韓国・百済の古都にまつわる風水を探る~後編~

前回に続き、百済の歴史を訪ねる旅を風水の視点で紹介します。

つい最近、世界遺産に登録された公州(ソンジュ)の公山城へ行きました。百済王朝の城です。彦根城の「ひこにゃん」のようなゆるキャラが出迎えていました。別名、熊津(ウンジン)城とも呼ばれているせいか、刀を提げた熊でした。

熊津城のキャラクター

城壁には龍が描かれた黄色い旗印が並んでいます。

公山城に並ぶ旗印

龍は大地から湧き上がるエネルギーである「気」の象徴とされています。そのため王は、自らの印として、龍を好んで使うものなのです。また、黄色は王の色と言われていて、これも風水理論から来ています。

前回お話しした風水四神の方位は、玄武(黒いカメの姿)は北、青龍は東、白虎は西、朱雀(朱い鳳凰の姿)は南となっていて、これらの色は風水ではそれぞれの方位のラッキーカラーとなっています。そして、中央は黄色なのです。王は世界の中心にいるということなのです。

観光客向けに衛兵の交代の儀式が行われています。

翌日は、全州(チョンジュ)へ行きました。百済の都だった場所です。全州韓屋村(ハノクマウル)は、約700軒の韓国式の伝統家屋の他、紙漉きの店や薬屋や造り酒屋などのお店や文化遺跡が保存されている地域で、全州の観光スポットです。歴史的町並みを残しているため、映画やドラマのロケにもよく使われています。

韓屋村(ハノクマウル)の町並み

屋根の下に「福」の文字が見られます。

紙漉きの家

学校

文化遺跡として保存されている慶基殿(キョンギジョン)は、朝鮮建国後、李王朝を開いた李成桂(イ・ソンゲ)の肖像画を奉安するために1410年に創建されたということです。

慶基殿(キョンギジン)

李朝太祖、李成桂の絵

アメリカからの韓国客を連れたツアーガイドが、この絵について「何故、彼は青い服を着ていると思いますか?」と言っているのが耳に入りました。一説には、風水では中央の王の色は黄色で、その東は青が呼応する色なので、中国の東にある国として中国への恭順の意を表して青い服をまとったと説明していました。実は他にも風水で説明できる説があるのですが、それは話が長くなるので、またの機会にお話ししましょう。

全州韓屋村(ハノクマウル)は、散策するだけで1日たっぷり楽しめます。韓国の民族衣装のレンタルのお店もあり、民族衣装を着て観光を楽しむ人たちも多かったです。ご飯を食べたりお茶をしたりするお店もあちこちにあります。

私はこちらのカフェで一休みしました。

全州韓屋村のカフェ

テラス席もいいかんじです。

韓国ではかき氷が定番の甘味です。韓国のかき氷は、ミルク味の甘い氷でできています。その上にチョコレートやマンゴーをたっぷりのせたのが人気です。私はマンゴーを注文しました。とても大きいかき氷が出てきました。

マンゴーがのった韓国かき氷

氷はこんなかんじです。氷自体に甘い味がついています。

帰国して数日後、なにげなくテレビをつけると、「大風水」という韓国ドラマが放送されていました。主人公のチサンは、人の将来を言い当てたり、最高の吉地を見抜いたりする神眼の持ち主で、朝鮮王朝を開いた李成桂(イ・ソンゲ)のために都の造営のアドバイスをした人物とされています。

李成桂と言えば、全州韓屋村の中で、李成桂の肖像画を奉安するために建てられた慶基殿を見てきたばかりです。なんという偶然でしょう。しかも、ふとテレビをつけみたとき、ちょうど風水診断をして、都をつくる土地を探しているという場面だったのです。

王座に着くべきか迷っている李成桂将軍とともに高台から広大な土地を見下ろし、「あの南山(ナムサン)が玄武です。先端の尖ったあの山のおかげで、求心力のある王朝になるでしょう。あの山が青龍、あの山が白虎。民の腹を満たし、平和が訪れるでしょう。都を流れる漢江(ハンガン)が、都に生気をもたらします。」というようなことを語り、李成桂が民のために王座に着くべきだと諭すシーンでした。

番組は最終回の前の回で、李成桂が王座に着くまでが描かれていました。王の玉座は金色で、龍の彫り物が施されていて、王妃の玉座は鳳凰の彫り物が施されています。この記事の最初の方でもこの話をしたように、黄色は王の色で、龍は王を表します。そして鳳凰は王妃を表します。ですから、古くから、王や王妃の服や使うものには龍と鳳凰が描かれています。特に、龍は気の象徴ということで、一般的にもよく使われるモチーフです。ただ、普通は4つ爪の龍で、王の龍だけは5つ爪の龍です。日本でも天皇家の菊の御紋と、天皇家以外の菊花紋では、花びらの数が違うのと同じですね。

風水に関する知識は、複雑で難解な部分もありますが、あらゆる東洋の考え方の基本となる哲学のようなものでもあります。ですから、教養として知っておくと、いろいろな場面で風水の影響を見てとることができます。すると、各国の文化への理解をさらに深めたり、文化を比較したりできて楽しいものです。

ではまた来月もお楽しみに。来月は風水診断のコーナーになります。

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2015/09/24

プロフィール

工藤 沙美

中国正統派風水の理論を、モダンインテリアで表現する英国式風水コンサルタント。心理学と子育ての経験を活かした親身なアドバイスや、英国公認インテリアデザイナーとして風水を取り入れたインテリアセンスが人気。講演会や執筆のほか、個人や企業の個別風水相談を中心に活動中。


工藤沙美先生のホームページ「風水インテリア」

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