フランス・アパルトマンの基本情報(その1)パリジャンの住宅事情

持ち家率と借家率と離婚率

家を所有している人は、フランス全体で58%で、パリでは30%を下回ります。フランス全体の持ち家率70%を目標にしている政府は、今年1月、持ち家奨励策の改正を発表して、無利子の住宅ローン制度を拡充したばかり。年間30万世帯が補助対象になるそうです。賃貸をしている人の60%が、自分の家を買いたいと希望しているというデータもあるので、政策の効果を期待したいものです。

パリでの持ち家率が低い理由は、まず、学生や外国人ら比較的に短期滞在の人が多いため、賃貸を選ぶ人が多いこと。近年では、物件の価格上昇が挙げられます。さらには、あまり楽しい話ではありませんが、パリでは離婚率がなんと50%といわれ、「離婚のとき、一緒に購入した物件の分与は面倒だから……」と、冗談にならない言葉がフランス人から聞かれるのも事実です。

アパルトマンの価格

不動産会社の張り紙

不動産会社の張り紙

パリには100年、200年を過ぎた建物が多いわけですが、古いから価値が下がるのではなく、反対に評価額が上がっていくといわれています。修復や改装の仕方によっては、さらに価値は上がります。

パリ公証人組合が2010年下半期に発表したデータでは、旧建築の物件で、1㎡あたりの平均価格は7030ユーロ(駐車場をのぞく。約78万7000円※)。1年間で13.8%ものアップ率でした。

20の区に分かれているパリは、もちろん、区によって価格差があります。もっとも高い区は、有名カフェやショップが軒を連ねる6区(通称サンジェルマン・デ・プレ)で1㎡あたり10640ユーロ=約120万円=、続いて、情緒ある建物が残り、観光客にも人気のある4区(通称マレ地区)が同10030ユーロ=約112万円=、官公庁の多い7区の同9840ユーロ=約110万円=と続きます。

新築物件も上昇傾向にあり、パリでは1㎡あたり1約8900ユーロ=約100万円=(2010年下半期、住宅情報国立エージェンシー調べ)に上りました。

※2011年1月末現在、1ユーロ=約112円

物件を探すときは、不動産会社を訪ねるほか、新聞や雑誌の案内をチェックしている人も多いようです。面白いのは、賃貸していたアパルトマンの家主から購入するケース。家主が物件を売却したい場合は、借家人が、優先的に購入することができるからです。家主はまず、書留郵便で売却したい旨と売却条件を借家人に郵送。手紙が届いてから2カ月間、借家人以外に売却することはできません。

不動産会社の物件案内

不動産会社の物件案内

次回はアパルトマンの管理などについてお話します。

2011/02/14

プロフィール

三富 千秋

パリ在住のフリーライター。パンや菓子、料理など食の話題を中心に雑誌や食専門誌に発信しているほか、フランス人のライフスタイルについてのコラムも執筆。フランス人の日常生活をさらに知るべく、フランス各地で取材中。


ブログ村「パリ情報ブログランキング」に参加しています