2020年マンションの理事会や管理に関するアンケートレポート

「マンションは管理で買え!」って言われているけれど、実際住んでいる人は管理のことをどう思っているの? 実は理事になるのがイヤだと思っていない? 理事になってよかった?
マンション居住者の気になる本音をアンケートで解き明かします。

アンケート概要
アンケート名 マンションの理事会や管理に関するアンケート
実施期間 実施期間 2020年8⽉20⽇(⽊)〜2020年9⽉7⽇(⽉)
調査方法 インターネットリサーチ
回答数 2,529名

引用の際は、こちらからマンション・ラボまでご連絡ください

(※)グラフの数字は、小数点以下第2位を四捨五入しているため、回答比率の合計が100%にならない場合があります。

●自分のマンションは「管理面での資産価値が高い」と思っている人は約47%

[Q]現在お住まいのマンションの管理面での資産価値をどのように評価していますか?近隣マンションと比べての印象をお選びください。
(n=2529)

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自分が住んでいるマンションの「管理面での資産価値が高い」と評価している人は46.9%と、全体の半数近く。その理由は…

管理組合の運営状況がよい。

過去に理事を担当した方々が、退任後も委員会という形で運営に関わっているため、資産価値を維持するという、全体としての意識が継続されている。

購入時に比べて、最近の当マンションの販売価格が1.5倍くらい上昇している。

防災対策優良認定マンションや管理適正化診断を受けて高い評価を得ているから。

一方、「どちらともいえない」「低い」という人の合計は過半数。以下のような理由でした。

立地上、資産価値は高いが、それをどれだけ維持できているかわからない。

総会に出席する住民が少ない。比較的新しいのでまだ問題はあまり起きていないのはいいが、管理組合に興味のある人があまりいない様子。

築50年、耐震補強が必要。

築25年を過ぎ、居住者の高齢化が進み、今後高齢化対策が重要になると思うから。

資産価値を左右する駅近という立地条件や築年数は変えようがありませんが、「管理面での資産価値が高い」と評価している人は、管理組合の運営やメンテナンス状況、第三者的な評価が資産価値を高めると考えているようです。

●総会に出席している人は約48%、管理組合の活動への関心度は低い

[Q]マンションの総会には出席していますか?(n=2529)

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さらに興味深いのは、総会に出席している人の率48.4%と、管理面での資産価値が高いと評価している率46.9%がほとんど同じという点です。マンションへの関心度が、資産価値への評価も左右しているのでしょうか?

総会に「ほとんど出席していない」「まったく出席していない」という人は51.6%。また、現在の理事会役員メンバーの構成をまったく知らない人は49%。またこの設問とは別に、いま理事会でどんな議案が検討されているか知らない人は47%。

やはり半数の人は、マンションの管理を担う管理組合活動への関心が薄いといえそうです。

●管理面での課題は、「マナー」「コミュニティ」「無関心」がトップ3

[Q]現在お住まいのマンションの管理面で、課題に感じていることがあればお選びください。
(複数選択可)
(n=2529)
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マンションの管理面で課題に感じていることのトップ3は以下です。3位に「マンション管理への無関心」が入っています。

1位 居住者のルールやマナー違反が多い
2位 マンション内のコミュニティが希薄
3位 居住者がマンション管理に無関心

また、現在理事会で検討されている議題では、やはり大規模修繕工事を中心に、以下のようにマンションならではの課題が並びます。集住のマンションは、管理組合で決めるべきことが多いのは仕方がないこと。こうした課題の解決策を検討するのが、理事会の重要な役割です。

管理規約の全面改訂、長期修理計画案の検討

大規模修繕の施工業者の選定

空き駐車場の活用方法

ネット回線業者の見直し

新型コロナウイルス対策

機械式駐車場の更新の是非

共有部の置き自転車の対応

●約56%が理事になることに不安を感じている!その理由は「拘束時間」

[Q]マンションの理事会役員になることに対して、不安はありますか?
(n=972)

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理事未経験者972名に対して、理事になることへの不安を聞いてみたところ、「理事になることに不安を感じている」人は56.1%と半数以上。「まったく不安はない」という人は約4%に過ぎません。

[Q]不安な理由を教えてください。
(複数選択可)
(n=545)
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不安な理由の上位3位には、以下のようなコメントがありました。

1位 時間が拘束されそうで不安

理事会への参加で時間を拘束されそうなのが心配。

仕事があり、日程・時間によっては難しいから。

採決がいつまでも決まらず、コロナの不安もある中で、集まりだけがダラダラと続きそう。

2位 理事会の業務内容がよくわからないのでできるかが不安

理事会に参加したこともないし内容もわからないので、まったく自信がない。

管理組合について、難しいことがわからないので、きちんと仕事ができるか不安。

3位 面倒な仕事を押し付けられそうで不安

住人間のトラブルなど、面倒なことが起きそう。

これから大規模改修工事について議論されるのでいろいろ面倒。

「理事会の活動は面倒そうで、あまり興味もないので、やる気が出ないのではないかと思う」というコメントに代表されるように、まだ理事未経験ということもあり、理事の仕事や責任に対してネガティブな印象になっているようです。

理事の時間拘束の長さは、理事会の課題でもありますが、オンライン理事会やグループウェアを導入して効率化を図っている管理組合の事例もあります。

▼コロナ禍をきっかけに効率化にも成功したオンライン理事会とは?
初心者でもカンタン! Zoomを使ってオンライン理事会をやってみよう!
▼管理組合支援グループウェアを活用して効率化に成功した事例
マンション管理支援ツールを使って成功した事例を紹介します

●経験者に聞く「理事になってよかったこと」

理事・理事経験者にその感想を聞くと、理事として参加したことで、マンションへの理解が深まったことやマンション内に友人・知人ができたことを挙げる人が多く、一度経験するとかなり好感を持って対処でき、マンションへの理解が深まることがわかりました。

マンションの管理状況(財務、設備、建物本体、植栽、保守など)がわかるようになる。

理事会を自分の事としてとらえられるようになった。

理事会をきっかけに、住民間のコミュニケーションに価値観を感じることができるようになった。理事会が大変だった分、自分が成長することができた。

普段話すことのない住人と理事会で話ができ、マンション内の課題も知ることができた。

会合やイベントを通してチームとなり、理事同士の付き合いが良好になった。

理事会やイベント(消防訓練、お祭りなど)の運営が大変だということがわかった。理事会がマンションの資産価値を上げるために努力していることに、驚きと感謝の気持ちを持った。

中には「理事長をやったおかげでマンション管理士になった」「防火管理者の資格をとることができてよかった」という人もいて、その向上心に驚かされました。

もちろんいいことばかりではないでしょうが、やはり自分が住んでいるマンションです。「大変なこともあるが、マンションの財政や管理などをいろいろ知ることができるからやったほうがいい」というアドバイス通り、やってみることが重要ですね。

▼理事になって良かったことは「地元が倍楽しくなった!」という元理事の体験談もご覧ください。
マンション理事のぶっちゃけ本音シリーズ①「週末の釣りができないじゃんか!(怒)」~山本さんのケース~

理事となって、理事会の運営に貢献し、管理組合の一員としてマンションを管理するのはとても大切なことです。不安を感じていても、輪番制なら必ず役割を果たす必要があります。
そのためにも、理事ってどんなことをするのか、その仕事内容を知っていることも大切ですね。

みんなで、管理の行き届いた住み心地のいいマンションづくりのために協力していけば、それが結果的には資産価値の向上につながるに違いありません。

2020/10/15