恒例のガーデン祭「ジャルダン・ジャルダン」 都市と自然の共存も話題に

今年で13回を迎える毎年恒例のパリのガーデン祭「ジャルダン・ジャルダン・オ・チュイルリーJardins, Jardin aux Tuileries」が、6月初めに開かれました。

今年は「未来の解決法としての都市の風景」と題し、“都市でのより良い暮らし”がテーマでした。造園デザイナーやガーデニング関係の会社が、身近な素材を使ったガーデニングや緑化のアイデア、規模や場所にあわせて臨機応変に形がデザインできるモジュール型の庭園やスペースづくりなどを発表。すぐにも真似してみたいアイデアもたくさんありました。

1シャンパーニュ・メーカーのスタンドに飾ってあった華やかな花束。赤い針金でつないだコルクが添えてありました。

主な展示作品を紹介します。

2_3フランス西部のナント市にあるキャラヴァンヌ・ドゥ・ナント社の「ガーデン・イン・ア・ボックス、ボックス・イン・ア・ガーデン」は、木のワインケースを積み重ねた庭園。地元のワイン農家のケース1000個を持参したそう。

4 5造園デザイナーのドゥニ・マロワーヌさんとリュック・メンラッドさんによる「高いところにある庭」と題した作品。都市の合理性の象徴である素材が、植物によって詩的な庭へ変われることを表現したそう。工事用の鉄柱や土砂を入れる袋などが、緑と同化しています。

6 7_8ホームセンターのジャルディランドの庭園。食品の保存用ガラス瓶やポット、木の箱といった身近なアイテムを鉢や鉢カバーにするアイデア。

9_10インテリアとデザインの学校ESAMの学生は、ポプリの木材という軽くて柔軟性があるエコ素材を使った「ウッド・アン・ストック」を展示。薄い木材を組み合わせて形や大きさを変えることで、さまざまな用途に使える可能性が示されています。

11_12デザイナーがデザインした作品を、一般の人に自分でつくってもらうというコンセプトを提案しているドロール・ドワゾー社。白や水色の接合部分を同社のサイトからダウンロードして3D印刷し、自分で購入した棒と組み立てる仕組みです。デザイン性と現代テクノロジー、そしてDIYの楽しみを合体させたコンセプトです。

最後に、イノヴェーション・コンクールの入賞作を紹介します。

13 14グリーンシティ―賞を受賞した、持ち運びができる“庭園のモジュール”。プランターを載せる屋根付きの棚で、スペースが限られた都市に適していると評価されました。壁の緑化にも使えそうです。素材も、木材や金属などアントワーヌ・ルエランさんの作品。

15デザイン賞は、木小屋やキオスクのような「フォリー・ヴェジェタル」。都市の中に新たな緑のスペースづくりの提案です。屋根は麻でできていて、一部は緑化されています。ジュール・ルヴァッスールさんの作品。

今年は、開催直前にフランスの各地で洪水被害が発生し、セーヌ川も1910年以来ともいわれる水位を記録。セーヌ川沿いのチュイルリー公園で開かれる同イベントの盛り上がりを心配する声もありました。地下鉄のストもあったため、入場者数は昨年には届かなかったそうですが、それでも気温が上がった週末には多くの人が訪れ、来場者は1万9000人に上っています。あらためて、環境や自然の変化、都市と自然の共存について考える機会となりました。

2016/07/14

プロフィール

三富 千秋

パリ在住のフリーライター。パンや菓子、料理など食の話題を中心に雑誌や食専門誌に発信しているほか、フランス人のライフスタイルについてのコラムも執筆。フランス人の日常生活をさらに知るべく、フランス各地で取材中。


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