映画『グリーン・カード』の温室付きアパートに登場する植物たち

植物が印象的に使われている映画をご紹介しつつ、そこに登場する植物の育て方や手入れ方法を紹介するシリーズです。

友人と食事する温室シーン、室内のあちこちに飾られた印象的なグリーン

少し古い映画ですが『グリーン・カード』は、植物好きな女性にはまさに理想のグリーン・インテリアではないでしょうか? 温室付きのメゾネットというのも、いかにもニューヨーク的です。

植物を愛する主人公は、見ず知らずの男性と偽装結婚してまで、テラスに温室が付いている独身者禁止のアパートへ入居します。このアパートは、居住者による入居審査があるのですが、その面接で彼女は、温室の植物がどんな状態でどう手入れをしたらいいのか、スラスラと答えて、入居審査にパスします。

映画では、クラシックな小さな温室に友達を招待して食事をしたり、室内のあちこちにさまざまな植物が飾られていたり、マンションのインテリアにも取り入れられそうなアイデアがあります。

GREEN CARD

独身者は入居不可という厳しいルールが定められている温室付きアパートメントに住みたいNY市の公園課職員の女性ブロンディーは、グリーン・カード(永住権)がほしい自称作曲家のフランス人男性ジョージと、偽装結婚をすることに。

手入れが行き届いていなかった温室付きのメゾネットは、植物を愛するブロンディーのおかげで緑あふれる部屋に。ところが植物に興味がないジョージは、研究用の植物を引っこ抜いて、食べられるトマトや野菜を植え始めて、彼女の怒りを買います。趣味も嗜好も異なる二人はやがて…。
DVD『グリーン・カード』 出演:ジェラール・ドパルデュー、アンディ・マクドウェル/監督:ピーター・ウィアー/製作:1990年(ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント)/amazon(http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0001URNQI/

シェードガーデンで実現する、映画『グリーン・カード』の世界

映画では、クラシックな温室が印象的でした。数十種類以上の植物が登場しますが、アンスリュームやブロメリア、通好みのシダ類が多かったですね。中には、日本人に馴染みの深いハランもありました。フランス人の偽装結婚相手が勝手に植え始めた野菜類は別として、映画に登場した代表的な植物を紹介してみましょう。

半日陰や日陰を好むシダ類やカラフルな葉色の植物などをアレンジして、シェードガーデンとして、マンションのバルコニーで構成してみるのもいいかもしれません。

ハラン(ユリ科)

寿司や和食でよく使うハラン(葉蘭)は、おしゃれな観葉植物として欧米人に人気です。垂直の茎は、地際でカットすると根元からまた生えてきます。写真は、白い斑入りタイプのハランです。北側の窓でも問題なく、育てやすく手入れも簡単です。

チャメドレア(ヤシ科)

映画では同じヤシ科のセフリジでしたが、こちらもテーブルヤシの品種のひとつです。ボリュームがあって、生い茂った姿が美しく、映画でも印象的でした。チャメドレアはあまり大きくなりすぎないのでマンションにはよいでしょう。大きめのものがよければ、ケンチャヤシやアレカヤシなどがあります。明るめの場所で、乾いたら水をあげるようにすれば、比較的育てやすい品種です。

アンスリューム(サトイモ科)

光沢のあるハート型の額と中央に黄色の花が艶やかなアンスリューム。着生植物ですので、培養土などは使わず水苔やハイドロボールなどで植え込んであります。十分な日当たりが必要なので、置く場所に注意してください。

アジアンタム(ワラビ科)

ふさふさとした小さな葉が生い茂った姿のアジアンタムの中でも、これは葉が大きいタイプです。シダの仲間で、ハリガネのような細く黒い茎をしています。乾燥に弱く、水分が不足すると葉がチリチリになってきますので、その場合は切り戻してください。

ストレリチア(バショウ科)

ゴクラクチョウカ(極楽鳥花)の名前でもよく知られているストレリチアは、オレンジの鳥のクチバシのような花が咲きます。たっぷりと日光に当てて育ててください。

ストレリアチア オーガスタ(バショウ科)

大きな葉模様が美しく、3メートルほどの大きさに育ちます。寒さにも強い植物ですが、日当たりのよい場所で育てます。存在感があるので、インテリアにはぴったりですね。オーガスタは、皇帝ニコライ一世の名からとられたそうです。

アビス(チャセンシダ科)

波打った葉が個性的なアビス。新芽はくるくる巻いて生えてきます。真夏の直射日光に当てると葉焼けをおこします。高温多湿を好みます。

アスプレニウム アンティーカム(チャセンシダ科)

タニワタリという和名もあります。室内の明るい場所で育てます。多年草で、日本や台湾産のものが多いです。

カラテア インシグニス(クズウコン科)

葉の表側には矢羽根のような斑入り、葉裏は赤紫の、個性的なスタイルです。根元に白い花が咲きます。育てやすく、雰囲気のある植物です。

カラテア マコヤナ(サトイモ科)

濃い緑と薄い緑の二色で描く葉模様が個性的です。半日陰の風通しのいい所で育てます。このように大きな葉は、霧吹きなどで水分を与えてください。

カラテナ トリオスタ(クズウコン科)

ピンクがかったクリーム色と緑、葉裏の赤のコントラストが鮮やかなカラテナ トリオスタは、夜になると葉を閉じるユニークな観葉植物です。

エキスナンサス(イワタバコ科)

木や岩に張り付いて育つ着生植物。これはぶら下がりタイプのものです。鮮やかな赤い花を咲かせます。直射日光には弱いので半日陰で育てます。

オシダ ドリオプテリス(オシダ科)

涼やかな雰囲気が夏場の寄せ植えなどでもよく好まれます。乾燥に弱いため、室内では加湿を重点的に行ってください。

カザリシダ(ウラボシ科)

大きな葉が横に伸びてボリュームが出ます。水やりは土が乾いたら与えます。半日陰を好みます。

スパティフィラムメリー(サトイモ科)

白い花びらのように見えるのが仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ぶ部分、花は、中央のひも状のコーンのような部分に多数付きます。白い苞と緑の対比が美しい。

クワズイモ(サトイモ科)

丸い根元が特長的なクワズイモ。大きな葉は、傘にできるほどのサイズに成長します。明るい日の当たる場所で育てます。真夏の直射日光は葉が焼けてしまうので要注意!


この他にも、形状がユニークなビカクシダ、ソテツ、シダ類でもかなり大きなディクソニアなどが登場していました。シダ類は好き嫌いが二分する植物ですが、うまくインテリアに取り込めればかなり上級者のグリーン・インテリアになるはずです。一度試してみてください。

2014/03/18

プロフィール

寺井 通浩

東京都渋谷区上原にある、フラワー&グリーンショップ「からならの木」のオーナー。「植物と暮らす」をテーマにガーデニングやディスプレイを手がける。月に1回花の教室も開催するほか、個人宅のコーディネート相談も受け付ける。


ブログ村「バルコニーガーデンブログ」ランキングに参加しています