場所を改装して、2008年にオープンした話題のアートスペース。「エマウス・ラパルトマン」を出ると、パフォーマンスの練習中のアーティストや、現代アーティストのインスタレーション、駆け回る子供たちにも遭遇します。アートと、蚤の市にいるようなワクワク感、そして慈善活動が、無理なく融合している場所なのです。

Emmaüs – L’Appartement au 104 (Centquatre)
104 rue d’Aubervilliers / 5 rue Curial, 75019 Paris

水~金15時~18時、土12時~18時

2011/08/18

プロフィール

三富 千秋

パリ在住のフリーライター。パンや菓子、料理など食の話題を中心に雑誌や食専門誌に発信しているほか、フランス人のライフスタイルについてのコラムも執筆。フランス人の日常生活をさらに知るべく、フランス各地で取材中。


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