[コミュニティ座談会2]参加したい!手作りの自主イベントがウケている理由

理想的なマンション・コミュニティを探る座談会。今回は自主的にユニークなコミュニティづくりを行っているマンションをご紹介します。まちびらき、みんなでBBQ、アラサーお喋り会など、ユニークなコミュニティのお話が飛び出しました。

今回の研究担当


平生進一氏 株式会社メックecoライフ 取締役社長。三菱地所の商品企画部長として数々の分譲マンションを手がけ、現在はメックecoライフ社でマンション開発企画、及び既存マンションの環境・デザインに関する研究・提案を行う。

三輪弘美氏 三菱地所レジデンス株式会社 ブランド・CS推進部 リーダー。株式会社メックecoライフを兼務。マンション開発企画を経験し、現在は「ザ・パークハウス」のブランディングと住まいのエコを中心とした研究・提案も行っている。

藤本奈美氏 マンション・ラボ研究員 株式会社つなぐネットコミュニケーションズ

マンションは「まち」、「まちびらき」イベントで交流活性化

藤本 前回のコミュニティ座談会「マンション内のコミュニティについて」のアンケート結果を検証したところ、「コミュニティは必要だけど、あまりべたべたしたくない」という居住者の理想と本音が浮き彫りとなりました。その一方で、丁度いい距離感で楽しいイベントを開催しているマンションもあります。今回は、一つ屋根の下に住む集住マンションならではのコミュニティ例を紹介していきましょう。

三輪 三菱地所レジデンスのザ・パークハウスシリーズでは、外部のコミュニティ形成サービスの提供会社によって、コミュニケーションづくりをお手伝いする取り組みを行っています。こうしたサポート体制も、コミュニティづくりに役立っているようですね。

平生 我々デベロッパーとしても、最初の入居段階でコミュニティ形成をサポートすることで、将来的な交流につなげていただきたいと考えている訳です。たとえば、大規模な新築分譲マンションを新しいひとつの「まち」として考え、入居のタイミングで開催する「まちびらき」イベントがそうです。昔で言う「引越そば」を進化させた感じですね。

MINASIA 湘南ライフタウンの「まちびらき」イベントでは、「多肉植物の寄せ植えレッスン」や「ウォーキングセミナー」「こどものあそびコーナー」などバラエティに富んだ催しやブースが企画され、様々な世代の居住者が交流できる場になったようです。

MINASIA 湘南ライフタウンで開催された「まちびらき」イベントの風景。写真左:多肉植物の寄せ植えレッスン/写真右:こどものあそびコーナー

MINASIA 湘南ライフタウンで開催された「まちびらき」イベントの風景。写真左:多肉植物の寄せ植えレッスン/写真右:こどものあそびコーナー

「みんなでお肉を焼いて食べよう!」会費500円100人規模のBBQ

藤本 マンション=「まち」というのはわかりやすいですね。そうした取り組みに実際に参加されたことはありますか?

三輪 ミッド オアシス タワーズのBBQ大会に参加したことがあります。理事さんから「居住者全員で3連休にBBQをやろう!」という声が上がったのはいいけれど、全棟総数705戸の大規模マンション。共有部分のキッチンスタジオは小さすぎて使えないし、3連休で毎日100人もの方が集まったのに、敷地内の緑地も規約上使用できない。結局、お向かいにある販売センターの駐車場で全員でBBQを行いました。

楽しそうなBBQの雰囲気に隣の販売センターの来場者も興味しんしんでした、と語る三輪氏

楽しそうなBBQの雰囲気に隣の販売センターの来場者も興味しんしんでした、と語る三輪氏

藤本 凄いですね!(笑)

三輪 参加者は、部屋番号とお名前のシールを貼って、会費500円位で皆でお肉を焼いて食べるという、本当にシンプルなBBQでした。でも、そういう機会があるとないとでは、人間関係が全然違ってきますからね。皆さんすごく楽しそうでした。

藤本 それはいいお話ですね。

三輪 私達売り主側は、販売後の居住者の交流風景はほとんど見られないんですが、どんどん体験すべきだと実感しました。外部コーディネイターさんもおっしゃっていましたが、お正月やクリスマスなどの年間イベントより、「こういうのがやりたい!」と、居住者からリクエストされたイベントの方が盛り上がるそうです。

アラサー、アラフォー、アラファイブの女性限定お喋り会

藤本 実に共感できますよね。他にもユニークなイベントはありますか?

三輪 ミッド オアシス タワーズでは、レアなケースですと「アラサーのお喋り会」「アラフィフのお喋り会」という女性限定イベントがあります。同じ年代の方がどの棟に住んでいるのかわからない、なかなか知り合えない、ということから始まったイベントだそうです。同じ年代の女性同士、集まってただおしゃべりするだけなのですが、凄く好評みたいです。「30代や50代でやるなら、40代もやってほしい!」という声も上がって、さらに「アラフォーのお喋り会」もやったりして。

藤本 それも外部コーディネイターがアレンジしているんですか?

三輪 ええ。住民の要請を受けて頻繁にイベントを開催しているので、コーディネイターさんは、管理員さんよりも人気があるそうです(笑)。コーディネイターさんが、「1ヶ月で20日間もマンションに通いました!」っていうほど。

平生 コーディネイターさんが、暮らしの楽しみ面での管理員的存在になっているんでしょうね。すごいね。

藤本 「こういうことをしてほしい」と言う皆さんの声を聞いて、全体をまとめるというのは、外部のコーディネイターさんだからこそできる役割ですね。管理会社ですと、なかなかソフト面まで踏み込めないでしょうし。

自分たちでやるという当事者意識こそが、コミュニティ形成には重要、と語る平尾氏

自分たちでやるという当事者意識こそが、コミュニティ形成には重要、と語る平尾氏

平生 今の話、すごく象徴的ですね。コミュニティというのは、マンションを管理・運営するハード面でのコミュニティと、いまの例のようにコミュニケーションや人間関係構築のためのソフト面でのコミュニティの、2つあると思います。

藤本 平生さんのおっしゃる後者のコミュニティの役割というのは、いままで誰も体系的に考えてこなかったものですよね。実に新しい発想だと思います。

平生 僕は、コミュニティには、手作り感とか、自分達の手でやることが重要だと考えています。与えられた機会を楽しむだけじゃなくて、その楽しみを提供する側・企画する側に自分がまわることが大切なんだと。「私作る人、私食べる人」じゃなくて、「私、作りながら食べる人」って感じかな。

藤本 年代限定の女性お喋り会というのは、まさにそうですね。

次回は、防災、老齢者や子ども向けに特化したコミュニティについて話し合います。

2011/12/22