食べもののシェア~海外の取り組み:Community Harvest(コミュニティハーベスト)~

柿、みかん、キウイフルーツ…小さい頃から、果物の木のあるお家は憧れでした。鈴なりになっている果物を見上げて「こんなにたくさん、食べきれないだろうになぁ」と思ったことのある方はきっと私だけではないはず。

今日ご紹介する「Community Harvest(コミュニティハーベスト)」は、そんな気持ちから生まれたアメリカ、シアトル市西部の取り組みです。

「都市果樹園」という地域の資源

日本と同様にアメリカにも、庭先に果物の木を植えている家庭は多くあります。

しかし、たくさん摂れすぎたり、忙しくて収穫できないままだったり、居住者が高齢になり収穫する体力が無くなったりと、様々な理由により収穫時期を過ぎた果物が売れてどんどん地面に落ちている光景も多く見られています。

落ちた果物は、鳥のエサになればまだ幸運なほうで、ほとんどはゴミになり道路を汚す一因にもなってしまっています。

Community Harvestは、そんな「もったいない」庭の果物を救済し、必要とする人たちとシェアする仕組みです。

まず、新聞などを通じて「お宅に果物の木があれば収穫させて下さい!」と呼びかけます。そこで名乗り出てくれたお家にボランティアスタッフとともにお邪魔し、庭の果物を収穫します。集めた果物は「Food Bank(フードバンク)」を通じて、食費の余裕のない人たちに寄付されたほか、Community Harvestが製造するジャムなど加工食品の材料となり、売れたジャムの収益はCommunity Harvestの運営費に充てられます。

Food Bankとは、工場や店などで出る規格外の食材を寄付してもらい、経済的な理由で食材を自分で購入することができない人たちに配る仕組みのことです。日本でも大都市を中心に市民団体がFood Bankを運営しており、中にはFood Bankを通じて手に入れた食品を使い、安価な食事を提供する「コミュニティレストラン」を運営しているところもあります。

家の庭の木から採れる果物は、一本だと収穫量もたいしたことはないけれど、地域全体でみれば広大な「都市果樹園」という地域の資源。Community Harvestは、果物を収穫させてくれるお家とボランティアの力を借り、その資源を活用する…シェアする仕組みなのです。

日本型「都市果樹園」のシェア…埼玉県和光市の事例

Community Harvestをお手本に、地域の果樹や野菜といった資源の活用・シェアを推進している自治体があります。

埼玉県和光市での取り組みは「庭先販売」と呼ばれ、市内20か所ほどで、自家用の果樹や野菜などで余ったもの、採れすぎてしまったものを、庭先に小さな直売所を設置し、販売しています。

和光市では「庭先販売マップ」を作成するなど、「庭先販売」を応援しているそうです。利用者からは、「新鮮な野菜や果物が手軽に手に入る」「ご近所さんがつくっているものだから安心できる」といった声が聞かれているそうです。

Community Harvestと庭先直売、取り組み方は違いますが、どちらも都市・地域の資源を活用・シェアし、それを通して地域住民が繋がる、繋がりを感じられる仕組みをつくっているところが素晴らしいですね。

マンションで果樹や野菜を収穫することは難しいかもしれませんが、食材を買いすぎてしまったり、たくさんいただいてしまった場合には、Food Bank活動団体に寄付するのもいいですし、例えばマンションのお友達やお隣にお裾分けすれば、交流を育むきっかけにもなりますよね。

このように、食べもののシェアからはじめられる交流もあるので、ぜひいろいろ参考にしていただければ幸いです。

参考:
セカンドハーベスト・ジャパン:日本のFood Bank活動団体
http://2hj.org/
埼玉県和光市 庭先販売マップ
http://www.city.wako.lg.jp/home/busho/_5916/_5920/sei_5_7_0.html

2013/03/25