韓国・百済の古都にまつわる風水を探る~前編~

中国を発祥とする風水は、全世界に広まっています。とりわけアジアでは古くからその大きな影響が建築物や町づくりに見られます。このコーナーでも、シンガポールベトナムカンボジアソウル香港を特集してきました。

今回は、韓国ソウルの南にある公州(コンジュ)に残る百済の古都にまつわる風水についてご紹介したいと思います。

公州はソウルから南へ車で3時間ほどのところにあります。夫は世界遺産が好きなので、百済の古墳や城があるその遺跡群が、世界遺産に登録されるのも近いと聞き、春にソウルから足を伸ばしたのです。その2ヶ月後、2015年7月にこの百済歴史地区が世界遺産に登録されました。

まず、栄山里古墳群を訪れました。三国時代の王陵で、7基の古墳があります。これによって百済王室の墓の構造がわかったので、百済王朝を理解するための重要な遺跡です。誰が埋葬されているのかわからなかったのですが、唯一わかったのが百済の第25第目の王、武寧(ムリョン)王とその王妃の墓です。

武寧王陵の入り口

発見当時、ほとんどの墓がすでに盗掘されていました。でも、武寧王の安置された部屋だけは入り口がわかりにくい場所にあったので盗掘されずに残っていたのです。

最初に発見された古墳が見つかったのは1920年代。1971年に水はけをよくして古墳の水濡れを防ぐために排水工事を行った際に、偶然見つかったのがこの武寧王の古墳でした。

盗掘をまぬがれたおかげで、誰の墓なのかがわかり、多くの出土品がありました。遺物は全部で108種、約4600点にのぼります。王や王妃の金製冠飾りや金製耳飾りなどが発見され、国宝として国立広州博物館に展示されています。

墓が発見はすぐにセンセーショナルに報道されました。そのとき、不用意に多くの報道陣に公開されたために、急激に酸化が進み出土品の多くが傷んでしまったということです。残念なことですね。

国宝の王の金製冠飾り等の複製品が展示されています

出土品だけでなく、遺体が安置されていた石室も復元されて展示されています。石室の壁には、手前に朱雀、奥に玄武、左右に青龍と白虎が描かれています。

中央奥が玄武、右が青龍、左が白虎

右に描かれた青龍

遺体が安置された部屋に入る小さい入り口の上に朱雀が描かれています

風水は、もともと王の墓を造る場所を探すためのものでした。良い気の溢れる場所に遺体を埋葬することで、その骨を通じて子孫は大地から力を得ることができ、一族の繁栄に導くと信じられていました。周囲の地形を風水鑑定して、良い気があふれる場所を探し出して、そこに王陵を造ったわけです。つまり王陵のあるその地はまさにパワースポットですね。

キトラ古墳のように、玄武・青龍・白虎・朱雀の風水四神は日本でも古墳の内壁に描かれています。玄武は北側にあり、王の背後を守り繁栄をもたらします。東の青龍は気を運び込む象徴です。西の白虎は守護を与えます。南の朱雀は良いチャンスを運び込んだり、権威を与えてくれたりします。

さて、ここの名物料理というと、蓮の葉に包まれたご飯とピビンバということなので、お昼ご飯に食べてきました。

(写真左)蓮の葉ご飯/(写真右)中身はお赤飯のような感じです

(写真左)チヂミや韓国のお惣菜がいろいろ出てきました/(写真右)栗のマッコリ

その後、百済生活文化村にも訪れました。歴史を伝えるために、20年程前につくられたもので、広い敷地に当時の家がたくさん復元されています。さまざまな階級の住宅や生活文化を伺い知ることができるので、もし公州を訪れたときはこちらも是非ゆっくりと行かれるといいと思います。

手前は竪穴式住居、右奥は高床式

庶民の家

こちらは身分の高い人の屋敷のようです

韓国・百済の歴史の旅は次回に続きます。お楽しみに。

2015/09/09

プロフィール

工藤 沙美

中国正統派風水の理論を、モダンインテリアで表現する英国式風水コンサルタント。心理学と子育ての経験を活かした親身なアドバイスや、英国公認インテリアデザイナーとして風水を取り入れたインテリアセンスが人気。講演会や執筆のほか、個人や企業の個別風水相談を中心に活動中。


工藤沙美先生のホームページ「風水インテリア」

工藤沙美先生のブログ「幸運指数UPの法則」


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