マンションライフは、リフォームでもっと自由になれる!カリフォルニア工務店に学ぶ、マンション空間との付き合い方って?

少しのアイデアと勇気があれば、マンションはもっと楽しくなる!

郊外型のニュータウンから都心部のタワーマンションまで。ニッポンに点在するマンションは、実にさまざま。それぞれのマンションには、それぞれの多種多様な個性があるものです。けれど、今私たちが暮らすマンションという住空間には、本当に“自分らしさ”があるといえるのでしょうか?

隣の部屋とほとんど変わらない画一的な間取りや、シンプルで機能的だけど、どこか無味乾燥な印象の空間デザイン……。「ま、マンションってそういうものでしょ?」なんて、ついつい諦めてしまっていませんか? いえいえ。今、マンションは自由に、楽しく進化中なのです!

というわけで、今回はマンション空間を“もっと自由に、楽しく”するためのアイデアを探るべく、東京都目黒区の建築事務所「カリフォルニア工務店」を直撃! その名の通り、西海岸カルチャーの空気感漂う住宅や商業施設を数多く手がける同社は、サーフィンやバイク、アウトドア……など、趣味やライフスタイルを取り入れた空間設計が大の得意。マンションの中古リノベーションやモデルルームの設計なども行っています。

さて、同社でチーフデザイナーを務めるのが、一級建築士の岩切剣一郎さん。サーフィンやバイク、車、音楽……など多彩な趣味を持つ岩切さんに、現在のニッポンのマンションライフについての印象を伺うと、「本当は、もっと自由にマンションを遊んでもいいと思うんですよね」と言う答えが返ってきました。

「カリフォルニア工務店」チーフデザイナーの岩切剣一郎さん。その名の通り、西海岸カルチャーの空気感満点のデザインが魅力の「カリフォルニア工務店」。岩切さんたちのモットーは「僕らにしかできない空間づくりだけをすること」。

岩切さんが考える“もっと自由に”とは、どういうことなのでしょう。

「ちょっと大きな視点で考えれば、『ウィークデーは都心のマンションで暮らして、週末は海の近くでサーフィンする』なんて暮らしがあってもいいし、ライフステージにあわせて住み替えを考えてもいい。

もう少し小さな視点で言うなら、自分が暮らしている空間にもっと手を加えてもいいと思うんです。『マンションライフはこうあるべき』なんて固定観念にとらわれず、もっと自由な発想で住まいを遊べると楽しいんじゃないかなって思います」

戸建てに住む、賃貸に住む、実家に住む……など、住まいには多様な選択肢があるもの。そのなかでマンションという空間を選ぶこと自体が、そもそもひとつのライフスタイルなのだ、と岩切さんは言います。

さらに、駅に近いロケーションやセキュリティ面での安心感、設備の管理の楽さ……など、マンションならではの利便性はたくさんあるけれど、そうした利便性を享受するために必ずしも“自分らしさ”を諦める必要はないはずだ、とも。

「ほんの少し手を加えるだけで、部屋の空気感はがらりと変わるものです。たとえば蛍光灯のシーリングライトを味のあるペンダントライトに変えるだけで全然雰囲気が違うし、カーテンや壁紙などの面積の大きい部分を自分好みにすれば、空間の印象はまったく異なります。

時々『壁に穴を開けていいかわからないから、アートのひとつも飾れない』なんて話を聞くんですけど、きちんと考えれば必ず解決策はある。まずは勇気をもって、部屋に手を加えてみることが、自分らしい空間をつくるためのコツだと思います」

住まいに手を加えて、自分らしい空間をつくる。とても楽しそうに思える反面、正直「失敗したらどうしよう」なんて躊躇してしまうのも事実なわけで……。

「いやいや、大丈夫。たとえばカリフォルニアやハワイのホームセンターには、家のパーツや塗料、工具などがすごくたくさんある。つまり、あっちの人は普段から住まいに手をかけているし、それが当たり前なんですよね。

一方、日本だと僕らの親の世代はそういうことをあまりしなかったから、僕らの世代もどうやっていいかわからないし、怖いのかもしれない。けれど、実際にちょっとやってみれば、思ったよりも難しくないし、お金も掛からないことがわかるはず。もちろん、自分で手を加えるのが難しい場合は、僕らのようなプロに頼んだっていいわけです。

とにかく『マンションってこんなもの』と諦めてしまうのではなく、ちょっとずつでも自分らしい空間をつくった方が、絶対に楽しいし、愛着を持って住める心地よい住まいができあがるはずですよ」

「カリフォルニア工務店」では、気軽にDIYを楽しむためのパーツやインテリアなども販売。岩切さん曰く「部屋をかっこよく見せるための基本は、整理整頓!」。

カリフォルニア工務店 公式サイト
http://add.ei-publishing.co.jp/

見せ方次第で、ここまで変わるの!?カリフォルニア工務店が手がけたマンションリフォーム事例に潜入!

「カリフォルニア工務店」がリフォームを手がけた横浜市のマンション。なんと、このカウンターブースはもともと和室だったそう!LDKと寝室を隔てるドアは、アンティークのものに変更。

続いては「もっと自由な発想で住まいを遊べると楽しいはず」という岩切さんの真意を確かめるべく「カリフォルニア工務店」がリフォームを手がけたマンションに潜入!

横浜市都筑区の閑静な住宅街に位置する物件は、一見、ごくごく上品な“普通”の低層マンション。しかし、一歩室内に足を踏み入れると、そこには絶大なインパクトを放つ、唯一無二のロックでファンキーな空間が広がっていました。

パンチのある紫色の壁には、スケボーに家族三人の干支をペイントしたアートが。作品を手がけたのは小西さんの高校時代の同級生の高木耕一郎さん。サンフランシスコのアートスクールに学んだ高木さんは、現在世界を舞台に画家として活躍中。ビームスやポール・スミスなどのアパレルブランドとのコラボレーションも行っているそう。

住まいの主は、岩切さんと古くからの知り合いだったという小西さん。家族三人で暮らす住まいは、築10年ほどの中古マンションを購入後、「カリフォルニア工務店」でリフォームしたもの。75㎡ほどの風通しの良い空間を見渡せば、スノーボードや音楽を愛する小西さんらしさがそこここに垣間見えます。

「最初は新築のマンションの購入を考えていたのですが、いろいろ考えた結果、中古マンションをリノベーションして住むことに。新築よりも予算を抑えられた分、自分たちらしい住まいをつくれることも魅力でしたね。

岩切さんとは昔から友だちでしたし、趣味やノリが近いこともあって、すごく信頼感がありました。デザインやインテリアはほとんど『カリフォルニア工務店』さんにおまかせしました。リフォーム前とは全く雰囲気の異なる空間ですが、家族みんながすごく気持ちよく暮らしています」と小西さん。

というわけで、ざっと小西さん邸を拝見しましょう!

広々としたリビング。テレビボードの奥の壁には味のあるレンガを貼っています。本棚の奥の鮮やかなグリーンは、小西さんの知人が宿泊したオーストリアのホテルの内装をモチーフにしているそう。

既存の空間を活かしつつ、カウンター周りに貼った古材や紫の壁紙などで住まい手らしさを実現!

主寝室はご覧の通り、ボーダー柄! 白いクロスの上からネイビーの塗装を施しているだけなので、気分が変われば塗り替えることも可能!

娘さんの主寝室もインパクトのある壁&カーテン。「面積の大きいところを変えると、印象ががらりと変わる」という岩切さんの言葉通りの空間です。

というわけで、“いわゆる普通”のマンションとは、まったく趣の異なる小西さん邸。住まいに一歩足を踏み入れただけで、住まい手の個性やライフスタイルがひしひしと伝わってくるデザインですが、やはりここまで手を加えると、相当お金もかかるのでしょうか?

「実はそんなことないんですよ。というのも、リフォーム時に大きく手を入れたのは、和室だった空間をカウンター+ストックに変更したくらい。そのほかは、既存の設備を活かした表層部分だけのリフォームに留めているんです。詳しい金額は秘密にして置いてほしいんですが、大体○○○円くらい……」

ええ~!! ここまで空間の雰囲気をつくり上げておいて、それだけの金額とは!! やっぱり、ちょっとした勇気とアイデアがあれば、唯一無二の生活空間は手に入るのかもしれません! みなさんも、今週末あたり、まずはちょっとしたDIYから自分らしい空間づくりをはじめてみてはいかがでしょうか?

カリフォルニア工務店

取材協力「カリフォルニア工務店」
http://cal-co.jp/

東京都目黒区中根1-24-1
TEL.03-6459-5071

2014/05/19