パリで需要が拡大するレンタル収納スペース

パリの集合住宅の多くは地下が倉庫(フランス語でカーヴ)になっていて、アパルトマンごとに1室ずつカーヴが準備されています。しかし、長く住んでいるとだんだん荷物が増え、捨てられないものの保管場所や、時々しか使わないアウトドア用品などの収納スペースに困る場合が多いものです。パリの賃貸アパルトマンでは、大家さんの荷物がカーヴに置かれたままで使えないアパルトマンも時々あります。

そこでこの数年、パリで増えているサービスが、レンタル倉庫です。

パリ市内に8カ所、フランス国内では約100カ所の倉庫を構えるUne Pièce un Plus 。

パリ市内に8カ所、フランス国内では約100カ所の倉庫を構えるUne Pièce un Plus 。

レンタル倉庫のサービスそのものはだいぶ前から存在していましたが、この10年で急発展。広い土地がある地方ではなく、パリ市内でも倉庫が見られるようになってきたのも、需要の大きさでしょう。

最近の特徴の一つが、1㎡という小さなスペースからレンタルできること。レンタル倉庫というより、“収納ボックス”と呼ばれることもあります。

さらに24時間、毎日アクセスが自由にできるという点も、ロジスティックが発展したおかげといえます。各ボックスに暗証番号がついてあり、ビデオカメラが設置されていることなど、どの会社も、もっとも心配される警備面の対策も万全であることをうたっています。

レンタル料金は、契約期間の長さによっても変わるため、見積もりを作成してもらうパターンが多いようです。ある記事によると、パリ市内の場合、8~10㎡のコンテナかボックスで月額150~200ユーロ、フランスの地方では100ユーロくらいだそう。

もっとお手軽なサービスは、文字通りに段ボール箱くらいの大きさのボックスを配達してくれて、収納が終わったら倉庫に運んでくれるというもの。LOFTYの場合、必要になった時のボックスの配達も無料で、17時までに連絡すれば、その日の 22時には届くそうです。

LOFTYのサイト。ボックスの大きさは60cm x 40cm x 50 cm。2個(13.8ユーロ)から受け付けています。

LOFTYのサイト。ボックスの大きさは60cm x 40cm x 50 cm。2個(13.8ユーロ)から受け付けています。

さらに最近増えている傾向は、自分のアパルトマンや家で空いているカーヴや倉庫を提案し、個人間で契約を結ぶこと。インターネットのサイトを通じて、場所を探している人と貸したい人がコンタクトをとることができます。

たとえばjestockeのサイトを見ると、フランス国内で約3000の倉庫が登録されていて、パリで検索すると274件とでてきました。ざっと見たところ、1㎡あたり月12ユーロから。レンタル倉庫の企業を通すより、価格が安いのが魅力です。

都市名を入れて検索すると、写真とともに地区名と面積、月額が表示されます。

都市名を入れて検索すると、写真とともに地区名と面積、月額が表示されます。

貸し出される倉庫の詳細や条件が書かれていて、たとえば倉庫へのアクセスは「オーナーがカギを渡してくれる」場合と「オーナーとアポイントをとる」場合があり、また倉庫すべてを借りられる場合と、ほかの人とシェアする倉庫もあります。トラブルやリスクを回避するために、オーナーが住宅保険に入ることを義務付けており、借りる側は保険加入の必要はないそうです。

このように個人間でレンタル契約を結ぶサービスは、使っていない車をレンタルしたり、民泊として部屋や家を貸し出したりするシェアリング・エコノミーのひとつといえます。現代の都市生活では人と人とのつながりが乏しくなってきていると言われながら、知らない人同士がサービスを提供・授与しあい、共有することができる社会になってきているのも、おもしろい現象ですね。

2016/11/08

プロフィール

三富 千秋

パリ在住のフリーライター。パンや菓子、料理など食の話題を中心に雑誌や食専門誌に発信しているほか、フランス人のライフスタイルについてのコラムも執筆。フランス人の日常生活をさらに知るべく、フランス各地で取材中。


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