住みなれた街に住みつづけるために、シニアリノベーションという考え方

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古い住宅の機能や価値を再生して快適な暮らしを実現するリノベーションが人気です。そこで今回ご紹介するのは、シニアリノベーション。大人のための快適な住まいづくりの工夫について、実際にリノベーションされたお部屋をもとに学んでみませんか?

機能性と美しさを兼ね備えた、新しいスタイルのシニアリノベーション

シニアになると、いままで通りの住まいではなにかと不自由なことが起こってきます。

たとえば古い団地などの場合には、

・部屋の明るさが足りない
・小分けした間取りのため、日中も室内が暗い
・室内の段差が多い
・お風呂に手すりがない
・トイレが寝室から遠い、トイレが寒い
・エレベーターがない

ちょっとした不自由さを我慢して暮らしているうちに、大きな事故の要因にもなりかねません。シニアの事故は、室内で起こることが多いという統計もあります。風呂場での事故や室内の段差で躓いて、そのまま寝たきりになる人も多いそうです。

だからといって、バリアフリーだけを優先して、無骨な手すりやスロープを設置すればいいというものではありません。シニアの住まいも、しっかりとしたデザイン設計と動線計画が行われた、美しいものであってほしいものです。年を取ったからという理由だけで、日々住まう部屋の美しさまで諦めたくはありませんよね。

今回ご紹介する、一社)ケアリングデザインが手がけた築30年の団地のシニアリノベーションは、シニアご夫婦向けに、機能性と美しさを兼ね備えた住まいの提案が行われています。

いつまでも自分らしく心豊かに暮らす住まい方を実現するために活動している 一社)ケアリングデザインは、これまでにもさまざまなシニアリノベーションを手がけている団体です。
マンション・ラボでも以下の記事でその活動をご紹介しました。

50歳から考える、90歳までの住まい方「シニアリノベーション」

では、ケアリングデザインが新たに手がけたモデルルームを見学して、シニアリノベーションのポイントについて学びましょう。

穏やかな時間が流れる、都会の真ん中の団地・品川八潮パークタウン

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ケアリングデザインがシニアリノベーションを手がけたのは、築30年の品川八潮パークタウン54号棟の63㎡の1室です。こちらの棟は14階建てのエレベーター付き。

品川八潮パークタウンでは、70〜80㎡の居室が最も多く、広い部屋では100㎡のものもあり、63㎡は一番小さい部屋となっています。

品川八潮パークタウンにお住まいのシニアは、いままで住んでいた低層の広い部屋から、エレベーターのある快適な部屋に住み替えたいというニーズが増えているそうです。

品川駅から路線バスで20分程度。羽田空港へもモノレールで30分以内。都会の真ん中にある品川八潮パークタウンは、昭和58年にまちづくりが始まった、約6,000戸のマンモス団地。

大井ふ頭中央海浜公園にも隣接した緑溢れる環境、アクセスのよさ、教育施設や医療施設も充実していることから、昔から住む住民は、高齢になっても友人・知人がいるこの団地に住みつづけたいと願う人が多いそうです。

また、保育園や幼稚園、区立の小中一貫校や図書館などの教育環境が整っていることや品川区の子育て支援策もあって、最近は若い子育て世代が住み替えてきており、多世代が住む住環境となっています。30年前のゆったりした配棟、緑多い環境は、子育て世代には得難いものですね。

そういえば品川駅からパークタウンへ向かう路線バスの車内で、小さいお子さん連れのお母さんたちと、そのお子さんを慈しみ深げに見守るシニアの方々を見かけました。子育てしやすそうな、いい雰囲気の街です。

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2016/03/29