海洋汚染から地球を守れ!世界最大のソーラーエネルギー船「レース・フォー・ウォーター」がパリに到着

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パリ15区のセーヌ河川に停留している「レース・フォー・ウォーター」。

11月30日から12月11日まで、パリでは「国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)」が開催されました。11月13日のテロを受けて、パリでは多くのイベントが中止になったり延期されましたが、COP21は予定通り、厳重な警備の中での開催となりました。

このCOP21に関連して、11月26日から12月12日まで、セーヌ河川に、海洋汚染の調査を進めているスイスの財団「レース・フォー・ウォーター」の調査船がやってきました。

「レース・フォー・ウォーター」財団は今年、科学調査船「レース・フォー・ウォーター・オデッセイ」号で、海洋のプラスチックごみをはじめとする廃棄物の実態と海洋汚染の状況調査を実施。2015 年3 月15 日にフランス・ボルドーを出航し、ニューヨークやパナマ諸島、ハワイ、リオ、ケープタウン、上海など16カ所に停留して、9カ月間で合計3万2000マイルを横断しました。東京にも2015年6月に訪れています。

今回パリにやってきた新しい船は、ガソリンを1滴も使わず、太陽エネルギーのみで航海する船で、同財団によると、世界最大の太陽発電船。開発したPlanetSolar社は、2011年から2012年にかけて、585日間にわたる航海に成功したあと、「レース・フォー・ウォーター」財団に寄付したそうです。

 船を上から見たところ。ソーラーパネルが全面に設置されているのが分かります。 ©Race for Water 2015 / Peter Charaf


船を上から見たところ。ソーラーパネルが全面に設置されているのが分かります。
©Race for Water 2015 / Peter Charaf

その大きさは、長さ35m、幅23m、高さ6.3m、平均速度は5ノット(時速約9.5km)で最大速度は14ノット(時速約26km)。512㎡分のソーラーパネルが設置され、太陽電池セルは2万9124個を数えるそうです。

11月26日に開かれた記者発表の際、甲板にもあがることができました。

 甲板に載ってみると、ソーラーパネルの大きさに圧倒されます。


甲板に載ってみると、ソーラーパネルの大きさに圧倒されます。

フランスとスイスの旗が掲げられていました。

フランスとスイスの旗が掲げられていました。

停留している港のすぐ隣は、アンドレ・シトロエン公園。見えている気球は、大気汚染を調査する役割ももっています。

停留している港のすぐ隣は、アンドレ・シトロエン公園。見えている気球は、大気汚染を調査する役割ももっています。

キャプテン室の様子

キャプテン室の様子

財団の代表マルコ・シノメニさんによると、今年の調査によって、海洋汚染が危機的状況にあることを再認識したそうです。海のプラスチックごみのほとんどが、陸地から海に流されてきたもので、さらに海や風の力で微細化され、それを食べた魚や鳥たちが死亡することも少なくありません。

「汚染された海洋を“清掃”することは、もはや現実的ではありません。私たちの使命は、市民や企業、政治家たちの意識を啓発すること。そしてプラスチックゴミを価値のあるものに変えていくこと」と話していました。

船内には、調査中に回収したプラスチックごみが展示されていました。サンダルやおもちゃ、歯ブラシまで!

船内には、調査中に回収したプラスチックごみが展示されていました。サンダルやおもちゃ、歯ブラシまで!

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 記者会見する「レース・フォー・ウォーター」財団代表マルコ・シノメニさん(左)、キャプテンのジェラール・ダボヴィルさん(右)ら。© Race for Water 2015 / Peter Charaf


記者会見する「レース・フォー・ウォーター」財団代表マルコ・シノメニさん(左)、キャプテンのジェラール・ダボヴィルさん(右)ら。© Race for Water 2015 / Peter Charaf

スイスではなんと、プラスチックゴミを電気エネルギーに代える研究も進んでおり、2016年には具体的に始動する予定とのこと。プラスチックゴミを集める→買う→選別→エネルギーへの変換→電気の供給というサイクルをつくることで、雇用創出にもつなげたいとしています。

フランスも日本も海をもつ国ですから、海洋汚染は人ごとではありません。また、自分たちの国から流されたゴミが、遠い国の海岸や陸地を汚している現実も、忘れてはいけませんね。

マンションに直接関係する話題ではありませんでしたが、日々の生活が原因となる環境汚染について、あらためて考えるいい機会ではないかと思いました。大きなことはできなくても、日々の心がけにつなげたいものです。

2015/12/15

プロフィール

三富 千秋

パリ在住のフリーライター。パンや菓子、料理など食の話題を中心に雑誌や食専門誌に発信しているほか、フランス人のライフスタイルについてのコラムも執筆。フランス人の日常生活をさらに知るべく、フランス各地で取材中。


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