築10年目でチェックすべき4つの点検ポイント!

壁紙の剥がれや水漏れなどマンション専有部分の不具合が感じられるのは10年目くらいからと言われています。そのような不具合は放っておくと後々大きな問題になることも。そこで住宅診断のスペシャリストであるホームインスペクターの大久保氏に築10年目にぜひチェックすべき点検ポイントとその対処方法をお聞きしました。

築10年目に点検する上で優先順位の高い部位は?

室内だと壁紙の剥がれがまず目に付くと思います。しかしそれ以外にも下記のような部分に見つけにくい不具合が生じている場合があります。

1.建具やキッチン・洗面化粧台扉のちょう番

建具が枠に擦れるなどで「なんだか締まりが悪いな」と感じたら不具合のサインです。原因は経年劣化によるネジの緩みやちょう番のねじれなどです。ドライバーで簡単に直せそうですが、ネジ穴が広がっていたり、ちょう番を叩くと余計変形したりと素人では補修が難しい場合があります。またマンションの建具は1点もののオーダー品で、調整が容易でないケースもあります。そのため慣れていない人はプロにお願いするのが無難です。

 

・不具合の理由⇒経年劣化(10年前後で徐々に)
・放置した場合⇒閉まらなくなる。建具枠や床が傷つく
・補修費用の目安⇒2~3万円(ネジ穴補修、ちょう番のねじれ修正)

2.玄関やサッシのエアタイトゴム

マンションの玄関やアルミサッシの枠には防音や気密性を保つためエアタイトゴムが付いています。こちらも10年前後で機能が低下します。交換時期を知るには部屋中の給気口をビニールなどで塞ぎ、換気扇を回します。その時劣化していればゴム部分から「ビュー!」という大きな音が鳴るはずです。窓枠をマメに掃除することで幾らかは劣化を遅らせることができます。交換用のゴムはインターネットなどで購入可能ですが、やり方が分からない人は業者に頼みましょう。

 

・不具合の理由⇒経年劣化や窓枠の汚れ
・放置した場合⇒防音・気密性の低下
・補修費用の目安⇒2~3万円(玄関ドアまわりのゴム交換)

3.水栓金具・配管

ゴムパッキンなど水栓金具の部品が劣化し始めるのも築10年前後からです。気づかずに徐々に漏れた水が床下にたまり、下の階に伝わると大変なことになります。場合によっては床や壁を解体したり、下の階の部屋を滅菌したりと大掛かりな補修工事が必要な事態になりかねません。洗面化粧台やキッチンの配管の水漏れに関しては周りに置いたトイレットペーパーなど日用品が管を押して歪ませている場合があるので、普段から整理整頓に気を配りましょう。
・不具合の理由⇒金具の場合は経年劣化。配管の場合は、置いた物が配管を押して歪ませているケースがある
・放置した場合⇒水漏れ。階下に迷惑をかける
・補修費用の目安⇒2~3万円(ゴムパッキン交換)

4.バルコニーの汚れ

プランターや植木鉢から落ちた土、排水溝に溜まったゴミはバルコニーの汚れにつながります。このような汚れを放置していると排水溝のつまりの原因になり、あふれた雨水などが隣に流れ迷惑をかけます。また10年近く経つといくら擦っても取れません。そのため売却時はマイナスなイメージにつながる原因にもなります。普段から掃除を欠かさないことが一番ですが、どうしようもない場合は専門の清掃業者に依頼することになります。
・不具合の理由⇒清掃不足
・放置した場合⇒排水溝のつまり。売却時の減額
・費用の目安⇒2~3万円(バルコニー清掃1回)

費用を安くおさえるコツ

これらの補修はプロにとって30分程度の作業かもしれません。しかし人が動くというだけで最低2万円前後はかかってしまいます。築10年といえばリフォームも考えはじめる時期でしょう。緊急の場合でない限りは、リフォーム時にまとめて行うことをおすすめします。場合によっては「それぐらいサービスしますよ」ということもあり得ます。
また、マンションならではの方法として隣近所と同時に依頼するという手もあります。業者としては同じような内容の仕事をまとめてもらえ、移動距離もほとんどないので割引してくれる可能性が高くなります。

補修依頼先にはどんな会社がある? また、それぞれのメリット・デメリットは?

・管理会社

普段からお付き合いがあるため頼みやすい会社でしょう。業者の紹介をしてくれる場合もあります。また、大手の管理会社であれば、自社でリフォームを請け負うケースもあります。
得意分野⇒建具・玄関・サッシ・床・水栓金具・配管・バルコニーの汚れなど全般
メリット⇒普段からお付き合いしているという安心感。また大手であれば契約書やスケジュール管理などが一括してお任せできる

・リフォーム・補修専門店

大きくは大手、中小、ハウスメーカー系、住宅設備系に分かれます。中小には水回りなど専門分野に特化した会社も数多くあります。ハウスメーカー系は新築のノウハウがあるので大掛かりな工事が得意な一方で、小規模なものは不得手で割高になる傾向があります。
得意分野⇒建具・玄関・サッシ・床・水栓金具・配管・バルコニー(専門分野に特化している場合あり)
メリット⇒専門分野に関しては技術力が高く、割安

・ホームセンター

身近にある存在なので問い合わせはしやすいでしょう。部材関係は大量に仕入れているため比較的安価にできるという特長もあります。価格は「床の張り替え一式」といったパッケージ方式が多く見られます。
得意分野⇒建具・玄関・サッシ・床・水栓金具・配管
メリット⇒問い合わせしやすい。部材関係は割安になる場合が多い。価格設定が明確

・近所の工務店

広告を出していることが少ないので紹介や飛び込みで依頼することになります。職人さんと直接つながっているため比較的安価で小回りが利く一方で、普段下請けの仕事が多いことから接客に慣れていない場合もあります。
得意分野⇒床
メリット⇒安価。小回りが利く

・職人さんに直接

中間マージンがないためもっとも安くできる反面、一般的にはなかなか見つけにくい依頼先です。紹介のほかに中にはホームページを持っている職人さんもいるので「建具 補修 市町村名」といった検索ワードで見つけるという手もあります。工務店同様に接客に慣れていないケースが多々あります。
得意分野⇒建具・玄関・サッシ・床・水栓金具・配管・バルコニー(専門分野に特化している)
メリット⇒安価

そのほか補修が得意な「便利屋さん」という選択肢もありますが、どれほど得意なのか実績などを聞いて確認が必要です。特徴は職人さんとほぼ同じです。

補修依頼先選びの流れは?

大手の多くは下請け業者に仕事をお願いしているので、結局は中小と同じ職人さんになります。
・ 大手の会社は契約書やスケジュール管理などがしっかりしているのでお任せでOK。しかしその分お金がかかる。
・ 中小の会社は費用が割安な反面、契約書などの書類が不足している場合もあり、そういう部分では大手の会社にくらべてトラブルになりやすい。そのためある程度段取りが分かる中級者以上向き。

依頼先選びの流れとしては
1.何を依頼するのかを明確にする
工務店に水栓の修理を依頼しても出来ない場合があります。まずは依頼内容を明確にし、インターネットや紹介などで得意な業者を探します。
2.手軽さを取るか、安さを取るかを選択
お任せでOKだが、その分費用がかかる大手の会社にするか、契約関連などに気を配る必要があるが、その分費用が安い中小の会社にするかを選択します。
3.複数の業者に対して価格を確認する
大手の会社を選ぶなら大手2~3社、中小の会社を選ぶなら中小2~3社に価格を確認します。建具のちょう番補修といった簡易なものは書面にすることが少ないので電話で聞けばOKです。
床の張り替えといった見積書が必要な規模の場合は、費用だけでなく部材の種類や保証内容も確認しましょう。

この流れで依頼先を選べば仕上がり・価格ともに満足できるはずです。なお今回は不具合が生じ始める10年目ということで4つの部位を挙げましたが、さらに15~20年目には給湯器などの設備系に注意が必要になります。

2012/04/16