教えると学ぶを “つなぐ” 事例その2「主婦がシェフ?」【マンション・アフタースクール#6】

皆様、こんにちは。放課後NPOアフタースクールの平岩国泰です。コラムをお読みいただきまことにありがとうございます。

前回から、見えない糸を可視化する全国の“つなぐ”事例をご紹介しております。前回は「シブヤ大学」さんをご紹介しました。今回も2つほど事例をご紹介したいと思います。

「ワンデイシェフ」

“主婦がシェフ”

2011年1月7日の日経新聞夕刊に大きく掲載されていたタイトルです。ワンデイシェフの取り組みを紹介した記事でした。ワンデイシェフは、地元の主婦らが日替わりで料理を振る舞う形態のレストランで、三重県四日市市の市民団体「こらぼ屋」さんが考案された仕組みです。

(こらぼ屋ブログ)
http://ameblo.jp/koraboya/

こらぼ屋ブログ

このワンデイシェフの仕組みは01年からスタートし、他県からも視察が訪れるほど人気になり、現在では全国でも20か所以上で同様の仕組みで運営されているところがあるそうです。コミュニティレストランとも呼ばれます。三重県津市の「コミュニティ・レストランO+(オープラス)」はその代表格とも言える存在です。

(コミュニティレストラン「O+」 HP)
http://oneday-tsu.seesaa.net/

コミュニティレストラン「O+」

こちらでは、昼間は主婦のワンデイシェフシステムで運営、夜は三重大学の学生さんが運営をされているそうです。

HPを見ると、シェフカレンダーというものがあります。こなみ食堂、みっちゃん亭、シアワセタマゴ、など楽しい名前のお店と当日のメニューが掲載されています。見ているだけで楽しいですね。主婦の方は月に1回くらいで登場するそうです。

ランチは1食800円で、最低20食分の材料を自分で仕入れ、客数が少ないと赤字になりますが、黒字になった場合は利益の7割をシェフが持って帰れるそうです。このあたりも面白いですね。多少のリスクもレストラン経営感覚で楽しめ、本気度が増します。

まだまだ全国に広まりそうな取り組みだと感じます。

「コミュニティ・スクール」

文部科学省のHPを見るとコミュニティ・スクールという項目があり、下記記載があります。

「コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)は、地域の公立学校の運営に保護者、地域の皆さんの声を生かす仕組みです。 コミュニティ・スクールには、保護者や地域住民などから構成される学校運営協議会が設けられ、学校運営協議会が学校運営の基本方針を承認したり、教育活動などについて意見を述べたりすることを通じて、保護者、地域の皆さんの意見を学校運営に反映させることができます。」

これはまさしく地域の力を学校教育にいかそうとするもの。私たちのNPOと基本理念は一致すると思います。

このコミュニティ・スクールで代表事例とされている学校があります。それが京都市立御所南小学校です。ここの小学校の特徴は“壁のない教室”です。教室と廊下を隔てる壁のない教室では様々な交流が生まれます。

HPを見ても、卒業生の方々など様々な大人が子どもたちに貴重な体験を教えていることが分かります。この学校ではコミュニティ委員と呼ばれる約100名の大人が学校運営に関わっているそうです。

コミュニティ・スクールでは、学校運営に関して地域の住民が意見を述べたりする参画はそれなりにあるそうですが、実際の運営に深く携わっているという点で貴重な事例です。

(京都市立御所南小学校HP)
http://cms.edu.city.kyoto.jp/weblog/index.php?id=102704

京都市立御所南小学校HP

「つなぐ事例まとめ」

ここまで前回のコラムと合わせて、

●シブヤ大学
●ワンデイシェフ
●コミュニティ・スクール

と3つの事例をご紹介してきました。

シブヤ、料理、教育など様々なきっかけではありますが、“人々がつながる”ということが共通のキーワードであります。そして“つなぎ役”となるコーディネータがそこに存在することも見逃せない点です。

前々回のコラムで私たちが初めて開催したプログラムでの和食の市民先生をご紹介しました。子どもたちに本物の和食を教えてくださる放課後プログラムを開催した先生が街を歩いていると「先生、こんにちは」と子どもに声をかけられたそうです。この1つの挨拶こそ、私たちの初めての成功事例だったと思います。

和食の料理を通じて、街のつながりが可視化されたのです。

私たちも“子どもを育てる”という旗印を掲げ、つながりを作り、子どもが安心して遊べる街を作っているのだと思います。そうしてつながりが出来れば、いざという時の行動も一段と深い協力が出来ると思います。

改めて思います。

人は皆助け合って支え合って生きているのです。これからもたくさんの“つなぐ事例”が増えていくことを願っています。

日本は元々、あまり広くない国土にたくさんの国民がおり、皆で暮らしを支え合うことが自然に身についているコミュニティ先進国であったと思います。時代が進み、つながりは希薄化しているように見えますが、一歩進んで、ちょっとしたつなぎ役が活躍することで、絆は目に見えるものになってきます。

ぜひ皆さんもつながっていきましょう。

次回以降のコラムもどうぞよろしくお願いいたします。

放課後NPOアフタースクール

平岩 国泰 hiraiwa@npoafterschool.org

2011/04/18

プロフィール

平岩 国泰

放課後NPOアフタースクール代表理事。1974年東京都出身。1996年 慶應義塾大学経済学部卒。2004年長女の誕生を機に放課後NPOアフタースクールの活動開始。日本初の“放課後NPO”の活動は、100種類以上の“放課後プログラム”が誕生し、1万人以上の子どもが参加。グッドデザイン賞(2年連続)他各種受賞。