セーヌ河岸も変わる! 再開発プロジェクトが始動

パリ市の再開発プロジェクト「Réinventer Paris(レアンヴァンテ・パリ)」について、5月にお伝えしましたが、今度はセーヌ川河岸の再開発プロジェクト「Réinventer la Seine (レアンヴァンテ・ラ・セーヌ)」が始動しました。

パリで大規模な再開発プロジェクトが決定!22カ所のプロジェクトがパリを変える

全長776kmを超えるセーヌ川は、フランス東部のブルゴーニュ地方コート・ドール県に水源があり、パリを通って、ノルマンディー地方のル・アーヴルからイギリス海峡に注いでいます。今回の再開発は、セーヌ川が流れるパリとパリ近郊の街を含むイル・ドゥ・フランス地方、ノルマンディー地方のルーアンとル・アーヴルと共同で行われ、候補地は41カ所(そのうちパリ市内が11カ所)。5月から10月まで募集を受け付け、2017年初めには候補地ごとのプロジェクトを決定するそうです。

6月には水位上昇が心配されたセーヌ川ですが、19世紀後半に印象派の画家たちによって描かれた水面は、変わらず観光客の目を楽しませています。さらに、いまも資材などの輸送路として使われていて、年間2000万トンが行き来しているそう。河岸にペニッシュ(平底船)を浮かべて、セーヌ川を住居としている人もいます。歴史的にも文化的にも重要な観光資源であると同時に、フランスの経済を支える要でもあるのです。

6月初めには増水で心配されたセーヌ川ですが、観光船も復活しています(7月20日現在)

6月初めには増水で心配されたセーヌ川ですが、観光船も復活しています(7月20日現在)

資材の輸送船は今でもよく見かけます。

資材の輸送船は今でもよく見かけます。

セーヌ川河岸の再開発候補地は、港や河岸のトンネル、使われていない橋や工場など。たとえば、こんなところです。

アレクサンドル三世橋 右岸の橋台

パリでもっとも美しいと讃えられる橋(パリ8区)。右岸の橋の下が再開発の対象です。

パリでもっとも美しいと讃えられる橋(パリ8区)。右岸の橋の下が再開発の対象です。

モンテベーロ港

ノートルダム寺院の真下に位置する河岸(パリ5区)

ノートルダム寺院の真下に位置する河岸(パリ5区)

アンリ四世トンネル

今夏の終わりから歩行者専用になる予定の道で、240mが再開発対象(パリ4区)。©Marc Verhille_Mairie de Paris

今夏の終わりから歩行者専用になる予定の道で、240mが再開発対象(パリ4区)。©Marc Verhille_Mairie de Paris

トルビアック港

工場が並ぶ港(13区)。©Marc Verhille_Mairie de Paris

工場が並ぶ港(13区)。©Marc Verhille_Mairie de Paris

イヴリー・シュール・セーヌ港

パリ南東のイヴリー・シュール・セーヌ市にあり、燃料油の詰め替えのために使われていた港。水上輸送に関する施設、または住居や公園といった施設の建設が求められています。©Franck Dunouau

パリ南東のイヴリー・シュール・セーヌ市にあり、燃料油の詰め替えのために使われていた港。水上輸送に関する施設、または住居や公園といった施設の建設が求められています。©Franck Dunouau

このほか、パリに2つの新しい歩行者専用橋を造る計画もありました。セーヌ河岸は、より機能的な港として、より快適な仕事や住居の場として、より便利な移動手段として、水を生かした遊びのスペースとして、さまざまな用途で活用されていきそうです。河岸だけに集合住宅が建つことはないでしょうが、河岸が変わることで、人の動きが変わり、周辺の住宅環境も一変するでしょう。どんなスペースが誕生するのか、パリをどのように変えていくのか、いまから楽しみです。

2016/08/15

プロフィール

三富 千秋

パリ在住のフリーライター。パンや菓子、料理など食の話題を中心に雑誌や食専門誌に発信しているほか、フランス人のライフスタイルについてのコラムも執筆。フランス人の日常生活をさらに知るべく、フランス各地で取材中。


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