ごみ分別や騒音は日本よりおおらか?パリのご近所づきあいルール

“個人主義“などとも言われるフランス人ですが、アパルトマンが入居する集合住宅に住むには、もちろん、一定のルールを守って生活しなければなりません。日常生活のルールについて、まとめてみました。

おおらかなパリのごみ捨てのルール

パリの集合住宅では、たいてい地下や中庭の奥に、共同のごみ収集所があって、パリ市が定めた共通のボックスが設置されています。ボックスは3つで、わかりやすく、それぞれのふたに色がついています。

・黄色いふたのボックス

リサイクルができる紙(牛乳やジュースの紙パック)や缶、ペットボトル、使えなくなったアイロンやドライヤーなど小さめの家庭電化製品を入れるボックス。

・白いふたのボックス

瓶用で、瓶がちょうど入るくらいの穴が開いています。ふたが開かないようになっているので、穴から瓶を差し入れて落とす形になります。既に瓶が中に入っている場合は、瓶と瓶がぶつかって、ガチャーンとすさまじい音が響きわたります。リサイクルのためには割らなければならないのですから、手間が省けるのかもしれませんが……。

・緑のふたのボックス

ここには生ゴミや、リサイクルできない紙類、ガラス(コップ、鏡など)を入れます。黄色や白いふたのボックスに入れていいか迷った場合は、この緑のふたのボックスに入れています。

ボックスの種類ごとに、ゴミの分類について説明しているパンフレット。

ボックスの種類ごとに、ゴミの分類について説明しているパンフレット。

日本に比べて、分別の仕方が、なんて大雑把なこと!日本に戻るたびに、パリ式の楽さに慣れている自分が、情けなくなることも……。

もうひとつ楽だと思うのは、何曜日でも、何時でも、ごみを置くことができるということ。パリ市のごみ収集の時間が近づくと、管理員または管理を任されている管理会社の担当者が、ボックスを集合住宅前の歩道に出しておきます。ごみ収集車は、ボックスの中のゴミを回収して、ボックスを再び歩道に戻したら、管理員が後からボックスを地下に戻してくれます。最近は日本のマンションでも、いつでもゴミが捨てられるゴミ置き場が設けられていることが多いそうですね。

また、洗濯機やオーディオといった大きな電気機器は、通常のゴミと一緒には捨てられないので、特別な回収場所に届けるか、パリ市に電話かインターネットで予約をして、回収に来てもらいます。このときも、日付と時間帯(8時~10時、12時~14時)を指定して、時間前に歩道に置いておくだけ。無料のサービスです。さらに、電池はスーパーや商品にある専門のボックスに、期限切れの薬は薬局に届けます。

大型電気製品や電池など、上記以外のゴミの捨て方を説明するパンフレット。gomi 瓶専用のゴミ箱は、公道にも設置されています。

大型電気製品や電池など、3色フタのボックスには捨てられないゴミの処分方法を説明するパンフレット。

生活音には繊細な配慮、でもパーティは事前通告でOK?パリの騒音問題

フランスでのご近所問題で、もっとも多いのが、騒音問題なのだそうです。きっと日本と同じだと思いますが、工事、電気機器やオーディオの音、動物の鳴き声などが、主な原因です。

さらに、大きな音ではないですが、日常的に気になるのが、足音。フランス人は家でも靴を履いていて(最近では、スリッパなどに履き替える人もいます)、フローリングの床も多いので、階下に足音が響きやすいんです。

私の家では、眠れないほどの騒音に悩まされたことはありませんが、騒音が原因で、隣人との関係が気まずくなった人もいます。玄関のチャイムが鳴ったのででてみると、隣の人が立っていて、「靴の音がうるさい」「子供が走る音がうるさい」などと、文句を言われたり……。耐えられる度合いは人によって違うので、判断に難しい点もありますが、一方で、常識はずれの騒音を出さないかぎり、「お互い様」という気持ちで、ほとんどの場合、大きな問題にはならない気がします。

日々、フランス人は小さな気遣いもしています。たとえば、遅い時間にシャワーを使わない、洗濯機は使わない、といったこと。トイレの水も、階下に響くので、深夜は流しません! 今ではなれましたが、フランスに来たばかりのころは、水をあえて流さないという習慣を知らず、フランス人宅で、だいぶ戸惑ったものでした。

そしてもうひとつ、騒音の要因となるのが、フランス人が大好きなパーティー。引越しや誕生日のお祝いはもちろん、何もお祝い事がなくても、自宅に友達を 呼んでは、食前酒を飲んだり、食事会を開きます。みんなが集まれば、おしゃべりに音楽、そしてダンスがつきもの。近所から聞こえて繰る音楽や歓声が、朝ま で聞こえてくることもあります。

パーティーを開くときの“おきて”は、玄関ホールやエレベーターの中に、日付と時間を書いて、貼り紙をしておくこと。この「事前通告」をするということが、とても重要なんです。この紙をみると、不思議と「今夜はうるさいなあ。でも仕方ないか」と、納得してしまうのですから……。だからといって、大騒ぎは禁物です。

外壁工事ただ、何時から“遅い時間”なのかは、人によって差がありますね。フランスの法律では、騒音を原因とする懲罰は、日中も深夜も同じです。詳細は各自治体が決定しますが、パリ市の場合、以下のように定められています。

・工事の騒音
罰金は最大450ユーロ。
工事の禁止時間は「平日の7時前と22時以降、土曜日の8時前と20時以降、日曜日」

・家電、動物の騒音
罰金は最大450ユーロ。24時間適応される。

フランス人からはよく、「22時から8時までは気をつけて」と言われていましたが、工事の禁止時間が、平日と週末で違うというのは、実は今回、初めて知りました。週末は、パーティーを楽しむ日、かつ、静かな休息日―。なんともフランス人らしい考え方という気がします。

2011/05/09

プロフィール

三富 千秋

パリ在住のフリーライター。パンや菓子、料理など食の話題を中心に雑誌や食専門誌に発信しているほか、フランス人のライフスタイルについてのコラムも執筆。フランス人の日常生活をさらに知るべく、フランス各地で取材中。


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