マンションの共有設備・施設をニーズに合わせて有効活用するには?

マンションの共用設備や施設は、マンションライフを便利で心地よいものにしてくれます。ただ、築年数の経っているマンションでは、家族構成や住民の年齢の変化により、利用されなくなる施設や設備が増え、その活用方法の見直しを求める声もあるようです。
そこで今回は、マンション居住者約2,500名に、経年により使用されなくなった共用施設・設備を有効利用するための事例やアイデアをうかがいましたのでご紹介します。

アンケート概要
アンケート名 「マンションの共用設備のニーズ」に関するアンケート
実施期間 2020年2月14日~2020年3月1日
調査方法 インターネットリサーチ
回答数 2,459名

引用の際は、こちらからマンション・ラボまでご連絡ください

(※)グラフの数字は、小数点以下第2位を四捨五入しているため、回答比率の合計が100%にならない場合があります。

共用施設・設備、改修してこうなりました!

現在住んでいるマンションの共有施設や設備で、改修されたものの有無をうかがったところ、約1割の方が「改修された施設・設備がある」と回答されました。

Q.現在お住まいのマンションにある共用施設や設備、サービスの中に、別の用途や目的のために改修されたものがあれば教えてください。
例:あまり使われていなかったペットの足洗い場を防災備蓄倉庫に変更した、など
(n=2490)
グラフ読み込み中...

では、実際にどういった改修が行われたのか、施設・設備に分けて事例をご紹介します。

【飲食サービスについて】

テナントでパン屋が入っていたが、自動販売機コーナーに変わった。

コミニティカフェ(レストラン)からコンビニに変更。

有料マッサージが使用頻度から廃止。有料コーヒーサービスの廃止。

自動販売機の売り上げが良くなく、管理費が嵩むので、撤去した。

パン屋→イートインスペース。

【駐輪場・バイク置き場について】

バイク置き場の一部を駐輪場に変更した。

ミニバイクの駐輪場を電動自転車や貸し出し倉庫に転用された。

自転車置き場が不足し、駐車場の一部を改修して自転車置き場にした。

子どもの遊び場を駐輪場に改修。

最初は公園があった。いつのまにかバイク置き場になっていた。

駐車場下の空きスペースをバイク置き場の増設。

【駐車場について】

車転回スペースをカーシェア駐車場にした。

何もないスペースを来客駐車場にした。

キッチンガーデンに利用者がいなくなり駐車場に変更。

立体駐車場を平面にした。

余った駐車場を来客駐車場として扱う。

駐車場の一部がEV用充電設備に改修された。

植栽を改修し来客駐車場に 。

築20年後に自転車置き場の利用率が相当下がったので、部分的に平置き駐車場13台分に改修した。

機械式駐車場を一部解体した。

【カーシェアリングについて】

カーシェアリングがなくなった。

竣工当初、マンション専用カーシェアリング1台が整備されていたが、利用数が少なく廃止。のちにそのスペースは来客用の駐車場となった。

【プレイルーム等について】

卓球が出来るようになった。

ママラウンジが勉強ルームに。

リラクゼーションルームが、自習室に変更。

AVシアタールームを、楽器演奏も可能な部屋に。

シアタールーム(ほかに転用)。

【託児所について】

使われなかった託児所が、有料のスペースになった。

保育所が利用者減で廃止になり、集会所になった。

託児所→会議室。

キッズルームが少子化で閉鎖された。

託児所をキッズルームへ。

保育所があったが業者が撤退し再開できなかったため、集会所とジムと防音ルームとゲストルームに改修した。

【集会室について】

集会室テレビ設備(210x120cm)。

カフェラウンジを集会場に変更。

住み込みの管理人住居スペースを集会場に改修した。

【浴場について】

ジャグジーの利用者が少ないため無くした。

ジャグジーや脱衣場の一部が防災用備品倉庫として使われている。

ジャグジー→物置。

【防災対策について】

キッズルームを集会場や備蓄倉庫にした。

マッサージ出張所が防災備蓄所に変わった。

あまり使われなくなった託児施設を防災備蓄倉庫に変更した。

水道が直結になったためポンプ室が不要になり、防災備蓄倉庫に改修されました。

防災倉庫が無かったので、設置した。

ゴミステーションを改修し駐輪場、防災倉庫に。

【貯水槽について】

古い貯水槽を廃棄して、直接水道が立ち上る配管になった。

不要になった貯水槽を壊して駐輪場にした。

もともと調整池の場所に整備されていたテニスコートが廃止に。(利用者減のため)。

【その他】

植栽からマンション専用ごみ置き場(無かったのが信じられない)。

AED設置。

なにをつぶしたかは覚えてないが、管理会社の方の更衣室に変えた。

噴水があったのですが、あまり必要ないとわかり更地になりました。

防犯カメラの増加。

LED電球に替えた。

自動販売機や飲食店については、周囲の環境変化と共に、利用状況が変わっていく場合もありそうです。託児所は、少子化に伴い利用者が少なくなり集会所や有料の共有スペースになっていった背景がうかがえます。逆に増やしているものは、防災備蓄に関するもの、駐輪スペース・駐車スペースが多く見られます。利用者が限られる施設よりも、日常に密着したスペースや、増加する自然災害への対策を優先する傾向がうかがえます。AEDの設置やLED電球への変更など、時代の変化に合わせて、共有設施設や設備の適性を見直して変更されているようですね。

共有施設の有効活用アイデアとは?

続いて、マンション共⽤施設の利⽤活性や転⽤についてのご意⾒・アイデアをいただきましたのでご紹介します。

【施設の予約方法について】

施設予約(特に来客用駐車場)がネット予約&カード決済ができればいいと思う。

ゲストルームや多目的ルームなどの予約がコンシェルジュじゃないとできないので、わざわざ降りていかないとできないし、コンシェルジュがいる時間帯にしかできないので、ネット予約できると状況も確認できてよいと思う。

【集会室について】

エントランスにちょっとした会議スペースがあるが、狭いので使いにくい。もっと実用的な広さにしてほしい。

集会室があるが全然使われている様子がないので、シェアオフィスにでも転用した方がいいと思う。

【ゲストルームについて】

ゲストルームの稼働率が低い。住民が困らない範囲で、外部への貸し出しを行っても良いと考えます。

キッチンスタジオがあるが、全く利用されていないので、ゲストルームにでもした方が良いと思う.

【駐輪場・自転車について】

電動自転車の普及にあわせて、駐輪場を改修し2階建て駐輪場を減らしたり、駐輪幅を広げたりする工夫があるといいと思う。

シェアカーよりもレンタル自転車があった方が、実用的だと思う。

バイクの利用者が減っており、バイク置き場を自転車駐輪場として転用するのを増やす検討をするのが良いと考えています。

やたら広くて現在使用していない粗大ごみ置き場や、日当たりが悪くて植物が育たない無駄な植栽スペースがある。駐輪場が足りていないので、臨時の駐輪場などに転用できないのかと思う。

【駐車場・車について】

駐車場が余りつつある。時代はシェアリングに変わりつつある。駐車場の外部シェアリングも検討すべき

立体駐車場のマスが小さくて最近のクルマが入らず、必要としている人が使えず外で借りている一方借り手のつかない駐車場が空いていて非効率

ゲスト用駐車場が1台しかなく、土日は争奪戦になっている。有料で良いので、増やしてほしい。

管理組合を法人化して空き駐車場を区分所有者以外に貸し出す。

駐車場の空きが増えているので、トランクルームを設置してほしい。

【共有施設の活用方法について】

マンション内にショップがあったが、近隣に店が増えたことで利用者が減り、閉鎖した。管理組合はその跡の再利用に消極的で、テーブルと椅子を置いただけで談話室にしているが、もっと住人同士がコミュニケーションをとれる形にしたらいいと思う。お知らせチラシを置けるラックを作って、同好会や地域のイベントチラシを置いたり、住人同士の掲示板をアナログ的に作ったり、曜日と時間を決めてもくもく会をするなどして、もっと活用したらよいと思う。

カルチャースクールなどのレッスン会場として、施設を有料で開放してもよいと思う。(講師または開催責任者は住民とする)。

マンションの中にもいろいろな資格を持った方がいるので、安い料金で学ぶ講座などができると良い。最初のころ共用施設でこども空手教室などが行われていて良いと思ったが、いつの時期からか月謝をとるようなイベントはダメと決まったようで、出来なくなってしまった。もっとおおらかにできるといいと思う。

概ね後期高齢者75歳以上の方々が、今日用、今日行く(教養、教育)所があるようにマンション内に施設があれば良いと思う。引きこもりを減らすことが賑わいの創造になる

【その他】

生活必需品としての共用施設(ゴミ捨て場・駐輪場・宅配ボックス・防災関連施設など)は必要と思うが娯楽関係は遅かれ早かれ不要になってくると思う。逆に駐輪場は、特にファミリータイプのマンションではだいたい1世帯2台で計算されて作られているものが多いように思うがいずれ足りなくなると思うし、またゴミ捨て場も手狭になる可能性があると思うので、娯楽関係の共用部を作るとしたらそういう施設に転用しやすいシンプルな作りにしておくとよいのでは?と思う。

少し違うかもしれないが、館内wi-fiはとても重宝している。(中略)ときどきエレベーターの待ち時間が長いという苦情があるようだが長いと言っても1~2分程度のことだと思われ、実害があるほど遅いわけではあるまい。手持無沙汰だから長く感じる人が多いのだろうからwi-fiが入るようにすればエレベーターを高速にするよりずっと安価で有効な対策と思われる。(中略)メールや交通情報など出がけにちょっと確認したいものがエレベーターの待ち時間に見られたら便利だし、遅いという苦情も減るのではないか。

まとめ

いかがだったでしょうか。

具体的な事例に、思わず深くうなずいてしまいますね。

住み始めたころは活用していた共有施設も、家族構成や年齢の変化で使わなくなりますが、それらをうまく転用できることがわかりました。実際の意見をみてみると、管理組合には、住民のライフステージの変化に合わせながらも、時代を反映した共有施設・設備への検討が求められているようです。また、単に設備を置いて終わりではなく、利用方法を柔軟に設定することで、その場の価値が向上するようにも思えます。「こうなったらいいな」を実現できる一手を考えてみたいですね。

(文 Loco編集部)

2020/04/01