景観が最優先!パリのバルコニー、暗黙のルール

パリのアパルトマンは、バルコニーの広さは大小さまざまですが、花や緑を飾ったり、小さなテーブルを置いて、みな小さな自然を楽しんでいます。パリのバルコニーのルールは、集合住宅ごとに規定が異なり、この規定は、ビル内に入居しているアパルトマンの家主でつくる管理組合が設定しています。住民のほぼすべてのルールが、管理組合によって決められています。

それでは、個々のシチェーションをみてみましょう。

バルコニーを花で飾りたい

プランターが、バルコニーの手すりから外に出ないことが基本ルール。とはいえ、外から“見られる”ことも意識して、手すりの外側に掛けている人も少なくありません。歩道を歩いていると、頭に水が、ぽとぽとと落ちてきて、見上げると、プランターから……ということも少なくありません。目に美しい花や緑ですから、まあ、許されてしまうことも多いのでしょう。

花の種類は、赤やピンクのゼラニウムやベコニアが定番。石造りの建物に、鮮やかな色が映えます。

洗濯物は干してはダメ?

たしかに、パリでは、洗濯物を目にすることがほとんどありません。こちらも、基本的には、管理組合の規定に従います。「道路や中庭に面したバルコニーでは洗濯物を干してはいけない」「駐車場に面したバルコニーは許可」など、詳細が記されています。

一方、19世紀や20世紀初頭に建てられた石造りの建物をよくみると、小さなバルコニーしかなく、干したくても干せない事情があるのも事実。1960年代以降の近代的な建物には、より広いバルコニーがついていますが、全面禁止、または一部禁止している例をみると、やはり、景観を重視したルールといえそうです。

では、どこに干すかというと、家の中に干します。私の場合は、日当たりのいい居間に干していますが、家によっては、バスルームに干したり、キッチンに干している家も!私の家もそうですが、洗濯機を置く場所がキッチンに設置されている家も多いので、その近くで干してしまうのです……。

とはいえ、湿気がなく乾燥しているフランスでは、すぐに洗濯物が乾いてしまうので、バスルームでもキッチンに干してあっても、とくに邪魔に感じることはありません。冬も、セントラルヒーティングでつねに暖房が入っているので、やはりあっという間に乾きます。また、ベッドにシーツを敷く生活なので、シーツを洗うだけで、布団を天日に干す必要もなし。

日本人としては、晴れた日には太陽に洗濯物をあてて、からりと乾かしたくなるのですが、外に出せない不便さは、ほとんど感じません。梅雨期に洗濯物の干し場に困ったり、水回りのカビが気になる日本に比べると、なんともありがたいことですね。

夏の楽しみ、バーベキューは?

こちらも、管理組合の規定によります。禁止されていない場合も、隣人に匂いや騒音で迷惑をかけない、外壁を灰や煙で汚さない、といったルールは守らなければなりません。近所づきあいの問題といえそうです。

洗濯物を干すことやバーベキューは、市や町自体が禁止しているところもあるようですが、パリでも日本と同じく自分が住んでいる管理組合のルールを確認することが大切です。

話は少しそれますが、パリに住み始めて驚いたことのひとつが、窓にカーテンをほとんど掛けないこと。夜、バルコニーから外を見ると、お向かいさんが食事をする様子や、付けているテレビが見えて、(けっしてのぞく気はありませんが)こちらが恥ずかしくなるほど! カフェのテラス席も、みな歩道側に向いて座っていますし、パリジャンは“見られる”ことに、あまり抵抗はないようです。

2011/07/08

プロフィール

三富 千秋

パリ在住のフリーライター。パンや菓子、料理など食の話題を中心に雑誌や食専門誌に発信しているほか、フランス人のライフスタイルについてのコラムも執筆。フランス人の日常生活をさらに知るべく、フランス各地で取材中。


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