フランス・アパルトマンの基本情報(その1)パリジャンの住宅事情

パリのアパルトマン(マンション)事情のレポートを担当することになりました、三富千秋です。

パリに住み始めて11年が過ぎましたが、パリの街並みの美しさには、今でもハッとさせられることが、たびたびあります。重厚な石壁に灰色の瓦屋根、バルコ ニーなどが特徴である建物は、パリの景観にとって重要な要素になっています。一方で、1960年代以降の近代建築や、現在建築中の新築物件などもあり、パ リのアパルトマンの様相は多様です。

パリの街並み

パリの街並み

こうしたアパルトマンの現状や、パリジャンの暮らしぶりについて、随時レポートしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

第1回は、アパルトマンの基本情報について、まとめてみました。

パリジャンの住宅

パリを訪れた方であれば、気づかれたと思いますが、パリに一軒家はほとんどありません。大部分のパリジャンが、アパルトマンに暮らしています。主に19世紀に建てられた石壁の建物に加えて、1960-70年代に建築されたコンクリートのアパルトマンが、現在のパリの街に混在しています。

石壁の建物はナポレオン三世の下で建設され、“オスマン様式”と呼ばれています。1階(フランスでは地上階と呼びます)には商店やレストランなどが入店し、2階(フランス式1階)からが住居になっているのは、19世紀も21世紀も変わりません。

19世紀に建てられたアパルトマン

19世紀に建てられたアパルトマン。1階はお店、3階には美しいバルコニー

印象深いのは、ひときわ美しい3階(同2階)のバルコニーです。かつて3階は“高貴な階”と呼ばれていて、裕福な家族が住んでいました。20世紀は、エレベーターも防音のための二重窓もない時代。3階なら、道の騒音から遠く、かつ階段を歩く距離も長すぎない、ちょうどいい階だったからなのです。

反対に、最上階の屋根裏は、使用人や奉公人たちの部屋。使用人専用の小さな階段も備えられていて、現在もそのまま使われています。

いまでは、古い建築物にもエレベーターが取り付けられ、眺めもいい上階の方が、物件としての価値が上昇しています。内部ももちろん改装されて、ひとつの建物のなかに、ワンルームから3-4室を備えた広い物件まで、さまざまなタイプの部屋に分譲されています。

同じ階や上下の階にある物件も同時に購入して、広い家に改造してしまう人や、さらには一部の天井を外してロフト式の天井の高い部屋をつくってしまう人などもいます。

2011/02/14

プロフィール

三富 千秋

パリ在住のフリーライター。パンや菓子、料理など食の話題を中心に雑誌や食専門誌に発信しているほか、フランス人のライフスタイルについてのコラムも執筆。フランス人の日常生活をさらに知るべく、フランス各地で取材中。


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