スマートスピーカーを使えば音声で家電を動かせるようになると聞いたのですが、本当にできるのでしょうか? それってどのくらい便利になるのでしょうか? スマートスピーカーに対応した家電製品に買い換える必要はあるでしょうか? ITに詳しくない人でも簡単に使えるでしょうか?
まとめて教えてください。
スマートスピーカーはインターネットにつながった「マイク付スピーカー」。音声アシスタント機能を搭載し、簡単にいえば、スマートスピーカーに話しかけると、それに応じて様々な仕事をしてくれる装置。
スピーカー単体では音声で答えることしかできませんが、スマートスピーカー経由で他の機器を動かすことができます。それができたら便利そうですよね。
たとえば、暑くてエアコンをオンにしたいとき、「よっこらしょ」と立ち上がってリモコンを探してスイッチを入れるより、部屋の適当な場所から「ねえグーグル エアコンをつけて」と言った方がずっと簡単です。
布団に入ってから「あ、リビングから光が漏れてる。消し忘れた」となっても、その場で「リビングの電気を消して」ですめば、「よっこらしょ」と布団から出て消しにいく手間がありません。
簡単なことなら、リモコンを探すより声の方がずっと簡単なのです。
まあ、家の中から「よっこらしょ」を減らすことができると思ってもらえればよいでしょう。
そんな家電環境(スマートホームと呼んでいます。賢い家、というようなニュアンスですね)を作るには、スマートスピーカーとつながる電化製品が必要ですが、実は、手持ちの製品でも簡単なコントロールならできるのです。
条件はひとつ、「赤外線リモコンで動作する機器」であること。
具体的な製品で説明した方がわかりやすいですよね。
そこで今回は、代表的なスマートスピーカーであるGoogle Homeを使ってエアコンをコントロールしてみましょう。
スマートスピーカーで既存の電化製品をコントロールするには、スマートスピーカーに対応した「学習リモコン」(スマートリモコンと呼んでいます)を使います。
スマートリモコンに「手持ちの電化製品のリモコン信号を覚えさせ」、それを音声でコントロールしようというわけ。
今回取り上げる「スマートスピーカー対応の学習リモコン」は「Nature Remo」(ネイチャー・リモ。リモコンの「リモ」です)という製品。得意技は「エアコンのコントロール」です。


「Nature Remo」は四角い小さなおしゃれな箱。外からはスイッチも何もなくて、シンプルで目立たないのがいいところ。ケーブルも電源用の1本だけですが、この中に「赤外線リモコン」機能が内蔵されています。
ふだん、エアコンを使うとき、リモコンを使って操作しますよね。というか、リモコンがないと操作できないといっても過言ではありませんよね。
Nature Remoはそのリモコンの代わりをしてくれるもの。
Nature Remoは広範囲にリモコン用の赤外線を飛ばしますから、部屋の中のよく見える場所に置く(軽いので壁に貼り付けるのがいいでしょう)のが基本。

まず、Nature Remoに家にある電化製品のリモコン信号を登録します。
登録にはスマートフォンを使います。
スマートフォンを使ってNature Remoにリモコンデータを登録し、Google Homeから音声でNature Remoをコントロールしようというわけです。
操作はスマートフォンの画面に従って行うだけですから、慣れていない人でも簡単にできます。
登録すると、こんな風に操作できるようになります。
スマートフォンの専用のアプリから操作すると、その信号が家のWi-Fiアクセスポイント(ルーター)を経由してNature Remoに伝わり、それを赤外線のリモコン信号にしてエアコンに伝え、エアコンが動くわけです。これがイメージできていれば簡単。

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最初にNature Remoと家庭のWi-Fiアクセスポイントを接続します。
スマートフォンに「Nature Remo」アプリをインストールして起動。
指示に従って、Nature Remoを家庭のWi-Fi環境に接続します。
それで第一段階終了。
次はエアコンをNature Remoに登録します。
操作は簡単。
Nature Remoは各社のエアコンのデータをあらかじめ持っているため、運転ボタンの信号を受け取ると、自動的に「どのメーカーのどのエアコンか」を判別してくれるのです。
すごく楽チン。簡単すぎるほどです。
あとはスマートフォンのアプリから操作してみましょう。
冷房・暖房・温度設定・風量など細かく指定できます。Nature Remoは温度・湿度計を内蔵していますから今の部屋の温度を見ることもできます。

これでスマートフォンからNature Remoを経由してエアコンをコントロールできるようになりました。
便利なのは屋外からでもインターネット経由で操作できること。
外出してから「あ、エアコンのスイッチをいれたままだった」と思った時にオフにする、逆に帰宅途中に「帰宅したとき部屋がむっとするとイヤだからエアコンをかけておこう」とスイッチをオンにすることもできます。
最近は、短時間の外出ならエアコンを付けっぱなしの方が電力消費が少ないという話もありますが、それも外出してから「切っとこう」とか「今日はつけたままにしておこう」と判断できるのはよいところ。
次に、Nature Remoとスマートスピーカーを連動させましょう。
スマートフォンをリモコンに使えるのは便利ですが、エアコンを操作するためにスマートフォンのアプリを起動するのは面倒なことがありますよね。
でも、声を出すだけなら手がふさがっていても、部屋のどこにいてもすぐにできます。暑いときは「ねえグーグル、エアコンの温度を下げて」といえば大丈夫。
目指す姿はこんな部屋。

ではGoogle Homeに連動させてみましょう。
まず、スマートフォンのGoogle Home アプリのメニューから「スマートホーム」を選びます。

続いて「デバイスの追加」から「Nature Remo Smart Home」を探して追加すればOKです。たくさんのGoogle Home対応デバイスがずらっと並んでいますから探すのが大変そうですが、アルファベット順なので「N」の項を見つければすぐ。
ちなみに、たくさんあっても日本で発売されているデバイスはまだ少なく、今後が期待されるところです。

そして画面の指示に従ってログインしてGoogle HomeとNature Remoをリンクすれば作業は完了。
「ねえグーグル、エアコンをつけて」に挑戦しましょう。
Nature Remoはエアコンを重視した設計になっていますから、音声で暖房や冷房、温度の調節ができます。
でもエアコン専用にするのはちょっともったいないですよね。
実は、一般的な「学習リモコン」と同様に、エアコン以外のリモコンでも学習させれば使えます。
今のところ音声でコントロールできるのは電源のオンオフに限られますが、それだけでもずいぶん生活が便利になります。
テレビのリモコンを登録してみましょう。
Nature Remoアプリから家電の追加を選び、テレビの電源オンオフを覚えさせます。

音声では電源コントロールしかできませんが、スマホアプリには電源ON・OFF以外にも簡素な動作を覚えさせておくと何かと便利です。ただし、エアコンと違い、ひとつひとつのリモコンのボタンを覚えさせる必要があるため、よく使う機能にとどめておくといいでしょう。


同様に、扇風機や照明(リモコンが使えるもののみ)など、他の機器も登録できます。
Nature Remoに新しい家電を登録すれば、電源のオンオフのみですがそのままGoogle Homeでも使えるようになります。
今のところ細かいコントロールはできませんが、離れていても音声でオンオフできるのは使ってみると便利です。



これでいつでも「ねぇグーグル、 扇風機つけて」や「ねぇグーグル、テレビを消して」と音声で動かせるようになりました。
スマートスピーカーが登場してからまだ数年(日本では1年も経っていません)。さらに家電製品をリンクさせるという使い方はもっと歴史が新しく、これからどんどん出てきて、機能も洗練され、音声で細かい指示ができるようになると思われます。
一足早く未来の家電環境を体験してみましょう。
● Nature Remo
(※本記事の内容は2018年6月13日時点の情報です)
2018/06/13