住民が「つくる」ところからシェアに関わるしくみ

マンションのエントランスホールでの「ブックシェア」ライブラリーをご紹介した前回に引き続き、今回も、現在マンションで実際に行われている素敵な「シェア」の取り組みについてご紹介します。
株式会社リビタの長瀬徳之さんと、木内玲奈さんにお話を伺いました。

一緒に取り組む「森のリノベーション」

「一棟丸ごとリノベーション」をはじめ、様々な住宅のリノベーションに取り組む株式会社リビタ。

実は、住宅以外のリノベーションにも挑戦したことがあります。…それが、「森のリノベーション」。「リノア赤羽」の裏庭には、それまでほとんど利用されていなかった裏山(敷地内緑地)がありました。

この裏山を樹木医に見せたところ、樹齢60年ほどの広葉樹のある、貴重な緑地であることが明らかになったのです。

「森のリノベーション」を掲げた「リノア赤羽」には、都会にいながら森と、緑と共に暮らすということに共感する住民が集まりました。そんな住民自らが「森のリノベーション」に関われるよう、リビタでは、ウッドデッキテラスをつくるワークショップや、樹木医の先生を招いた森の教室などを開催。

住民が森を「つくる」ところから関わることで、この森は「わたしたちの森」なのだ、「みんなでシェアする森」なのだ、という意識を持ってもらえたようです。

その後、裏山に自生していたゆずの樹のもぎ取りワークショップを住民が企画したことがきっかけとなり、住民主導で様々な企画が催されるようになりました。

2011年5月に行われた『東日本大震災被災地応援 東北名産市』は、その中でも多くの住民、地域住民の方が参加する大きなイベントとなりました。

共用部のテラスにて、東北出身の住民らが東北の食材を使った料理と銘酒を振る舞い、また、マンションの一室では「ワンコイン寄席」が開催されました。

「ワンコイン寄席」は、住民の方のお部屋を寄席の会場に仕立て、住民の方のお知り合いでもある落語家の方が、お噺を披露してくださるという特別な企画。お子さんから年配の方まで、幅広い層の方が集まりました。

このイベントは大変好評のうちに終了し、地域住民の方も含めて100名以上の方が参加。入場料の一部は日本赤十字に寄付されました。

このように、「リノア赤羽」では、森のシェアから素敵な企画が、そしてコミュニティが、生まれています。

みんなで備え、みんなで使う「シェアリング倉庫」

皆さんのお宅には、脚立、自転車の空気入れ、バーベキューセット…などはありますか?これらは必要な時はあるけれど、一家に一台備えるほどではないもの…特に都市部では、住空間がそれほど大きくないので、このようなものを備えておくのは難しいのではないでしょうか?

「リノア元住吉」では、こうした「必要だけど、それぞれが買いそろえるほどではないもの」を住民全体で備えておく「シェアリング倉庫」を共用部に設置しています。

電動ドライバー、脚立、自転車の空気入れなどいくつかのものは入居時には倉庫にあらかじめ備えられ、その他に必要なものを購入するための予算も、管理費の一部から用意されました。(最初の予算の設計はリビタのほうで行っています。)

「どんなものがシェアリング倉庫にあると便利かな?」という意見交換がマンション専用のネット掲示板上で行われ、専用庭のある住民の方々がお金を出しあって芝刈り機を購入することに決まったそうです!

現在は、住民から寄贈された子ども用プールなども加わり、シェアリング倉庫はさらに充実しているそうです。


「森のリノベーション」も「シェアリング倉庫」も、リビタさんの「一棟丸ごとリノベーション」ならではの取り組みのように見えますが、これらの取り組みからシェアの実践のために活かせることは多くあると思います。

まずは、一人ひとりが「つくる」ところから関わるきっかけをつくること。そこから出てきた「もっとこんなことをしたら楽しいんじゃない?」「もっとこんなふうになると便利なんじゃない?」という意見をみんなで形にしてみること…などなど。

「とはいっても、イベントの参加者がなかなか増えないんです…」「誰も意見を言う人がいなくて…」という中でも、少しずつ、シェアを実践する秘訣について、リビタさんが教えてくださいました。次回はそんなお話を!

参考:
株式会社リビタ
http://www.rebita.co.jp/

2013/06/24