パリは犬天国!アパルトマンのペット事情

“犬天国”と呼ぶ人がいるほど、パリの街を歩いていると、犬と散歩するパリジャンとしょっちゅうすれ違います。一軒家が皆無に近いパリですから、ほとんどの人がアパルトマンでペットを飼っていることになります。そう、パリのアパルトマンは、ペットにとても寛容なのです。

ペットに寛容なフランスのアパルトマン

アパルトマン暮らしの“ミミ”ちゃんです

アパルトマン暮らしの“ミミ”ちゃんです

パリのアパルトマンでは、1970年に制定された法律によって、賃貸契約であっても、家主が借主にペットを飼うことを禁止したり、ペットを飼っていることを理由に契約を拒否することが、禁止されています。日本と違って、“ペット可能なアパルトマン”を探す必要もないというわけです。私はペットは飼っていませんが、同じ建物内には、大きなラブラドールを飼っている女性が住んでいて、エレベーターで時々出くわします。

もちろん、最低のルールは必要です。ペットの鳴き声による騒音や異臭といった被害があったり、住宅そのものに損害を与えるような場合は、退去を求められることがあります。また、1999年に定められた危険動物などに関する法律によって、ピットブル(アメリカンピットブルテリア)など、フランスで飼育条件が厳しく定められている犬に関しては、賃貸物件での飼育は禁止されています。

不動産会社が管理しているようなアパルトマンでは、ペットを禁止しているところもあるそうですが、問題がないかぎりは、許されているようです。臨機応変ともいえるこうした対応は、フランス人らしいところかもしれませんね。
反対に、フランス人は大の犬好きですから、犬を通じて、ご近所さんとの付き合いが始まったり、散歩で出会う人と顔見知りになることも多いそう。「出会いを求めるなら、犬を飼ったら?」なんて、友人の間では冗談が飛び交うほど。

こちらも、アパルトマン暮らしの“ぶるきち”君です

こちらも、アパルトマン暮らしの“ぶるきち”君です

人々の暮らしに溶け込む、フランスのペットたち

フランス人といえば、1カ月も続く夏のバカンスで有名です。この時期は、ペット・コミュニティーが強い味方に。お互いに預けあったり、預かってくれる人を紹介しあったり。そしてペットを預かる専門の人やペットホテルはパリにもあります。なにより、フランス国内はペット可能なホテルが多いので、犬と一緒に旅に出る人も少なくありません。一方で、バカンス中に捨てられるペットが多いというのも、悲しい現実です。

パリにいらっしゃった方の中には、カフェやレストランで、食事をしている人の足元に、おとなしく座っているワンちゃんを見て、驚いた方も多いのではないでしょうか。食料品店では、犬を禁止していますが、ワンちゃんは店の外でおとなしく待っています。ただし残念なのは、道に残された犬の落し物。なんとも恥ずかしいパリ名物のひとつなのです。犬はきちんとしつけられているのですから、飼い主たちも、もう少しマナーを考え直してほしいものです。

左:サンドイッチ店の前でおとなしく待っている犬/右:広い公園で自由に駆け回る犬

左:サンドイッチ店の前でおとなしく待っている犬/右:広い公園で自由に駆け回る犬

フランス人に人気のある犬は、シェパード、ヨークシャーテリア、ラブラドール・レトリバー、ジャック・ラッセル・テリア、フレンチ・ブルドッグなど。柴犬も、おとなしくて頭がいいと、人気が高いです。柴犬を飼う方は親日の方も多いようで、これまで出会った柴犬の名前は、「ハナコ」ちゃんに、文房具店のマスコット「カンジ(漢字)」くん。みなパリ育ちです。パリの街やアパルトマンには、“国籍”を問わず、ペットが日常生活に自然にとけこんでいるのです。

2008年の調査ではありますが、フランス人の52%の家庭で、1匹以上のペットを飼っていて、ペット数は6100万以上。そのうち犬は78万匹、猫が107万匹で、90年代初めから猫の数が増えているそう。トップは364万匹を数える魚ですが、1軒で何匹も飼っていることから、この高い数字に。そう考えると、やはり犬と猫の人気が圧倒的です。

もともとフランスでは犬を飼う家が多かったようですが、近年では猫人気が上昇中。特にパリでは多忙な人が多く、散歩が難しいせいもあってか猫派が多いようです。日本の都会事情と似ていますよね。そのほかには、ウサギやハ ムスター、モルモット、最近ではヘビなど爬虫類を飼う人も増えているとか。

2011/04/07

プロフィール

三富 千秋

パリ在住のフリーライター。パンや菓子、料理など食の話題を中心に雑誌や食専門誌に発信しているほか、フランス人のライフスタイルについてのコラムも執筆。フランス人の日常生活をさらに知るべく、フランス各地で取材中。


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