マンションバルコニーの避難はしご、「高齢者や乳幼児を抱えて降りる場合不安」が50%超

今回は、マンションのバルコニーに設置されている避難ハッチ(はしご)についてのアンケートを実施いたしました。

アンケート集計結果の概要

・今までに避難ハッチを使用したことのある割合は全体の2.1%にとどまる。

・避難ハッチを有事の際に使用する場合、「すぐに降りられる」と回答したのは20.8%で「降りるのに手こずり、逃げるのが遅くなる」は22.3%だった。

・乳幼児やペットを抱えて降りる場合は「すぐに降りられる」と回答したのは4.9%で「降りるのに手こずり、逃げるのが遅くなる」は30.8%となり、「抱えている乳幼児やペットを無事におろせるか不安」が18.2%にのぼった。

・身体が不自由な家族を補助しながら降りる場合は「すぐに降りられる」と回答したのは1.3%で「降りるのに手こずり、逃げるのが遅くなる」は32.3%となり、「家族を無事におろせるか不安」が35.0%にのぼった。

アンケート概要
実施期間 2015年1月29日~2月5日
調査方法 インターネット(マンション・ラボ)
対象者 マンション・ラボ リサーチ会員
有効回答数 2,395

引用の際は、こちらからマンション・ラボまでご連絡ください


まずはどれくらいのご家庭のバルコニーに避難設備が設置されているのかをお聞きしました。

Q.ご自宅のバルコニーに、避難ハッチ、もしくは緩降器、救助袋等の避難設備は設置されていますか?(N=2,395)

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その中で、どのくらいの方が避難設備を実際に使用したことがあるのでしょう?

Q.実際に避難ハッチ等の避難設備を使用したことはありますか?(N=1,172)

使用したことがある方はわずか2.1%にとどまり、マンション住民のほとんどが使用したことが無いということがわかりました。

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使用したことがある方に、使用した理由についてお伺いしました。

Q.避難設備を使用した理由を教えてください。(複数選択可)(N=25)

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有事の際ではなく、避難訓練で使用したという割合が多かったです(数値が少ないため参考数値)。
ここからは実際に降りる場合について皆さんに想定してもらいながら回答いただきました。まずは、自分一人ではしごを降りる場合についてお伺いしました。

Q.もし火事や地震等の有事の際に避難設備を使用しなければならない場合、降りる自信はありますか?(N=1,147)

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すぐに降りられると思うが20.8%、多少の時間がかかっても降りられると思うが47.3%と、皆さんなかなか降りるのに自信があるようですね。次に、自分一人ではなく、乳幼児やペットを抱えて降りる場合を想定してお答えいただきました。果たしてどのような結果だったのでしょう。

Q.もし避難設備を使用して避難する場合、乳幼児やペットを抱えて降りるとしたら、自信はありますか?(N=1,172)
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「降りるのに手こずり、逃げるのが遅くなる」は30.8%となり、「落ちて自分が怪我をしそう」が5.4%、「抱えている乳幼児やペットを無事におろせるか不安」が18.2%にのぼり、半分以上の方が降りるのに不安を抱えていることがわかりました。先ほどの自分一人で降りる場合とは大きな差が出ています。

次に、身体が不自由なご家族がいた場合についてお聞きしました。こちらは乳幼児やペットがいる場合よりも不安を抱えている方が多い結果となりました。

Q.もしお身体が不自由なご家族がいた場合、補助をしながら降りられる自信はありますか?(N=1,172)

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「降りるのに手こずり、逃げるのが遅くなる」は32.3%となり、「落ちて自分が怪我をしそう」が7.6%、「家族を無事におろせるか不安」が35.0%になりました。また、「すぐに降りれると思う」はわずか1.3%に。このように、自分一人ではなく誰かを補助しながらの避難については、皆さんかなりの不安を抱えていることがわかりました。

避難はしごからの避難については、「マンションの避難ハッチ(避難はしご)万が一のときに使いこなせますか?」より、危機管理アドバイザーの国崎信江先生から下記のようなアドバイスをいただいています。

国崎先生「足の悪いお年寄りや小さな子ども、乳幼児を抱っこした方などが使うことを考えれば、やはり『怖い』と思ってしまうのが自然だと思います。『避難ハッチ』のオプションとして、カラビナとロープを使った命綱などを用意するのも良いのではないでしょうか。

また、お年寄りやお子様の場合、階下の方に下でサポートしてもらうだけで、不安は大きく改善されると思います。避難器具を性格に使用する“自助”はもちろん、『避難ハッチ』使用時の“共助”についても、事前に考えておくべきだと思います」

やはり避難ハッチを使用して降りなければならない場合を想定して、日頃から準備を整えておくことが必要とのこと。マンションの避難訓練等で実際に避難はしごの使い方を学んだり、荷物を持ちながら降りてみる等、実施してみてはいかがでしょうか。

また、火災等の避難の場合について、高齢者や障害者らが逃げ遅れるのを防ぐために、東京消防庁では非常用エレベーターを活用するよう指導しています。

高層建築物等における歩行困難者等に係る避難安全対策

いずれにせよ、お住まいのマンションの住民の年齢や世帯の特徴、設備を踏まえた避難方法について今一度考えてみるべきと言えるでしょう。

有事の際の避難方法については下記のページも合わせてご覧ください。

火災時の高層マンション、高齢者の避難に非常用エレベーターを活用

2015/02/18