パリの街に、植物の緑や花が映える季節になりました。
この時期の恒例となった庭園やアウトドア・デザインのサロン「ジャルダン・ジャルダン・オ・チュイルリー(Jardins, Jardin aux Tuileries)」が、今年も5月27日から29日の3日間、チュイルリー公園で開かれました。デザイナーや大手メーカーが出展して、最新デザインや最新素材のデザインを発表。フランス人ならではのアウトドア・デザインのセンスも学べる見本市なのです。

チュイルリー公園の一角に、和風、モンドリアン風など、さまざまなガーデニングのデザインが集結。
毎年恒例、テラスとアウトドアのデザイン見本市
サロンで見つけた、アパルトマン(マンション)のバルコニーに活用できるアイデアやグッズを紹介します。
●植物の壁
この数年、パリで流行している植物の壁(mur végétal)。都心では緑地スペースがかぎられているので、壁そのものを植物で覆ってしまおう、というアイデアです。パリでは、セーヌ川沿いにあるケ・ブランリー美術館の外壁が有名ですが、カフェやショップの内装にも、植物の壁が登場しています。
アパルトマンのバルコニーという、せまいスペースにも、緑の壁は有効です。専門家に依頼して、水道管を張りめぐらせた壁に植物をすきまなく植えれば、ダイナミックな“垂直の庭園”に。より簡単な方法なら、壁に掛けたり貼ったりできるポットを買えば、自分でもできそうです。

壁に無数の植物を配置した壁。“自然の壁”と名づけらていました - Les Fermes de Gally

ありきたりの鉢も、吊るすとリズミカルに。Pévétexというリサイクルしたポリ塩化ビニール製で、エコかつ丈夫。長さの調節も可能 – Agence Art Terre

豆のさやをイメージ。テラスのほかキッチンの壁にも。Pévétex製 – Agence Art Terre

植物の壁を作るためのプランターは白と黒の2色。スペースにあわせて組み合わせて - Les Fermes de Gally

ラン専門店Orchidée: Vacherot Lecoufleも、壁一面にランを飾っていました。
●新世代のポットと家具
フランスのデザイン界では、十年ほど前から、インテリアと並んで、アウトドアのデザインも注目されています。バルコニーでアペリティフ(食前酒)や食事を楽しむフランス人にとっては、バルコニーを飾る家具や雑貨のセレクトも、とても重要。よりかっこよくて、おしゃれで、機能的で、さらに素材はエコで-。わがままな都会のナチュラルライフを実現するためのグッズが、次々と発表されていました。インテリアとアウトドアのデザインとの差は、ますます縮まっているようです。

パリのセレクトショップでも大人気のBacsacは、名前のとおり、バッグのポット。デザイナーと景観デザイナーのコラボレーションで誕生しました。強力な合成繊維性のため、軽くて持ち運びも楽。

Plasticanaのブーツやサンダルはポット代わりにも。麻とプラスチックを混合したリサイクル可能な素材を使用していて、内部には麻が貼り付けてあります。

水に浮かぶポットは、リサイクル可能なポリ塩化ビニール製 - Agence Art Terre

パソコンやプリンターの廃プラスチックを、植物用ポットに再生 - A.P.R.2

フランス人デザイナー、マルク・オレル Marc Aurelの作品

フランス人デザイナー、マルク・オレル Marc Aurelの作品

アウトドア用のキッチン。バルコニーの広さや電源の有無などにあわせて、オーダーメードで制作 – Designs and Garden
2011/06/27